じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 来月の誕生日でマイナンバーカードの期限が切れるため、8月にネットで更新手続を行い、昨日、新しいカードを受け取りに市役所まで行ってきた。平日で雨が降っていたせいか、窓口(申請から交付まで3箇所あり)は3つとも0〜1人待ち程度で短時間で受け取ることができた。もっとも今の時代、わざわざ市役所まで足を運ばないと受け取れないというのは不便きわまりない。郵送で本人確認をすれば済むのではないか。

 さて受け取ったカードだが、まず表面の「電子証明書有効期限」の日付が空白になっているのが気になった。ネットで検索したところ「電子証明書の有効期限は、カード表面の「電子証明書の有効期限」欄には印字されていないことがあります。電子証明書の有効期限を確認する方法はいくつかあります。」という説明はあったが、なぜ印字されていないのかという理由は分からなかった。もっとも、カード本体の有効期限が10年であるのに対して電子証明書のほうは5年となっているため【正確にはそれぞれ発行日から10回目、5回目の誕生日まで】、カード本体に電子証明書の有効期限を印字してしまうと、5年後にシールなどを貼って新しい有効期限に書き換える必要がある。

 もう1つ、カード表面の左下に16ケタと4ケタの番号が印字されており何を意味するのか気になったが、こちらによれば、
16桁の製造番号は、カードの製造番号です。つまり、これでカードを識別します。カード一つ一つによって違い、同一人物がマイナンバーカードを再発行すれば、異なる製造番号のカードが発行されます。

4桁のセキュリティコードは、役所内で電子証明を使った業務をする際に使うそうです。役所内では

券面アプリ
券面事項入力補助アプリ

と言うものを使用するらしいのですが、その際に使用するものとのことです。
ということが分かった。
 なお手もとで保存している古いカードの画像【←旧カード自体は更新時に回収された】でも、電子証明書の日付は空白。また表面左下には16ケタと4ケタの番号が刻字されていることが確認できた。

 ということで、新しいカードを無事に受け取ることができたが、次の有効期限は2035年の誕生日までとなっている。2035年9月2日の皆既日食までは長生きしたいと思っているところではあるが、日食の前夜から晴天エリアを目ざして動き回ることでエネルギーを使い果たし、日食を見届けてから体調悪化、そのまま、...という可能性も高い。であるとすると、今回受け取ったものが『人生最後のマイナンバーカード』になるかもしれない。

2025年09月26日(金)



【小さな話題】戦略的悲観主義(2)ゲシュタルト療法 /がん検診の仮想事例から戦略的悲観主義と戦略的楽観主義を比較する

 昨日の続き。
 まず前回の日記でこちらの文献にリンクさせていただいたが、その論文の第一著者の方の業績を拝見したところ、最近ではタイトルに「慢性疼痛」や「ゲシュタルト療法」を含む御研究が多い反面、タイトルに「対処的悲観」を含む御研究は2010年頃までとなっていることが分かった。
 さっそく、ChatGPTに

【質問】ゲシュタルト療法と戦略的悲観主義(対処的悲観)には共通性がありますか?

と尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。



いい視点ですね!?
ゲシュタルト療法と**戦略的悲観主義(対処的悲観)**を比べると、いくつか違いはありますが、共通する部分もあります。整理してみますね。

◆ 戦略的悲観主義(対処的悲観)とは
  • うまくいかない可能性をあえて考えて備える心理的スタイル。
  • 「失敗したらどうしよう」を想定して準備することで安心でき、パフォーマンスも安定する。
  • ネガティブに見えるけれど、実際には自分を守るための**適応的な戦略**。


◆ゲシュタルト療法との共通性
  1. **気づき(Awareness)の重視**
    • 戦略的悲観主義 → 失敗の可能性に「気づいて」準備する。
    • ゲシュタルト療法 → 感情・身体・思考の今の状態に「気づいて」受け止める。

    →どちらも「無自覚に流されないで、あえて直視する」点が共通。
  2. **否定的感情の活用**
    • 戦略的悲観主義 → 不安や緊張を、準備や努力につなげる。
    • ゲシュタルト療法 → 怒りや悲しみを抑え込まず体験して、自己理解や成長につなげる。

    →ネガティブ感情を「排除せず役立てる」姿勢は似ている。
  3. **自己調整の促進**
    • 戦略的悲観主義 → 将来のリスクを予測して自己調整。
    • ゲシュタルト療法 → 「いまここ」での体験を深めることで自然に自己調整。

    →アプローチは違うけれど、どちらも「自分の状態をよく見て、それに応じて調整する」点で共通。


◆違い
  • **時間軸**
    • 戦略的悲観主義 → 主に「未来」に焦点(失敗を想定して備える)。
    • ゲシュタルト療法 → 「現在」に焦点(いま体験していることを重視)。
  • **方法**
    • 戦略的悲観主義 → 認知的(思考ベースでシナリオを想定)。
    • ゲシュタルト療法 → 体験的(感情や身体感覚も丸ごと扱う)。


