じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 1月28日の日の入り。旧暦では大晦日の日没となる。
 ウィキペディアによれば、この先の日本、中国、ベトナムでの旧暦の元日は、
  • 2026年2月17日
  • 2027年2月6日(日本では2月7日)
  • 2028年1月26日(日本では1月27日)
  • 2029年2月13日
  • 2030年2月3日(ベトナムでは2月2日)
となっており、国によって1日ずれる年が多くなる。ウィキペディアでは以下のように説明されている。
中国暦は天体の運行を元にしており、朔や中気がどの日に起こるかで、月の始まりや月名を決める。これらの天文現象が観測されるのは世界同時だが、時差により、世界中で同じ日ではない。それにより、旧正月が国によって違うことがある。たとえば、2007年の雨水の直前の朔が起こったとき、日本(日本標準時、UTC+9)や中国(中国標準時、UTC+8)ではもう2月18日だったが、ベトナム(ベトナム標準時、UTC+7)ではまだ2月17日だった。そのため、日本の旧正月や中国の春節は2月18日、ベトナムのテトは2月17日となった。このようなずれは、時差1時間あたり、平均して24年に1度ある。21世紀前半では、中国とベトナムの間では2007年と2030年、中国と日本の間では2027年と2028年に起こり、東側の国の旧正月が西側の国より1日遅れる。
このほか、観測場所によって「朔日の0時」に時差があるため、中気が朔と同じ日なのかあるいは前の日(すなわち前の月の晦日)なのか異なる場合があり、月名がずれることになる。

 日本では旧暦の元日だからといって日常生活上は特に変わらないが、この時期に海外からの旅行者が急増することで国内観光地は大きな影響を受けることになる。

 なお1月29日の「旧暦・初日の出」は、空全体は晴れていたものの東の空の低い位置に雪雲が滞留し、雲の上からの日の出となってしまった。

2025年01月29日(水)




【連載】あしたが変わるトリセツショー『100歳×100人徹底取材!1万年の健康パワーSP』(1)食物繊維摂取による炎症老化の防止

 2024年12月26日初回放送【私自身が視聴したのは1月8日の再放送】された表記の番組についてのメモと考察。この日のテーマは、

100歳×100人徹底取材!1万年の健康パワーSP

となっていた。

 放送内容に入る前にまず100歳についての私の考えを述べておく。
  • 100歳を超えるまで長生きできたならそれに越したことはないが、寝たきりは望まない。80歳から寝たきりになって100歳まで生きるよりは、81歳まで健康寿命を延ばした上でポックリ死ぬほうがいい。
  • 70歳代で死んでも特に悔やむことはないが、できるだけ苦しみたくない。ま、死に苦しみはつきものであり、進化の過程でもし死ぬことが快楽であるような動物が出現したとしてもさっさと死んでしまってこの世界には生き残らないだろうが。
ということで、今回の話題についても、トリセツをしっかり学んで100歳を目ざすつもりはない。あくまで健康寿命の延伸に有用な情報を仕入れておきたいというのが第一の目的である。
 もっともここで後ろ向きの考えをもう1つ述べるが、何かの努力をしたからといってそれに応じて寿命を延ばせるというものではない。押川先生の動画などでもたびたび指摘されているように、がんにかかるかどうかの確率は半分は運。どんなに努力したところで、なるようにしかならないという面はある。またセンチナリアンについての研究から、100歳以上生きる方々は特殊な性質を持った人と言わざるを得ないことが分かってきたとも聞いている。もちろん不摂生は寿命を縮めるが、だからといって寿命を延ばすことだけを至上命題にして窮屈な余生を送るというのでは手段と目的が逆転してしまう。あまり気にせず、やりたいことをやっていればそれでも構わないという気もする【←もっとも私自身はみずから望んで、禁酒禁煙、規則的な生活、ウォーキングを続けているので結果的に不摂生な生活にはなっていない】。

 ということで本題に入るが、今回の放送では誰にでもマネできる3つの健康の秘けつとして
  1. 食   “100歳の島”で見つけた「老化を防ぐ食生活 〜食物繊維〜」
  2. 運動  運動が続かない人におすすめ「ちょこ活 〜日常の中でちょこちょこ動く〜」
  3. 究極  世界中の研究機関も注目する「究極の健康法 〜つながりを持つ〜」
という3つが紹介された。

