| じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 | 
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| ※クリックで全体表示。   | 4月3日の岡山は短時間しぐれることもあったが、青空が澄んでいて、桜日和となった。写真はソメイヨシノの花と月。月齢5.7。月は人間の眼にはもっと大きく見えるが、光学的には遙かに小さい。 | 
| 【連載】チコちゃんに叱られる! 「脊柱起立筋」、「『馬鹿』の語源」 昨日に続いて、3月28日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は 
 まず6.の「くるくる回ると体が柔らかくなっちゃう現象」というのは、文字通り自分の好きな方向に3回ぐるぐる回ると、前屈の成績が向上、つまり体が柔らかくなるという現象であり、岡村さんやゲスト3人が実演したところ確かに2cm〜7cm程度からだがよく曲がることが確認された。 お馴染みの坂井建雄さん(順天堂大学)による解説は以下の通り【要約・改変あり】。 
 ぐるぐる回ることで前屈の成績が向上することは私自身でも確認できた。もっとも、上掲の説明では、「ぐるぐる回れ」以外の命令でも脊柱起立筋の緊張を緩めることができるはずだ。例えば腹筋を10回行うとか、ラジオ体操をするといった運動でも同様の効果が生じるはず。なぜ「ぐるぐる回る」のが一番有効なのかは分からなかった。 念のためCopilotに「立った状態でぐるぐる回ると脊柱起立筋の緊張が一時的に緩むというのは本当ですか?」と尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。 はい、ある程度は本当です。立った状態で回転することで、脊柱起立筋(背中の筋肉)の緊張が一時的に緩和されることがあります。これは、以下のような理由によります。なるほど、放送時間が限られている坂井建雄さんの解説よりAIのほうが詳しい情報を得ることができた。回答内容は鵜呑みにはできないが、最近のAIの適確な説明には恐れ入ってしまう。 最後の「バカが「馬」と「鹿」なのはなぜ?」については放送では『鹿を見せられて『馬だよね?』といわれたから」が正解であると説明された。日本語の語源を研究している丸田博之さん(京都先端科学大学)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。 
 ここからは私の感想・考察を述べさせていただくが、まず私自身は『馬鹿』という言葉は滅多に使わない。大辞泉によると『馬鹿』には 
 『馬鹿』の語源については今回の放送内容以外にも諸説があるようだ。ざっと検索したところこちらやこちらに参考情報があった。なお、放送では「指鹿為馬」由来であるとされたが、中国では使われていないようだ。 このWeb日記で何度も指摘しているように、何かの言葉の語源は古文書に頼られることが多い。その言葉がいつの時代にどういう文脈で出現していたのかを実証する方法である。しかし、言葉というのは何も上流階級だけが使うわけではない。とりわけ「バカ」というのは、日本語で相手をからかったり、罵倒(その立場を低く見なす事で、相手の感情を損なう・人格の否定)するため、最も普通に使われる」という表現であり、庶民一般によって大昔から使われていた言葉があるはず[※]。まずは一般庶民が使われる言葉が存在し、その時代の物書きがそれを文字で表したと考えるべきではないかと思う。といってもタイムマシンが無い限りは、昔の時代にどういう言葉が【日常会話として音声で】使われていたのかを調べるのは難しい。 [※追記]どの時代であっても人間が集団で生活している限りは、仲間うぢでの対立や競争が生じるであろう。その時に相手を罵倒するような言葉が存在したはず。つまり、一般庶民は、上流階級から教わったり、隣国から伝わったりしたことで初めて他者を罵倒するようになったのではなく、ずっと以前から「馬鹿」に相当するような言葉をつかっていたと考えるべき。しかし、各時代の辞書は上流階級である編纂者が知り得た範囲での語彙を集めたものであるゆえ、一般人が日常生活でどういう言葉を発していたのかについては網羅できていない可能性がある。なので、古文書の記述だけを拠り所にして語源を調べることには限界があるように思う。 なお、相手を罵倒する言葉は、その地域の生活の中で汚いもの、嫌われるもの、有害なものなどを表す言葉から転じた表現が使われる場合が多いと思われる。例えば「この、クソたれ!」、、「クズ!」、「ウジ虫め!」など。このほか、相手と共通する差別意識に依拠して、「相手=差別対象」という形で使われる場合もある。「馬鹿野郎!」が使われる根底には、話し手と聞き手が共通していだいている知的障害者への差別意識があるかもしれない。 |