じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 4月から近隣のスーパーにセルフレジが導入された。利用者は各商品のバーコードをいちいちスキャナで読み取らせなければならない。
 当初私が戸惑ったのは、2割引、4割引、半額といった値引き商品をどうやって読み取らせるのかということである。すでにセルフレジを導入している別の店舗では、各商品のバーコードの上に値引き後のバーコードを貼り付けていたが、今回の店は
  1. 値引き前と同じバーコードで読み取る
  2. 値引きのシールを読み取る
という2段階の手順になっていた。しかしこれでは1.の段階では値引き品かどうか判別ができないはずだ。なので、例えば1万円の値引き無しの商品のバーコードを読み込ませたあとで、別の商品の半額値引きシールを読み込ませることで1万円の商品が5000円に値引きされてしまう。こういう不正行為は起こらないのだろうか?

 ということで値引き品のバーコードを観察したところ、写真下のように、バーコードの上に「◎」印の小さなシールが貼られていることが分かった。なるほど、このシールがあることでこの商品は値引き品であることが判別されているようだ。上記の例では1万円の商品のバーコードには「◎」シールが貼られていないので、半額シールの読み込みができなくなるという仕組み。

 もっとも、その後ネットで検索したところ、

セルフレジで持参した値引き納豆・豆腐のバーコード悪用、商品を詐取容疑「蓄えなかった」

という記事があった。それによれば、

●【容疑者の】女はスーパーでセルフレジを使用した際、持参した納豆や豆腐の割引品計23点(販売価格882円分)のバーコード付き値引きシールを読み取らせ、明太子やプリン、缶詰など計24点(同4916円)を4034円安く購入した疑い。

となっていた。どうしてこういう不正ができたのだろうか?

 念のためCopilotにセルフレジでの不正購入防止策を尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。
スーパーのセルフレジでは、不正購入を防ぐためにさまざまな対策が講じられています。主な対策として、以下のようなものがあります。
  • **レジエリアの設計**: 出入口を制限し、未精算のまま店外に出ることを防ぐ工夫がされています。
  • **監視カメラとAI技術**: 顔認証カメラやAIカメラを活用し、不正行為の兆候を検知するシステムが導入されています。
  • **スキャン漏れ防止技術**: 商品の画像認識を活用し、バーコードのスキャン漏れを検知するシステムが開発されています。
  • **重量ベースのチェック**: 重量を偽装して価格を下げる不正を防ぐため、スキャン時に商品の重量を確認する仕組みが導入されています。
  • **スタッフの監視と声かけ**: セルフレジ専任のスタッフが配置され、怪しい動きを察知した際に声をかけることで抑止力を高めています。
  • **出口でのレシート確認**: 一部の店舗では、出口でレシートを確認することで未精算の持ち出しを防いでいます。
技術の進化に伴い、セルフレジの利便性を維持しながら不正を防ぐ工夫が進んでいるようですね。こうした対策があることで、セルフレジの安全性が向上し、店舗側も安心して運用できるようになっています。興味深いですね!


2025年04月14日(月)




【連載】チコちゃんに叱られる! 日本人が食事をするとき食器を持ち上げるのは、日本の家が狭かったから」という胡散臭い説明/外国人が驚いた!日本では当たり前の文化

 昨日に続いて、4月11日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、
  1. なぜ人間には毛が生えていない?
  2. なぜ日本人は食事をするとき食器を持ち上げる?
  3. 【2.から派生】外国人が驚いた!日本では当たり前の文化
  4. 「赤みそ」と「白みそ」の違いってなに?
という4つの話題のうち2.と3.について考察する。

