じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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【インドネシアその43】バリ島・バトゥール火山と箱根火山を比較する
バリ島では、最後にバトゥール火山を見学した。バトゥール山は標高1717mの活火山で、カルデラ湖(バトゥール湖)とともに、大きなカルデラの中にもう一つの小さなカルデラ地形を持つ。記録上は20世紀以降に20回以上噴火しているとされ、直近では2000年にも噴火している。
 バトゥールジオパーク博物館で説明を受けた時には、日本の箱根火山によく似ていると思ったが、同じ縮尺で比較してみると箱根火山のほうが遙かに広いことが分かった。ChatGPTによる比較は以下の通り。

はい、インドネシアの**バトゥール火山**と、日本の**箱根火山**を比較してみます。両者ともカルデラをもつ複雑な火山ですが、規模・活動性・人々との関わりに大きな違いがあります。
  1. 基本データ
    • **バトゥール火山(Gunung Batur)**
      • 所在地:インドネシア・バリ島北東部
      • 標高:約1,717 m
      • 火山の型:カルデラ火山(内に成層火山を形成)
      • 活動:活発(20世紀以降も数十回噴火記録あり)
      • 特徴:直径約10 kmのカルデラ(バトゥール湖を含む)
    • **箱根火山**
      • 所在地:神奈川県西部
      • 標高:最高峰は神山(1,438 m)
      • 火山の型:複合火山(成層火山が崩壊してカルデラ形成)
      • 活動:活火山(最新噴火は西暦1170年頃、小規模水蒸気噴火。以降は水蒸気活動や群発地震)
      • 特徴:直径約10 kmのカルデラ、中心に芦ノ湖をもつ観光地
  2. 成り立ち・地形
    • **バトゥール**
      • 約2万年前と約5,000年前に大規模カルデラ噴火を起こした。
      • 現在のバトゥール山は、カルデラ中央に再生した成層火山。
      • カルデラ内に**バトゥール湖**があり、湖と火山が共存する景観を作る。
      • 噴火は溶岩流を伴うことも多い。
    • **箱根**
      • 約20〜13万年前に成層火山として成長。
      • 約6〜5万年前に巨大噴火でカルデラを形成。
      • カルデラ内に**芦ノ湖**が生まれ、温泉や噴気地帯(大涌谷など)が残る。
      • 直近は水蒸気活動主体で、マグマ噴火は数千年起きていない。
  3. 活動度
    • **バトゥール**
      • インドネシアでも活動が盛んな火山の一つ。
      • 1917年・1926年・1963年・1994年・2000年など20世紀以降も何度も噴火。
      • 火山活動による被害も発生している。
    • **箱根**
      • マグマ噴火は約3,000年前の水蒸気噴火が最後。
      • 近年は2015年に大涌谷で小規模な水蒸気噴火。
      • 温泉資源が豊かで観光と密接に結びついている。
  4. 人々との関わり
    • **バトゥール**
      • 火山信仰の対象。カルデラ内には「バリ・ヒンドゥー」の重要寺院(バトゥール寺院)がある。
      • 登山や観光の名所でもあるが、噴火リスクが常にある。
      • 農業(肥沃な火山土壌)や漁業(バトゥール湖)も生活に直結。
    • **箱根**
      • 江戸時代から温泉地・保養地として栄える。
      • 観光業が経済の中心で、温泉・芦ノ湖・富士山ビューなどが魅力。
      • 火山活動はリスクでもあるが、温泉という恩恵をもたらしている。
    • 比較まとめ

      | 観点 | バトゥール火山(インドネシア) | 箱根火山(日本) |
      | ------ | --------------- | ------------- |
      | 標高 | 1,717 m | 1,438 m(神山) |
      | カルデラ | 約10 km、バトゥール湖あり | 約10 km、芦ノ湖あり |
      | 活動度 | 活発(20世紀以降も噴火多数) | 低調(水蒸気活動中心) |
      | 噴火史 | 溶岩流や火山灰被害多い | 数千年規模でマグマ噴火なし |
      | 人との関わり | 火山信仰、農業・観光 | 温泉・観光・保養地 |
      | 危険度 | 噴火災害が切迫している | 火山性地震・ガスに注意 |

まとめると、**バトゥール火山は今も活発に噴火を繰り返す「生きた火山」**、一方で\*\*箱根火山は温泉や観光に恩恵をもたらす「休みつつ息づく火山」\*\*といえるでしょう。

 同宿尺で比較した限りでは箱根火山のほうがはるかに規模が大きいように見えたが、カルデラ自体はいずれも10km程度であるようだ。外輪山の外側の裾野の広がりは箱根のほうが広いが、カルデラ内部の広さは同程度かもしれない。
 なお、ジャワ島・ブロモ山と阿蘇山の比較は7月21日の日記にあり。

2025年08月30日(土)




【小さな話題】ブルーフィルムの別の意味/なぜブルーからピンクになったのか?
 昨日の日記で『明国』(明解国語辞典)改訂版(二版)が1952年に出版された後、次の改訂に向けて編者たちが喫茶店の個室に集まり議論を重ねたという話題を取り上げた。会議が終わったあとには、山田忠雄を除く関係者たちは『ブルーフィルム』の観賞を楽しんだという。

 ウィキペディアによれば『ブルーフィルム』は以下のようなものであった【抜粋。改変あり】

  • ブルーフィルム(Blue Film)は、かつて製作されたポルノグラフィを題材とした映画(ポルノ映画)、映像作品。多くは非合法作品。 概要
  • 映画草創期から作られた性的、猥褻な映像作品、または映像媒体でのポルノグラフィを指す俗称。
  • 多くの作品は風紀、治安面から非合法であり摘発の対象であったため、製作、複写、所持、上映が容易な短編の8mmフィルムであった。
  • 戦後の1952年くらいまでが全盛だったとされ、摘発を受けながらも浅草や吉原周辺には常設上映場が10カ所以上もあった。製作サイドも素人のほかプロも興味本位、小遣い稼ぎで参加していたため、時には芸術性の高い作品も現れた。
  • 1970年代に普及し始めたビデオデッキ、ビデオテープの出現により、急速に姿を消していった。