 まず1.の「食」に関しては、人口に占める100歳以上の割合が、全国平均の約2.7倍にも上るという鹿児島県・奄美群島が紹介された。

 ここでいったん脇道に逸れるが、奄美群島は、泉重千代さんが暮らした徳之島も含まれており放送でも銅像が紹介されていた。もっともウィキペディアによると、泉重千代さんの長寿記録は1979年に認定され2010年まで世界最長寿とされていたが、2009年版以降のギネス世界記録は泉の年齢の信憑性の疑問を掲載するようになり、2012年版で泉の記録の認定を取り消したという。専門家の間では泉の120歳という年齢は疑問視されており、105歳が通説となっている 。なお、世界の長寿者のデータはウィキペディアに掲載されているが、ご存命の日本の長寿者Top10は112歳〜115歳でいずれも女性、男性のTop5はいずれも110歳となっている。世界最長寿者については出生の記録が不確かな場合が多く、ギネスでもたびたび修正が行われている。現時点ではジャンヌ・カルマン(122歳164日)が歴代の最長寿とされているが、カルマンの没年齢に対して疑惑や異論が唱えられるようになったため、今後の状況次第では2位の田中カ子さんの119歳107日が歴代1位に繰り上がる可能性が残っているという。いずれにせよ、人間はどんなに長生きしても、老化細胞の働きによりどうやら120歳【男性は木村次郎右衛門さんの115歳252日】が限界であるようだ。

 元の話題に戻るが、奄美群島に住む100歳の方々の食生活を調査した結果、奄美の伝統飲料“ミキ”や“食べるみそ”などの「発酵食品」、島でとれる“野草”や“海藻”などの「食物繊維」の多さが見えてきたという。100人の百寿者に「好きな食べ物・健康を意識して食べるものは?」と質問したところ、
  1. 食物繊維(野菜や海藻、豆類など) 100人中78人
  2. 魚類 61人
  3. 発酵食品 58人
  4. 肉類 55人
  5. なんでも食べる 45人
という結果になった。

 新井康通さん(慶応大学百寿総合研究センター)によれば、百寿者の中でも特に元気な方々の特徴は「加齢に伴う炎症が少ない」ことにあるという。私たちは歳をとると老化した細胞により微弱な炎症(慢性炎症)が引き起こされる。こうした炎症は周囲の細胞まで、さらに全身へと広がり、ゆくゆくは、動脈硬化、がん、循環器疾患、認知症、腎不全といったさまざまな臓器の老化や病気を引き起こす。百寿者で炎症老化が少ないことから、炎症老化を抑えることは健康長寿に非常に重要なポイントになると説明された。
 孫輔卿さん(東京大学)らによれば、食物繊維には「“炎症老化”を防ぐ」効果もある。孫さんらが注目しているのは『食事性炎症指数』と呼ばれるもの。世界中の2000本もの論文を調べたところ、炎症を抑える効果があるのは、大きい順に、食物繊維、βカロテン、お茶、マグネシウム、ビタミンD、...などとなっていた。【スパイス類を除く。出典はDesigning and developing a literature-derived, population-based dietary inflammatory index.という2014年の論文のようだが、孫さんの御名前は含まれておらず、詳細は不明。】
 食物繊維は、“腸内細菌のエサ”になることでも知られており、豊かな腸内環境を育むことで、炎症老化を防いでくれるのではないかと考えられている。
 放送では孫さん監修のもとでバージョンアップされた『育菌カードプラス』が紹介された。

 ここまでのところでいったん私の感想・考察を述べさせていただくが、食物繊維を摂ることの意義についてはこれまでもいろいろな番組で紹介されており、私自身も実践している。
 もっとも、放送内容に限って精査してみると、百寿者100人のうち78人が「食物繊維」を挙げたというだけでは根拠としては不十分であるようにも思われた。魚類、発酵食品、肉類を挙げた人も過半数となっているほか、そもそも百寿者以外の人との比較が無い。奄美群島特有の環境や食習慣の中では、70歳代や80歳代で亡くなった方も百寿者と同じように食物繊維や魚類や発酵食品を食べていたかもしれないのである。「食物繊維が良い」という結論自体が正しかったとしても、その証拠がちゃんと示されていたのかどうかは別の話。
 「百寿者で炎症老化が少ないことから、炎症老化を抑えることは健康長寿に非常に重要なポイントになる。」というのも、見方を変えれば、百寿者として生き延びた人は結果として炎症老化が少なかっただけかもしれない。例えば「百寿者の心臓はピンピンしていた。このことから心臓をピンピンさせることが健康長寿の重要なポイントになる」と指摘したところでそれは当たり前だと言われるだけだろう。
 ま、そのような疑義はあるものの、食物繊維の摂取により炎症老化が防げるという根拠さえあれば、育菌カードによる健康維持自体は望ましい食生活につながるとは思う。

 次回に続く。