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12月14日夜から15日朝にかけて月と木星が接近する様子を眺めることができた。最接近は04時42分。撮影時刻は05時45分。撮影時の月齢は13.6。 ちなみに12月14日は赤穂浪士の討ち入りの日にあたるが、この日付は旧暦であり、太陽暦では1703年1月30日となる。月齢カレンダーによれば、討ち入りの日の真夜中の月齢は13.2であり、2024年12月14日の21時の月齢13.2と一致する。月齢が同じでも満月の瞬間との時間差が異なるし赤緯も異なるので全く同じとは言えないが、討ち入りの夜は今回と同じように一晩中丸い月が見えていたことは間違いない。 |
【連載】チコちゃんに叱られる! 「再帰性反射材による光学迷彩と透明人間」 昨日に続いて、12月13日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は
さて3.の『THE論文SHOW!』では、「透明人間になることを発明した」稲見昌彦さん(東京大学)の論文が紹介された【2003年のISMARで発表された内容】。 ●Masahiko INAMI Naoki KAWAKAMI & Susumu TACHI (2003).Optical Camouflage Using Retro-reflective Projection Technology. Proceedings of the Second IEEE and ACM International Symposium on Mixed and Augmented Reality (ISMAR ’03). 私が理解した範囲だが、その仕組みは以下の通り。
ここからは私の感想・考察になるが、まず、『THE論文SHOW!』という企画は第2弾ということであったが、第1弾がなんであったのか全く思い出せなかった。しかしWeb日記というのは便利なもので、検索すればちゃんとその記録を見つけ出すことができる。それによれば第1弾は、2023年4月21日に初回放送された、 ●【CO2削減のコーナー THE論文SHOW!】マグカップに入れたコーヒーをこぼさないように運ぶ方法 であったことが判明した。第1弾、第2弾と呼ぶにはずいぶんと間隔があきすぎているように思う。 この企画ではサイエンスzeroのような最新の研究成果が紹介されるのかと思ったが、出典を見た限りでは2003年の発表となっていた。研究自体は発展しているはずなので、何も20年以上前の発表抄録のようなものを出典に掲げなくてもいいのではないかと思われた。 それはそれとして、『再帰性反射材』を使えば本当に透明人間になれるのだろうか。観察者から見ると、本物の背景と再帰性反射素材では距離が異なっているはずだ。この場合、奥行き知覚の働きとして、
なお、ウィキペディアには光学迷彩の項目があり、今回の研究も紹介されていた。ちゃんと調べれば、上掲の疑問は解消できるかもしれない。 この技術の応用例として、ダッシュボードで遮られている前方の景色を映し出すという技術が紹介されていた。もっとも、前方の景色をより広く見るというだけであれば、ダッシュボードに大型スクリーンを設置して車載カメラで映した景色をそのまま流せばいいはず。『再帰性反射材』をどこに使うのかよく分からなかった。 いっぽう、冗談として、ダイエット中に家族に隠れて夜中にビールを飲むという事例が語られた。ウィキペディアにもいろいろ挙げられているが、透明人間になったら何ができるかということをあれやこれやと空想するのは楽しいものだ。 もっとも、透明人間の最大のメリットは他者に見つからないことにある。しかし、それが確実であるとすると、窃盗、性犯罪、暗殺などの犯罪行為が増える恐れもある。人間は性善でも性悪でもない、文脈によって良いことも悪いこともする、と考えるならば、透明人間が社会に貢献する可能性は低い。 透明人間とは異なるが、タイムマシンで別の時代にワープするというSFもある。但し、ワープした先で人々の行動を観察することはできるが、当人の姿は見えないし何の力を及ぼすこともできないという話。科学技術の力では実現できそうにもないが【宇宙の果てに大きな鏡があって、過去に地球上で起こった出来事を映像として反射できるというなら、光が戻ってくるまでの年数分だけ過去の世界を見ることができるかもしれないが】、小説や映画であれば本物らしく再現することができる。 次回に続く。 |