じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 2月13日の岡山は最低気温がプラス0.1℃となった。これにより、最低気温が氷点下となる日は、9日連続で途絶えた。
 とはいえ、今年の2月は寒い日が多い。昨年2月と比較してみると、2月1日から13日までの期間、
  • 平均気温がマイナスとなった日は3回。昨年は0回。
  • 最低気温がマイナスとなった日は9回。昨年は5回。
  • 最高気温が10℃未満だった日は11回。昨年は3回。
というように、昨年に比べると明らかに寒い日が多いことが分かる。
 2週間予報を見ると、2月27日までの14日間のうち、最低気温が氷点下になると予想されている日は11回となっており、この先も寒い日が多いようだ。
 氷点下の日が多いことは植物には大きな影響を及ぼす。
  • 梅の開花は例年より遅いようだ。
  • ソメイヨシノなどの桜は逆に休眠打破により開花が早まると予想される。
  • 暖冬の年には屋外でも冬越しできていた多年草や樹木は相当のダメージを受けている。多年草のヒメツルソバやレオノチス、樹木のシコンノボタン等は地上部が枯れてしまった。

2025年02月14日(金)




【連載】最近視聴したYouTube動画(4)岡田斗司夫さんの動画をもとに宗教について考察する(1)宗教は虚数空間か?/私自身の考え

 昨日に続いて、最近視聴したYouTube動画の感想・考察。今回からは、岡田斗司夫さんの動画をもとに、宗教について私自身の考えを述べたいと思う。
 なお、2月11日の日記では、『よく喋る人の動画』というカテゴリーの中で、

岡田斗司夫マインド【サイコパス】

を挙げさせていただいたが、こちらの公式サイトにも紹介されているように、岡田さんはさまざまな動画やブログ、教材などを発信されておりすべてを閲覧するのは私には到底できない。今回取り上げる宗教論議も、別段、岡田さんの思想を体系的に把握するというような意図ではない。あくまで岡田さんの語られた内容から、「なるほど、こういう見方もあるのか」といった私自身がこれまで思いつかなかったような別の視点を学び、私自身の「じぶん更新」の視野を広めることが目的である。

 さて、今回特に参考にさせていただいたのは以下の動画であった【配信日付順、後日追加あり】。
  1. 【岡田斗司夫セミナー【岡田斗司夫 切り抜き】、2017年2月配信】●●な人ほど危険。人はなぜ宗教にハマるのか?【岡田斗司夫 切り抜き サイコパス 人生相談 宗教 統一教会 幸福の科学 カルト宗教 新興宗教】
  2. 【岡田斗司夫セミナー【岡田斗司夫 切り抜き】、3か月前】岡田斗司夫が神の存在を信じない理由がこちらです「この世の宗教とは全て”アテにならない攻略情報”なんですよ」【岡田斗司夫 / 切り抜き / サイコパスおじさん】
  3. 【サイコパスおじさん【岡田斗司夫 切り抜き】、3週間前】教義なし、創始者不明ー日本人だけが持つ特殊な宗教観。「神社などというものは本来存在しませんでした」「神道は世界で最も発達した宗教の一つです」【岡田斗司夫 / 切り抜き / サイコパスおじさん】
  4. 【初代としお専門切り抜き【岡田斗司夫】、10日前】宗教を信じてる人に絶対に言ってはいけないことがあります。僕らはチ。のような暗黒時代の中で生きている【魚豊/地球の運動について】【岡田斗司夫】
  5. 【岡田斗司夫マインド【サイコパス】、8日前】『人前では絶対言うな』神の存在や宗教について炎上覚悟でホンネをお話しします【岡田斗司夫 切り抜き サイコパス カルト 新興宗教 】


 ところで、まことに失礼な話になるが、私は岡田斗司夫さんという方を最近(たぶん2025年1月以降)になるまで全く存じ上げていなかった。ウィキペディアを拝見すると、多方面で活躍されており、さまざまなメディアに登場されたり御著書も多数あるようだが、どうやら私とは全く別の世界に住んでおられるようであり、YouTube動画が無ければお名前を知る機会は全く無かったのではないかと思われた。もっとも今回取り上げさせていただく宗教論議に関しては、私自身が考えてきたこととかなり近いようであった。もちろん岡田さんの思想については全く分からないのだが、「なるほど、私の○○という考えは、岡田さんが発せられたこういう言葉で表現できるのか」というように語彙の拡張に大いに役立たせていただくことができる。