◆まとめ
両者はアプローチの仕方こそ違いますが、
  • ネガティブな感情や不安を「無視せず直視する」
  • それをもとに「自己調整していく」

という点で共通しています。
つまり、**「悲観や不安を単なるマイナスではなく、自分に役立つ資源として活用する」**という姿勢が両者をつないでいます。




 本題に戻るが、私自身が最近になって「悲観主義」に関心をもつようになったきっかけは、押川先生のYouTube動画であった。


 じっさいがん検診で深刻な結果が出た時、戦略的悲観主義と戦略的楽観主義ではどのような違いが出るかChatGPTに例示してもらった。なお、ここでいう2つの立場は昨日取り上げたJulie Noremによる分類に基づく。
  • 戦略的悲観主義(Strategic/Defensive Pessimism)
    • 不安の強い人がとる戦略。
    • 最悪を想定 → 準備 → 安心して本番に臨む。
    • 悲観をパフォーマンス向上に活かす。
  • 戦略的楽観主義(Strategic Optimism)
    • 不安が少ない人がとる戦略。
    • 成功を信じる → 過剰に心配せず行動 → 安心して力を発揮。
    • 悲観的シミュレーションをあまり行わない。


【質問】以下の仮想の事例について、戦略的悲観主義と戦略的楽観主義はそれぞれどう対処するか教えてください。
【仮想の例】大腸内視鏡検査の結果、大腸内にポリープが見つかり、病理検査の結果、がんであることが判明した。ステージ3の可能性があると指摘された。




いいシナリオですね。では、この「ステージ3の可能性がある大腸がん」という仮想事例を、**戦略的悲観主義(Defensive Pessimism)** と **戦略的楽観主義(Strategic Optimism)** でどう受け止め、どう行動するかを整理してみます。
  1. 戦略的悲観主義の場合
    • ### 受け止め方
      • 「もし最悪の結果(ステージ3以上、転移あり、再発リスク高)だったらどうなるか?」を徹底的にシミュレーションする。
      • ネガティブな可能性を具体的に想定することで、不安を現実的な準備に変換する。
    • ### 行動
      • **医療面の準備**
        • 治療の選択肢(手術、抗がん剤、放射線など)を徹底的に調べる。
        • セカンドオピニオンを早めに依頼する。
        • 副作用への対策(食事、体力維持、就労への影響)を事前に準備。
      • **生活面の備え**
        • 仕事の調整、家族への説明、経済的なシミュレーションをする。
        • 「もし予後が短い場合」に備え、遺言・終活の初期段階に手をつける。
    • ### 心理的効果
      • 「最悪を想定して準備したから、実際の結果がそれより軽ければむしろ安心できる」。
      • ネガティブな想定を「行動の原動力」に変える。
  2. 戦略的楽観主義の場合
    • ### 受け止め方
      • 「ステージ3でも治療で克服できる人は多い」「治療法は進んでいる」など、良い結果を信じて大きく不安を膨らませない。
      • 「最悪の可能性」をあえて深掘りせず、前向きな姿勢を保つ。
    • ### 行動
      • * **医療面の行動**
        • 主治医を信じて、提示された治療方針に沿って進める。
        • 情報収集は必要最低限(不安を煽る情報は避ける)。
        • 過度な準備や想定にエネルギーを使わず、体力・気力の温存を優先。
      • **生活面の行動**
        • 普段の生活リズムを大きく変えず、日常をなるべく維持する。
        • 「治療が終わったら旅行に行こう」など、ポジティブな計画を立てて心を支える。
    • ### 心理的効果
      • 不安に押しつぶされず、「自分は大丈夫」という安定した心持ちで治療に取り組める。
      • 過度な情報や準備によるストレスを避けられる。
  3. 比較のまとめ
    | 視点 | 戦略的悲観主義 | 戦略的楽観主義 |
    | ------ | -------------------- | ------------------------ |
    | **想定** | 最悪を想定して備える | 良い結果を信じて心配しない |
    | **行動** | 徹底的に調べて準備、複数のシナリオを用意 | 主治医を信頼、日常を保つ、過度に考えない |
    | **強み** | 想定外に狼狽せず、準備が安心感を生む | 不安が膨らまず、精神的に安定して治療に集中できる |
    | **弱み** | 準備疲れ・情報過多でストレスが増す可能性 | 想定外の悪化が起こるとショックが大きい |

→つまり、この仮想事例で「戦略的悲観主義」の人は **治療と生活のあらゆるリスクを前倒しで準備**し、「戦略的楽観主義」の人は **主治医や治療を信頼して必要以上に不安を膨らませない**、という違いになります。




 次回に続く。