じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 半田山植物園のレオノチス(カエンキセワタ)。地上部は霜にあたると枯れるが、花びらの部分がドライフラワー化してまだ咲いているように見える【写真左】。写真右は昨年12月5日の写真で、この時点ではまだ緑色の葉っぱが残っている。

2025年01月26日(日)




【連載】チコちゃんに叱られる! 「風邪で熱が出たのになぜ寒い」/風邪をひいても無理に熱を下げてはいけない/風邪をひいた時の入浴

 1月24日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。この日は、
  1. 熱が出たとき体温が上がっているのに「寒い」と感じるのはなぜ?
  2. 散歩の「散」ってなに?
  3. 冷蔵庫が冷やせるのはなぜ?
という3つの話題が取り上げられた。本日はこのうちの1.について考察する。

 放送では、熱が出たとき体温が上がっているのに『寒い』と感じるのは 「そのとき脳は平熱が39℃だと思っているけど実際は37℃とか38℃だから」が正解であると説明された。人間の体温について研究している永島計さん(早稲田大学)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
  1. 「自分の体温がいつもより高いから周りの温度が低く感じて『寒い』」【体温が39℃になると外気温が相対的に低くなるのでそのぶん寒く感じる】という説明は間違い。
  2. ポイントは脳による体温の「設定温度」。通常人の体温は脳によって36℃〜37℃に設定されている。
  3. 風邪をひいた時などは設定温度が39℃まで引き上げられることで結果的に寒さを感じてしまう。
  4. 風邪の原因になるのは、物に付着したり空気中を飛んでいたりするウイルス。これが体内に入り込むと、ウイルスから体を守る免疫細胞が反応し、脳にある体温調節の司令塔・視床下部にウイルスの侵入を伝える。
  5. 人間の体温は視床下部が決める設定温度に従って上下する。通常は36〜37℃を平熱とするが、ウイルスが体に入ると熱に弱いウイルスを退治するため視床下部は設定温度を2〜3℃引き上げて39℃に設定する。これに伴い体温はどんどん上がっていくというのが熱がでる仕組み。
  6. 体内にウイルスが侵入すると、視床下部はウイルスを弱らせるために体中に「設定温度を39℃まで上げろ!」という指示を出す。すると熱を体外に放出する役割がある血液の流れを抑えるために、皮膚に近いところにある血管を縮めて熱の放出を減らしたり、筋肉を震わせて熱を発生させたりして体温を無意識に上げる働きをする。この働きが、手足の先が冷たいと感じたり筋肉痛につながっている。
  7. しかし、実際に体温が39℃に上がるまでには時間がかかり、脳が設定する温度は39℃なのに実際の体温はそれ以下である時間が発生する。この温度差が「寒さ」の正体。
  8. 体温が1℃上がるとウイルスの感染を防ぐ力は5〜6倍にアップする。そのため39℃まで上がらなかったとしても、体温が上がることで感染を防ぐことができている。
  9. 【補足説明】熱が出た時には汗が出て暑いと感じることもある。ウイルスの退治が終わると脳は平熱を36℃〜37℃に設定し直す。その時じっさいの体温はまだ39℃近くになっているので、体温を逃そうとして汗をかく。つまり汗をかき始めたら治り始めの合図なので今度は厚着から薄着に変えたりして、効率的に平熱に戻るようにするとよい。


 ここからは私の感想・考察を述べさせていただくが、まず、放送の解説から、風邪をひいた時に感じる悪寒のような寒さは、外気温とは無関係に生じるということが分かった。つまり、外気温が氷点下であっても、45℃以上の暑さの中でも、ウイルスに感染して体温が39℃に上がった時は「寒い」と感じるような仕組みになっているようである。とはいえ、猛暑日に風邪をひいて寒さを感じたからといって布団をかぶせてよいものか、そんなことをしたら熱中症になってしまうのではないか、という懸念も出てくる。

 なお、上掲の解説にもあるように、風邪をひいた時の高熱は体の正常な防御反応。無理に熱を下げようとするのは逆効果であるようにも思われる。さっそくCopilotに

風邪をひいた時に熱が出るのは熱に弱いウイルスを退治するためだと聞きました。ということは、風邪を引いた時におでこを冷やしたり、水枕を使ったり、あるいは解熱剤を使ったりするのは、ウイルスの退治にとっては逆効果になるのではないでしょうか?

と尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。
おっしゃる通り、風邪をひいた時の熱は免疫反応の一環であり、体がウイルスと戦っている証拠です。そのため、無理に熱を下げることは必ずしも良い結果を生むとは限りません。しかし、熱が高温すぎる場合や体力を消耗してしまう場合など、症状によっては適切な対処が必要です。
一般的には、発熱時にはまず体をしっかり保温し、余計なエネルギーを使わないように安静にすることが重要です。また、汗をかき始めたら、体を冷やして熱を放出しやすくするのが良いでしょう。ただし、どんな場合でも自己判断で無理をせず、症状が重くなった場合には医師に相談することが大切です。
風邪の時には、解熱剤や冷却グッズを使うことが多いですが、状況に応じて適切に使うことが重要です。体温が非常に高い場合や、強い不快感がある場合などには一時的に使用するのが有効です。
ご参考になれば幸いです。体調を整えて、早い回復をお祈りします。どうぞお大事に!?????

AIは私が風邪をひいていると勘違いして、ご丁寧にも「どうぞお大事に」というメッセージを送ってくださった。人為的に付加されたものとは思うが、最近のAIは少なくとも言語生成レベルでは質問者への思いやりを感じさせるような回答構成になっているようである。

 なお、上掲の回答の出典として、

かぜをひいたら? 熱が出た時の対処法と治るまでの過程

という記事があり、今回の放送内容とほぼ同じ解説になっていた。

また、上掲の回答にはもう1つ、

【保存版】熱が早く下がる6つの方法!発熱時の対処法をまとめて紹介!

という出典がリンクされており、その中でも、
記事タイトルと矛盾してしまいますが、熱を無理やり下げてしまうことは実はあまりお勧めできません。
ウイルスや細菌は、体温が33度前後で最も繁殖しやすい性質を持っています。
そこから体温が上がるにつれ、繁殖力が低下していくのですね。 熱が出ている状態というのは、体の免疫細胞がわざと体温を上昇させて、ウイルスや細菌と戦っている状態です。
それを無理やりにでも熱を下げてしまうと、ウイルスや細菌を退治しきれなくなったり、退治するまでの時間が伸びてしまうことがあります。
こうなると風邪が長引いてしまったり、ぶり返し熱を発してしまう危険性があるということです。
ですので、早く熱を下げたいからといって風邪薬や解熱剤を飲むことは、根本的には遠回りになってしまいます。
と指摘されていた。

 もう1つ、風邪をひいた時に頭を冷やすことが正しいかどうか、Copilotに「頭寒足熱という言葉がありますが、風邪をひいた時に頭を冷やすのは正しい対処法でしょうか?」と尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。
「頭寒足熱」という言葉は、風邪をひいたときにも効果的な対処法とされています。頭を冷やしつつ足を温めることで、血流を良くし、体が休まりやすくなるといったメリットがあります。
特に、熱が出たときは、頭を冷やすことで熱のこもりを防ぐ効果があります。また、足を温かくしておくことで、全身の血流が良くなり、体の回復を助けるとも言われています。
この方法はあくまで補助的なものであり、風邪がひどくならないうちに適切な医療機関を受診することが大切です。





 ここからは少々脇道に逸れるが、暑さを感じる仕組みについては、2023年10月6日初回放送のチコちゃんの放送で、

気温40℃は暑いのにお風呂の40℃がちょうどいいのはなぜ?

