じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 12月15日、山陽女子ロードレース(ハーフマラソン)が行われた。今年は福士加代子選手のような有名選手の出場が無かったのでどうしようかと思っていたが、近隣のスーパーに買い出しにいったついでに岡北大橋の歩道で上位選手の走りっぷりを観戦した。

 帰宅後に録画をチェックしたところ、私の姿も不鮮明ながらちゃんと写っており、実況中継に「出場」していることが確認できた。



2024年12月16日(月)





【連載】チコちゃんに叱られる! 「日本の国土面積の算出法」

 昨日に続いて、12月13日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は
  1. しゃぶしゃぶはなぜ「しゃぶしゃぶ」?
  2. なんでHawaiiは「i」が2つ付くの?
  3. 【CO2削減のコーナー】THE論文SHOW!:透明人間
  4. 日本の国土の面積はどうやって計算する?
という4つの話題のうち、最後の4.について考察する。

 放送によれば、「日本の国土の面積は1500万個の台形の面積を計算する」が背負い回であると説明された。今回は塚原愛アナが聞き手となり塚崎靖久さん(国土地理院)さんによる以下のような解説が行われた【要約・改変あり】。
  • 国土の面積はすべて台形にして計算している。
  • 公的な面積を求める際には座標法による面積計算が行われる。【計算式は省略。こちらに解説記事あり】。複雑な地形でもすべて台形に分解することで面積を求めることができる。
  • 屋久島を例にすると、
    1. まず屋久島の海岸線上に頂点を設置する。放送では分かりやすく説明するために頂点の数を14に減らす。屋久島の形は14角形の図形に近似される。
    2. 14角形を座標軸上に表示し、北側の隣り合う頂点から横軸に垂線を下ろすと台形を作ることができる。これらの合計は屋久島全体と、そこから横軸にいたるまでの南側の海の面積を合計した面積になる。
    3. 同じく、南側の隣り合う頂点から横軸に垂線を下ろして台形を作ると海の面積の合計となる。
    4. 上記2.から3.の値を引けば、屋久島の面積となる。
    5. 実際には、屋久島だけで約2万5000点の座標点が設置されている。
  • 日本の面積は各市町村ごとに計算される。
  • 日本全国の座標点をすべて合わせると約1500万点となる。
  • 2024年7月1日時点で計算された日本の国土面積は、37万7975.8平方キロメートル。
  • 国土地理院では年4回、国土の面積を公表している。
  • 日本の国土は2022年より2023年のほうがおよそ1.53平方キロメートル増加している。この数値は海の埋め立てや地殻変動などで変動している。

 ここからは私の感想・考察になるが、まず、放送の中の座標図のところで、縦軸が「x」、横軸が「y」と表示されており、中学や高校で習う座標系と異なっているのが気になった。検索したところ、これは『平面直角座標系』と呼ばれており、
各系番号ごとの座標系原点の経緯度や適用区域など、具体的な定義は国土交通省告示で定められている。
地球楕円体面を平面に投影する図法は、正角図法であるガウス・クリューゲル図法を用いる。局所的縮尺のずれが ±1/10000 に収まるように、座標原点を通る子午線上の縮尺係数を 0.9999 に設定し、原則として基準子午線から東西約130 kmの範囲で用いる。その上で、一部離島を除いて各都府県がひとつの座標系でカバーできるよう、また一部離島については個別にカバーするよう、19の座標系を設ける。なお告示文中では、南北方向(基準子午線方向)を北向きを正とするX軸、それに直交する方向を東向きを正とするY軸としている。
という理由で、X軸とY軸が定められているためであることが分かった。Copilotに

中学や高校の数学で習う座標系は横軸がx軸、縦軸がY軸になっていますが、地理の平面直角座標系では北向きを正とするX軸、それに直交する方向を東向きを正とするY軸としています。これはなぜですか?

と尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。
中学や高校の数学で習う座標系は横軸がx軸、縦軸がY軸になっていますが、地理の平面直角座標系では北向きを正とするX軸、それに直交する方向を東向きを正とするY軸としています。これはなぜですか? 興味深い質問ですね。座標系の設定方法が異なる理由について説明します。
数学の座標系: 通常のデカルト座標系では、横軸(X軸)を横方向、縦軸(Y軸)を縦方向として定義します。これが中学や高校の数学でよく使われる座標系です。この座標系は、数学的な関数やグラフを描くのに適しており、直感的で扱いやすいのが特徴です。
地理の平面直角座標系: 地理学では、地表の特定の位置を示すために、北を正とするX軸と東を正とするY軸を使用します。この座標系は、地図の方位(北が上、東が右)に一致するように設計されています。これにより、実際の地理的な位置関係を反映しやすくなります。
この違いは、各分野での利用目的や対象が異なるためです。数学では抽象的な数値や関数を扱うために直感的な座標系が採用され、地理学では現実の地形や方向を正確に表現するための座標系が採用されています。
つまり、どちらの座標系もそれぞれの用途に応じた合理的な選択となっているわけですね。
 イマイチ分からないところもあるが、地球上の緯度・経度では緯度が縦軸、経度は横軸の目盛りになっていることからみて、緯度をxで表せばXが増えることは(北半球であれば)北極方面にに移動することになり確かにこのほうが実用上扱いやすくなるのかもしれない。

 それはそれとして、放送を視聴する前に私が考えていた(←どこかで耳にした)面積計算法は次の3通りであった。
  1. 日本地図を(たとえば100m×100mの)正方形のメッシュに分割する。それぞれの正方形がすべて陸地または河川であれば「1」、部分的に海が含まれていれば「0.5」、すべて海であれば「0」として数える。それら合計の値が国土面積となる。
  2. 日本地図を大きな紙に印刷する。陸地部分(河川を含む)をハサミで切り抜く。あらかじめ単位面積あたりの紙の重さを測っておき、切り抜いた紙片の重さを合計すれば国土面積が計算できる。
  3. 日本地図の画像から陸地や河川に相当する部分のドットの数を合計する。

 もっとも、このうち1.については、厳密には地球が楕円体であるため、誤差が生じる。ウィキペディアにも、

地球表面の位置を表示する方法として経緯度があるが、経線は赤道を離れるほど間隔が狭くなる。また緯線についても、地球を回転楕円体で近似する必要があるため、同じ1度間隔であっても緯度によって距離(子午線弧長)が異なる。したがって平面上の直交座標と比べ扱いが困難となる。そしてどのような地図投影法も、回転楕円体面上の地物を、角度や距離の関係を歪めることなく平面に投影することはできない。

という問題点が指摘されている。平面直角座標系ではこれが改善されるらしいが、詳しいことはよく分からない。

 あと、土地が斜面であった場合、斜面上の境界線で測った面積と、それを海水面に投影した時の面積では差が出てくるはずだ。例えば富士山の火口を中心とした半径10kmの円の面積は、海水面に投影すれば10×10×3.14平方キロメートルとなるが、実際は斜面があるためもっと広くなるはず。このあたり、土地の利用上や不動産登記上の面積などで利便性が変わってくるとは思うが、詳しいことは調べていない。