 まず2.であるが、放送では日本人が食事をするとき食器を持ち上げるのは「日本の家が狭かったから」が正解であると説明された。民俗学や文化史の研究をしている斗鬼正一さん(江戸川大学)&ナレーションによる説明は以下の通り【要約・改変あり】。
  1. 日本で最初にできた家は竪穴式住居。広さは12畳ほどで4〜5人の家族で暮らしていた。
  2. その後、平安時代後期から鎌倉時代にかけて、土間と板張りからなる二室住居に変化。板張りの狭いスペースで食事をしたり寝たりしていた。
  3. 江戸時代には長屋と呼ばれる集合住宅に変化。6畳のスペースに1家族が住むのが普通で、家賃の安い長屋になると4畳半に親子3〜4人が暮らすこともあった。
  4. このように家が狭かったため、食事も睡眠も内職も全て1つの狭い空間で行わなければならなかった。それが日本人のライフスタイルだった。
  5. 【狭い空間で暮らす上で】1つ難しかったのが食事をする場所をつくること。狭い部屋に食卓テーブルを置くとそれだけでスペースが埋まってしまって寝る場所が無くなる。いっぽうテーブル無しで地べたに食器を置くのも嫌。そこで日本人は、お膳を使って食事をした。お膳は一人用の小さなテーブルのようなもので、現在でも大広間の宴会場で使われている。
  6. お膳であれば大きさは必要最低限であり、重ねて収納するので省スペースになる。
  7. しかし、御膳では食べ物と口の距離が遠くなり、箸を使って食器を持ち上げずに食べようとするとご飯がこぼれたりする。当時は豆類など箸で掴みにくいものも多かったので食器を持ち上げる必要があった。
  8. つまり、日本では家が狭かったためにお膳で食事をする必要があり、食べ物をこぼさないために食器を持ち上げて食べるようになった。
  9. その後欧米の文化が入ってきて明治時代中頃にはちゃぶ台が登場、高度経済成長期にはダイニングテーブルが浸透しお膳は使われなくなったが、それらはここ100年ぐらいのこと。お膳で食事をしていた頃の「食器を持ち上げる」という習慣が今も文化として残っている。
  10. 欧米ではダイニングテーブルで食事をしていたのでお皿の上でお肉を切ることもあった。食器を持ち上げるのはマナー違反。





 ここからは私の感想・考察を述べる。まず解説者の斗鬼正一さんはこの番組の「オリジナル解説者」でもありこれまでにも何度も登場しておられ、毎回興味深い話題を提供してくださっているのだが、今回の、
  1. 日本の家は狭い
  2. 食べる時にお膳が必要
  3. お膳では食器を持ち上げないと食べにくい
  4. お膳を使っていた頃の名残として今でも食器を持ち上げて食べている
という解説は、イマイチ説得力に欠けるように思う。

 まず、そもそも日本人は食器を持ち上げて食事をしているのか?という点から検証する必要がある。確かに日本人は、ご飯茶碗と汁椀、小鉢ものは持ち上げて食べているが、尾頭付きの魚を食べる時にはお皿を持ち上げたりはしていない。ご飯茶碗を持ち上げるのは箸を使って食べる際にご飯がこぼれないようにするため。同じご飯でも、カレーライスやチャーハンをスプーンで食べる時にはお皿は持ち上げない。うどんやラーメンは少なくとも食べ始める段階ではテーブルに置いたままで食べている。要するに日本人は食器を持ち上げて食べるといっても、その種類は限られておりすべてを持ち上げているわけではない。またその理由は箸を使っているからであり、中国や韓国でも必要に応じて食器を持ち上げて箸で食べているように思われる。

 次に、今回の説明にあった「日本の家は狭い」であるが、外国に比べて日本の家だけが狭かったわけではない。例えば、カザフ人のゲルのような遊牧民の住居はもっと狭いがお膳は使われていない。そもそも狭いスペースでは真ん中に大皿や鍋を置いて家族はそれを囲むように座って食べるというのが一般的であり、お膳が使われるのは別の理由、例えば、武士の家などのように、みんなで箸をつついたりせず、それぞれ決まった場所に座って別々の食器で食事をするため、あるいは畳の上に座って食事をするため食べ物を下にこぼすと不衛生になるといった理由でお膳が使われるようになったのではないかと推測される。