という疑問が取り上げられたことがあった。この時は、

暑さの正体は皮膚の温度が上がったことを脳に伝える神経の電気信号。

と解説されていたが、今回は、

風邪が治りかけの時に暑さを感じて汗が出るのは、脳が再設定した体温(36℃〜37℃)に比べてじっさいの体温がそれよりも高いから。

というように体の中での現象として説明されていた。寒さについても同様。つまり、私たちが感じる暑さや寒さにはそれぞれ2種類あるがあるように思われた。さっそくCopilotに「真冬に感じる寒さと、風邪をひいて高熱になった時に感じる寒さは、別の仕組みで生じるものでしょうか?」と尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。
はい、真冬に感じる寒さと風邪をひいて高熱になった時に感じる寒さは、異なる仕組みで生じます。
  1. **真冬の寒さ**:
    • **環境的温度低下**: 外気温が低くなるため、体が熱を失いやすくなります。体温を維持するために寒さを感じます。
    • **体の反応**: 血管収縮などの生理的反応で体内の温度を保つようにします。また、筋肉が震え(シバリング)て熱を生成しようとすることもあります。
  2. **風邪引きの寒気(発熱時)**:
    • **感染と免疫反応**: 風邪のウイルスや細菌に対する免疫反応の一環として、体温を上げようとします。これにより敵となる病原体が生息しづらくなります。
    • **脳の指令**: 脳の視床下部が体温を高めるよう信号を発し、それに伴って寒気を感じます。これは「体が寒いから温まれ」という体内からの命令です。
  3. これらの寒さは、同じ「寒い」と感じるものの、背景となるプロセスは異なるのです。どちらも体の防衛機能の一部なのですが、その目的やメカニズムが異なっています。
  4. 外の寒さを温かい飲み物で和らげるのも、風邪の寒気をお風呂で温めるのも、どちらも私たちができる対策ですね。


 上掲の回答の最後のところに「風邪の寒気をお風呂で温めるのも、どちらも私たちができる対策ですね。」とあったが、私は子どもの頃から風邪をひいた時には絶対に風呂に入ってはいけないと教えられてきた。さっそく「風邪をひいたときにお風呂に入ってはいけないと言われるのはなぜですか?」と追加質問したところ、以下のような回答をいただいた。
風邪をひいたときにお風呂に入ってはいけないと言われる理由は、いくつかの要因があります。
  1. **体力の消耗**: 熱いお風呂に入ることで体力が消耗し、更に風邪の症状が悪化することがあります。
  2. **湯冷めの危険**: 一昔前の日本の家屋は気密性が低く、お風呂から上がった後に湯冷めしやすい環境でした。そのため、風邪のときに入浴することが避けられていました。
  3. **症状の悪化**: 高熱がある場合や倦怠感が強いときに入浴することで体に負担がかかり、症状が悪化する可能性があります。
現在の日本では、住環境が改善され、これらのリスクは少なくなっています。軽い風邪の症状であれば、お風呂に入ることが有益とされる場合もあります。鼻づまりの解消や喉の保湿など、お風呂に入ることで風邪の症状を和らげる効果が期待できます。
ただし、高熱やひどい倦怠感がある場合は、無理に入浴せず体を休めることが大切です。風邪の症状と体調に合わせた判断が必要ですね。
出典としては、 があり、状態にもよるが「風邪をひいたら入浴しない方がいいというのは、一昔前までの話です。」とのことであった。私自身の経験的では、風邪をひきかけの時に風呂に入ってそのあと高熱が出たことがあり、わざわざ入浴しようとは思わないが、おそらくこの現象は、インフルエンザに感染した初期、大したことがないと思って入浴し、そのあとで入浴とは無関係に症状が進んだものと思われる。
 このほかワクチン接種などの日に「お風呂に入っていいか」と聞くこともあるが、ざっと検索したところ、以前は「予防接種当日はお風呂に入らない」という考え方が一般的であったが、これは銭湯に入ることが多いなど衛生状態が今よりも良くなかったことから言われてきたためであり、現在では数時間後の入浴は問題なさそうである。

 余談だが、私は現役時代には時たまインフルエンザなどで高熱になったことがあった。39℃の高熱にもかかわらず卒論・修論の試問を行ったり、入学試験の監督を終えたあとに発症したこともあった。しかし65歳の定年退職以降の7年間は、私の記憶や日記の記録を見る限り、鼻風邪程度ならあるが38℃〜39℃の熱を出したことは一度もない。いちおうインフルエンザワクチンを毎年接種、新型コロナワクチンは7回接種したこと【今季はパス】、滅多に人混みに行かないことが予防になっているとは思う。もっとも人混みを避けていることで免疫力が相当弱くなっている恐れもありそう。


 次回に続く。