 岡田さんの動画に限らないが、YouTube動画はテレビ番組よりも自由に物が言えるという点もありがたいところだ。テレビで宗教論議と言えば、例えばNHKの『こころの時代〜宗教・人生〜その言葉が道をひらく』という番組もあるが、公共放送という性質上、出演者の主張・コメントは穏便な内容にとどまっているような印象を受ける。もちろんネット上での発言にも責任を負う必要はあるが、多少の炎上があるくらいでないと、「なるほどこういう見方もあるのか」というようなヒントも生まれてこない。

 さて、岡田さんの動画を視聴する前の時点で、私自身の宗教についての考えを簡単にまとめておく。岡田さんの動画を視たあとで考えが変わったとすれば1つの「じぶん更新」となる。何も変わらなかったとしても考えが似ていたと分かれば「同感」することで自分の考えを補強することができる。以下は私自身の考え。
  1. 私自身は子どもの頃から一貫して無宗教。
  2. 年中行事の一環として初詣に出かけるほか、社寺仏閣めぐりを楽しむことはある。
  3. 「神の存在」は経験科学の方法によって証明されるものではないし、否定できるものでもない。
  4. 数学に喩えれば、現実世界は『実数』、宗教世界は『虚数』のようなものかもしれない。実数を複素数に拡張することが有用であるのと同じ意味で、もし現実世界での生活をより豊かにするような宗教が構成できるならば、それはそれで悪いことではない。
  5. もっとも、2023年9月29日の日記などに記したように、

    ●実数体上のノルム付き可除代数は、R(実数)、C(複素数)、H(四元数)、O(八元数)の4種類しかない。

    ことが定理として証明されているという。あくまで数学の喩えからの推察であるが、「実数→虚数」に対応するような「現実世界→宗教」的な拡張も好き勝手にできるものではない。例えば、数学で「2乗したら−2になる新しい数jを考案した」と主張してもそこで構築される虚数空間は「2乗したら−1になるi」によって構築される空間と同じものになってしまう。あるいは「2023年9月25日の日記に記したように、「2乗すると初めてゼロになる数」【二重数】や「その数自体は1ではないのに、2乗すると初めて1になる数」【分解型複素数】というように拡張できるが、それらの価値は、結局のところ、「拡張することでどこまで豊かな体系が構築できるのか」、あるいは「物理現象等にどこまで応用できるか」にかかっている。
  6. 「実数→虚数」に対応するような「現実世界→宗教」的な拡張が有用である例としては、以下のような場合が考えられる。
    • 死別の悲しみを癒やす。死者が天国(あるいは極楽浄土)に居ると信じることで別れの辛さが軽減でき、遺族の前向きの人生を支えてくれる。
    • 末期がんなどで死期が迫っている時、自分は天国に行かれると信じることで自暴自棄にならずに済む。
    • 現世で悪いことをすると、他者に見られていなかったとしても地獄に墜ちる。こう信じる人が多ければ現実社会での犯罪抑止につながる。
  7. とはいえ、「信じる」ということには、多様な可能性を遮断するという弊害もある。特定の方向に無批判に固定するのではなく、いろいろな角度から物事を捉え、そのつど最善の候補を能動的に選択していくことのほうが、より豊かな人生につながる可能性がある。つまり、「現実世界=実数空間」を「宗教=虚数空間」に「拡張」するといっても、特定の宗教にハマってしまえば、現実空間での行動はその宗教の教義のもとで制約を受けてしまい、教義に反する世界から隔離されることで結果的にきわめて狭い、固定された世界でしか生きられなくなる恐れがある。じっさい新興宗教に熱心であればあるほど、その人の日常生活行動や内面の多様性は失われている(一面的な見方しかできない)ように見受けられる。

以上が、動画を拝聴する前の時点での私の考えであった。

 次回に続く。