 いずれにせよ、今の日本でご飯茶碗と汁椀を手で持ち上げているのは、別段、お膳で食事をしていたときの名残ではない。箸で食事をする限りはそうしないとご飯がこぼれるから、あるいはスプーン無しで味噌汁を飲む時には持ち上げる他に手段が無いから、というのが本当の理由ではないかと思われた。




 3.の「外国人が驚いた!日本では当たり前の文化」については次の3例が紹介された。
  1. 【カナダ】日本では電話をしている時に、相手が見えなくてもお辞儀をしている。
    →欧米でも電話をする時に体を動かすことがあるが、欧米の挨拶は握手やハグであるため、電話のような相手が居ない状況ではその動作をすることができない。いっぽう日本のお辞儀は相手がいなくてもできる。日本人は見えていなくても相手に気持ちが伝わると考える。
  2. 【台湾】日本ではギョーザとご飯を一緒に食べている。
    →台湾ではギョーザは主食と考えられている。ギョーザとご飯を一緒に食べるのは、食パンとご飯を一緒に食べるのと同様で2種類の主食を同時に食べるようなもの。
  3. 【フランス】日本ではコンビニなどで音楽が流れている。
    →フランスのお店は静か。欧米では「公共の場所は静かであるべし」という静寂の文化。お店で音楽が流れることはありえない。いっぽう日本を含めたアジアは「にぎわいの文化」であり店内の音楽や電車の車内放送はおもてなしになる。

 以上3例のうち、1.については私自身も当てはまっているように思う。対面の相手でも受話器の向こうの相手でも、対話をしていることには変わりがないので、普段の会話中の動作が連動することはごく自然かと思う。
 2.については、私自身は肥満防止目的もあり、仮にギョーザをおかずとして食べる場合はご飯の量を減らすなどそれなりに配慮している。
 3.はスーパーやドラッグストアでも同様であり、それぞれの店のオリジナルソングが流されている。私自身は何かのメロディーを耳にするとその後しばらく、あるいはある日突然、そのメロディーが繰り返しあたまにこびりつく傾向があり、あまり歓迎しない。店員さんたちはああいう音楽を毎日繰り返し聞かされているが、思考の妨げにならないのか、それとも慣れてしまうと無音化してしまうのか、気になるところでもある。

 ついでながらCopilotに、「訪日外国人が驚くような、日本で当たり前になっている習慣を10例挙げてください。」と尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。
日本では当たり前でも、訪日外国人にとっては驚きの習慣がたくさんあります。例えば、以下のようなものがあります:
  1. **電車やバスの時間厳守** ? 数分の遅れでも謝罪があるほど、日本の公共交通機関は時間に正確です。
  2. **チップ文化がない** ? レストランやホテルでチップを渡そうとすると、逆に戸惑われることがあります。
  3. **麺類をすすって食べる** ? 日本では蕎麦やラーメンを音を立てて食べるのが普通ですが、海外ではマナー違反とされることも。
  4. **お通しの存在** ? 居酒屋で注文していないのに最初に出てくる「お通し」に驚く外国人も多いです。
  5. **公共の場で鼻をかむのはNG** ? 日本では鼻をすするのは許容されますが、鼻をかむのは失礼とされることがあります。
  6. **エスカレーターの片側ルール** ? 関東では左側に立ち、関西では右側に立つという暗黙のルールがあります。
  7. **トイレのハイテク機能** ? 温水洗浄便座や自動開閉機能など、日本のトイレの技術に驚く外国人は多いです。
  8. **食べ歩きはマナー違反** ? 日本では歩きながら食べることが「だらしない」と見られることがあります。
  9. **店員を大きな声で呼ぶ** ? レストランで「すみません!」と店員を呼ぶのは日本では普通ですが、海外では珍しい習慣です。
  10. **子供だけで登校** ? 日本では小学生が一人で通学するのは普通ですが、海外では安全面から考えられないことも。
こうした習慣は、日本の文化や価値観を反映していて興味深いですね。どれか特に気になったものはありますか?