じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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[今日の写真]
生協食堂前に、突然、クリスマス電飾が出現。なぜこの時期に??と思ったが、生協キャンペーンの一環の可能性大。そういえば昨年も「おでん30円均一」企画があった。今年は11月15日に行われるらしい。15日の昼食はおでん。鍋持参で夕食おかず用の持ち帰りという手もあるが、ひんしゅくを買うやろな。


11月10日(金)

【ちょっと思ったこと】

はらたいらさん死去

 漫画家のはらたいらさんが、11月10日、肝不全のためお亡くなりになった。63歳。

 はらたいらさんというと、漫画家として活躍されたほか、TBS系のテレビ番組「クイズダービー」に1977年1月から1992年6月までレギュラー出演し、高い正解率で人気を集めたことで知られている。過去日記から関連記事を取り出すと以下のようになる。  私自身がクイズダービーを視ていたのは1985年頃までであり、その後、はらたいらさんがどうされているのかずっと存じ上げないままだったが、40歳代の末から気分の落ち込みに苦しみ、のちのその御体験を、『はらたいらのジタバタ男の更年期』にまとめられたと聞いている。その後、クイズダービー復活版にも出演された。最後にお顔を拝見したのは2004年5月14日放送であったと思う。

ご冥福をお祈りします。

【思ったこと】
_61110(金)[心理]日本心理学会第70回大会(8)心理学界が目指すべき資格制度のあり方(6)業務独占資格、名称独占資格、必置資格


●心理学界が目指すべき資格制度のあり方〜心理職の国資格化をめぐって〜

の感想の6回目。

 指定討論終了後、フロアからの質問が受け付けられた。そこで私は真っ先に手を挙げ、
 国資格化を議論するにあたっては、「業務独占資格」をめざすのか、「名称独占資格」をめざすのか、分けて議論すべきだ。単なる「名称独占資格」を目ざすのであれば、規制緩和の今の時代、各団体が自由競争のもとで質を競い合ったほうがよろしい。国資格化は、あくまで業務独占資格として何を求めるのかという形で議論すべきである。

 今回の話題提供を通じて、医療心理師資格については、業務の範囲が明快であり、かつ、人の命に関わる業務であるという点から国資格化を求める必要があることは理解できた。そのいっぽう、臨床心理士資格については、業務の範囲がきわめて曖昧であるように思う。臨床心理士を国資格化した場合、いったい、どういう業務を独占しようとしているのか?
というような質問をさせていただいた。

 しかし、それに対する回答はまことに意外なものであった。要するに、国資格化として求めているのはあくまで名称独占資格であるというのだ。うーむ、そんなことだったら、民間資格のままでエエじゃないか。事後評価をきっちりやれば質の保証になるじゃないか。なんで国のお墨付きをもらう必要があるのか、分からなくなってきた。

 回答者(複数)によれば、
看護師、理学療法士、作業療法士なども、業務独占ではなく名称独占資格。業務を独占しているのはあくまで医師のみ、他の医療職はすべて、医師の指示のもとで医行為の補助を行っているにすぎない、但し、看護師に関しては法律により独自の業務が独占されている。
ということであり(←あくまで長谷川の聞き取りによる)、その場では、私を含めて特に反論は出なかったが、そういう認識でいいのだろうか。

 ちなみに、ウィキペディアでは、看護師、薬剤師、臨床検査技師などは業務独占資格に分類されている。いずれにせよ、私自身の認識としては、

それを取得していないとその職業に就くことができないような資格

は、すべて業務独占資格に含まれていると思うのだが...。

 なお、今回の質問では言及しなかったが、これらと一部重複する概念として、

必置資格
ある事業を行う際にその企業や事業所に保持者を最低、必ず置かなければならないと法律で定められている資格。
というのもある。これは、形式上「必置」すれば事足りるというのではなく、責任の所在を明確にするという意味もある。資格者が指示、監督しているもとでは、業務そのものは、素人や見習い者でも携わることができるが、何かミスが起こった時の責任は、必置された有資格者がとることになるという趣旨であろうと思う。




 国資格化されたのちの医療心理師がその資格が無ければできない業務を行うとなれば、これはやっぱり業務独占資格にあたるのではないだろうか。

 それと、2001年6月14日の日記などで論じたように、文部省初等中等局長裁定というような公的な決定において
委託を受けた教育委員会は、財団法人日本臨床心理士資格認定協会の認定に係る臨床心理士など,児童生徒の臨床心理に関して高度に専門的な知識・経験を有する者をスクールカウンセラーとして選考する。
というように、「臨床心理士など」という言葉が入っていて、資格者と非資格者のあいだに時給に格差がつけられていることになれば、これも限りなく業務独占に近いと言わざるを得ない。なおこれは5年前の論議であり、その後こういう調査結果も報告されていることを付記しておく。


 次回に続く。