 私自身は上記のような映像に接したことがなかったが、学会発表用に、文字や図版は白色、背景が青色のスライドを作成したことが何度もあり、白黒スライドと区別するために『ブルースライド』と呼んでいた記憶がある。またこれを『ブルーフィルム』と言い間違えると変な顔をされたこともあった。なおこうしたスライド映写による発表形式は、会場ごとにスライドを操作する要員を配置する必要があり手間と人件費がかかっていた。その後発表形式は、発表者が一人で操作するOHP(透明フィルム使用、さらに反射式)に移行、さらにパワーポイントによるプレゼンテーション(スクリーンに投影、さらに大型液晶画面)と進化していった。ということで、真面目人間だった私は『ブルーフィルム』という言葉を聞くと、まずは学会発表用の青焼きスライドのことを思い出す。

 さて、元の話題に戻るが、なぜわいせつは「ブルー」という色で表現されるようになったのだろうか? 早速ChatGPTに尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。

いいご質問です。 映画や出版物における「ブルー(blue)」という言葉には、英語圏で古くから「猥雑な・わいせつな・風紀に反する」といった意味合いがあります。そのため、ポルノグラフィを題材にした映画を「ブルーフィルム」と呼ぶようになりました。

◆### 「ブルー」とわいせつの関係
  • **語源的背景**
    18〜19世紀のイギリスで、「blue」という形容詞は「淫らな」「下品な」という意味で使われていました。これは「blue joke(下ネタ)」や「blue comedy(下品な笑い)」といった表現に残っています。
    語源には諸説ありますが、特に有力なのは次の2つです:
    1. **"blue laws"(ブルー・ロー)説**
      17世紀の清教徒社会で、日曜の娯楽や性的行為などを厳しく禁じる法律を「blue laws」と呼びました。転じて「blue」という語に性的タブーや道徳規制の意味が付着した。
    2. **ブルース(憂鬱・退廃)との連想説** 「blue(憂鬱な)」という感情表現が、退廃・不道徳な空気と結びついて、猥雑さの意味を帯びるようになった。
  • **映画との結びつき**
    1920年代ごろから、欧米で性描写の強い短編映画が「blue movies」「blue films」と俗称されるようになりました。検閲を通らない「裏映画」の意味合いです。日本にも戦後に輸入され、「ブルーフィルム」という呼び方が定着しました。

◆### 日本での受容
日本では戦後、裏ルートで持ち込まれたポルノ映画を「ブルーフィルム」と呼んだのが始まりです。「ブルー映画」という言葉も一時期使われました。その後、性描写のある一般映画は「ピンク映画」と呼ばれるようになり、こちらは日本独自の表現です。

◆まとめると、
『ブルーフィルム』の「ブルー」は **英語で「わいせつ・猥雑」という隠語的意味** を持つことから来ており、そこから「ポルノ映画」の代名詞になった、ということです。


 ところで、日本ではわいせつ、あるいは性的描写に対しては「ブルー」ではなく「ピンク」と表現されることが多い。このことについてもChatGPTに解説してもらった。

はい、それでは「ブルーフィルム」から「ピンク映画」へ呼び名が移っていった経緯を整理しますね。
  1. 戦後の「ブルーフィルム」
    • 戦後の混乱期、日本には欧米から「ブルーフィルム」と呼ばれる性描写の強い短編映画が裏ルートで入ってきました。
    • 検閲を通らない闇上映専用で、通常の映画館では流せないものでした。
    • ここで「ブルー=わいせつ」のニュアンスが日本でも知られるようになります。
  2. 公然上映できる国産エロ映画の登場
    • 1960年代、日本では「成人映画(成人向け映画)」というジャンルが成立します。
    • これは裏映画ではなく、検閲を通して通常の映画館で上映できるもので、性描写はあるが「芸術性・ドラマ性」を装っていました。
    • ここで「ブルーフィルム」という言葉は裏物専用になり、公然上映の作品とは分けられるようになります。
  3. 「ピンク映画」という呼称の誕生
    • 1962年、梅沢薫監督『肉体の市場』が大ヒットし、こうした性描写中心の劇映画が次々と製作されるようになります。
    • マスコミがこれらを揶揄して **「ピンク映画」** と呼び始めました。
    • なぜ「ピンク」かというと:
      • * ピンク色が「エロティック」「官能的」「艶めかしい」といったイメージを帯びていた。
      • * 赤ほど露骨でなく、ソフトに性的ニュアンスを示せる色だった。
      • * 当時の週刊誌記事や映画雑誌で広まり、定着していきました。
  4. ブルー → ピンク への意味の違い
    • **ブルー映画(ブルーフィルム)**:裏映画・密輸入ポルノ。検閲を通らず違法性が強い。
    • **ピンク映画**:日本独自の呼称。検閲を通った成人映画で、劇場公開が可能。ポルノというより「官能ドラマ」に近い。
  5. ### まとめ
    • 「ブルーフィルム」=欧米から輸入された猥褻な裏映画。
    • 「ピンク映画」=日本で公然と上映可能な性描写映画。
    • 「ブルー」は隠語的でネガティブ(違法・猥雑)、
      「ピンク」はソフトでオブラートに包んだ表現、というニュアンスの差で使い分けられるようになりました。