じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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【インドネシアその47】バリ島の凧揚げ

 バリ島を移動中、各所で凧があげられているのが見えた。バス車内からのガラス越しの撮影のため撮りにくいが、写真の中に少なくとも6つの凧が見えている。

 ネットで検索したところこちらに詳しい情報があった。電線にひっかかった凧には注意したいものだ。

2025年09月4日(木)




【連載】チコちゃんに叱られる! 「新橋のmと新宿のn」「inputとanpan」

 昨日に続いて、8月29日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、
  1. ひょっとこってなに?
  2. 日本が台風を番号で呼ぶのはなぜ?
  3. なぜ新橋の「ん」は「m」?

という3つの話題のうち最後の3.について考察する。

 さて、「なぜ新橋の「ん」は「m」?」という疑問であるが、これは雑学系番組の定番ネタであり、私のWeb日記では、2015年3月1日で取り上げたことがあった。2015年2月24日に放送された『ありえへん∞世界「知ったかぶり知識8選」』の1つとして取り上げられたもので、

ヘボン式ローマ字表記により、B・M・Pの前では、「ん」は「M」で表記。具体例としては、なんば NAMBA/ほんま HOMMA/まんぽ MAMPO。

と説明されていた。今回の放送ではヘボン式は前面に出さず「唇がくっつくから」が正解であると説明された。英語の歴史について研究している堀田隆一さん(慶應義塾大学)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
  1. 「shimbashi」の「ん」が「m」なのは唇がくっつくから。
  2. 実際に発音してみると「新宿」と異なり「新橋」は唇をくっつけて発音している。スタジオゲストに唇をくっつけないで「新橋」と発音してもらったが、「しんわし」というような発音になってしまった。
  3. 「indirect」では唇をくっつけないが、「impossible」はくっつける。mをnに換えて「inpossible」という表記で発音しようとしてもうまくできない。
  4. 同じ「ん」でも英語では唇をくっつけるmとくっつけないnの発音を分けている。
  5. 「ば・ぱ・ま行」などは両唇音といい、唇をつけて発音する。
  6. いっぽう単体の「ん(n)」は、唇をつけず舌を歯茎の裏につけて発音する(歯茎音)。
  7. 新橋の「ば」は唇をくっつけて発音するので、唇をつけない「しん」からの発音が難しい。
  8. 多くの外国人が見る駅名表示などではヘボン式になっている。ヘボン式では「ば・ぱ・ま行」の前の「ん」は「m」で表すことになっている。
  9. 【補足説明】日本語でもかつては「いざ行かん」と読むところを「いざ行かむ」と書くというように区別していた。しかし1900年改正の『小学校令』で一音一字に統一されて「ん」の発音はすべて「ん」で統一されることになった。


 ここからは私の感想・考察を述べる。
 まず、つい最近のニュースとして、ローマ字つづり方 約70年ぶり見直す答申 文化庁審議会まとめるという報道があった(NHK 2025年8月22日 7時54分配信)。今回の答申の概要は以下の通り。今回の「mかnか?」にも若干関係があるようだ。
  • 「し」は「si」ではなく「shi」
  • 「ふ」は「hu」ではなく「fu」
  • 「しゃ」は「sya」ではなく「sha」
  • ヘボン式だと「ampan」とされることもあるが、十分に定着していないとして「訓令式」の「anpan」とする。
  • 「tokyo」や「judo」など国際的に定着しているものはただちに変更を求めるものではない。

 念のため「『それいけ!アンパンマン』は、やなせたかしの絵本『アンパンマン』を原作としたテレビアニメ。」をDeepLで翻訳してもらったところ、

Go! Anpanman is a television anime based on the picture book Anpanman by Takashi Yanase.

というように「n」で表記されていた。

 なお5年程前の記事:

「駅名の英語表記」はなぜこうもバラバラなのか 「ローマ字表記」が実に多様である深い理由

に駅名表記がバラバラになっていることについての詳しい考察があった。

 このほか私が疑問に思っていたこととして、

「インプット」はなぜ「imput」ではなく「input」と表記されるのか?

があった。これを機会にChatGPTに尋ねたところ以下のような回答をいただいた【抜粋】。

英語には「im-」という接頭辞もありますが、これはラテン語系の接頭辞 in-(否定) や in-(中へ) が b, m, p の前で音が変わった形です(assimilation 同化現象)。
例:

in- + possible → impossible
in- + mobile → immobile

ただし、put はラテン語起源ではなく、ゲルマン語系の純粋な英語の単語です。 なので、ラテン系の接頭辞のように同化して「im-」にはならず、単純に in + put → input となります。




  • input の put はゲルマン系動詞。ラテン語のルール(同化)は適用されない。
    → そのまま in + put = input。
  • impress, import の press, port はラテン語由来。
    → in- が p の前で同化して im- になる。
  • impossible, illegal, irregular は否定の in- が同化した形。


 以上の回答に基づくと、放送で「唇をくっつける場合はm」というのは不十分で、「ラテン語由来であればm、ゲルマン系であればnのまま」と区別するのが妥当であるようだ。

 さらに、「ん」が n と m で揺れる例を、ヘボン式ローマ字を基準に例示してもらった【以下、抜粋】。

実際の傾向
  • 地名・人名などは「発音しやすさ」を考えて m にすることが多い。
    新橋 → Shimbashi が定着(Shinbashi だと外国人は /n/ で発音してしまうため)。
  • 一般的な単語や食品名などは n のまま表記されることが多い。
    あんぱん → Anpan(日本文化を紹介する場面ではこちらが標準)。
  • **新聞(しんぶん)**は両方見られるが、新聞社名などでは Shimbun が多い。