じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 生協食堂前のイルミネーション、いよいよ点灯。

 例年よりちょっと遅めながら、生協食堂(北福利施設=マスカットユニオン)前のクリスマス・イルミネーションがいよいよ点灯した。毎晩23時まで。ちなみに、これらのパーツは昨年と同じものを使用しているが、これまで1つも盗まれたことが無いという。岡大の誇りである。

 なお食堂前の空き地では、12月16日に岡山大学うぇるかむデーが開催されるという。食堂南側には、写真とは別のイルミネーションが点灯されるほか、食堂3階で留学生の屋台やマグロの解体販売が行われるとのことだ。私自身は、まことに残念ながら、長時間会議が4つもあって、すくなくともマグロの柵計り売りには間に合わない。



12月15日(火)

【思ったこと】
_91215(火)[心理]パーソナリティーの時間的変容を捉える試み−対話性と自己からの検討−(11)「内部ではなく相互作用を」と、「事例記述はモデル化を目指せ!」

 昨日の続き。

 S氏の話題提供の最後のあたりでは「内部ではなく相互作用を」と、「事例記述はモデル化を目指せ!」の2点が論じられた。

 前者に関しては、開放系(オープンシステム)の喩えとして光合成モデルに言及された。要するに、光合成というのは、植物の葉っぱの内部現象ではなく、外からの光や二酸化炭素をもって相互作用として生じているが、長期的視点でみた人間行動も同じように相互作用のプロセスとして捉えるべきだということがご趣旨であったようだ。また、ベルタランフィによれば、開放系は等至性を持つということであり、このことがTEMの裏付けにもなっている模様である。

 なお、ウィキペディアによれば、ベルタランフィ一般システム理論によれば、システムとは以下のようなものであるという。
  1. システムは互いに作用している要素からなるものである。
  2. システムは部分に還元することができない。
  3. システムは目的に向かって動いている。
  4. ひとつのシステムの中には独特の構造を持った複数の下位システムが存在する。
  5. 下位システムは相互に作用しあいながら調和し、全体としてまとまった存在をなしている。
この考え方は、行動分析学において、単線的な行動随伴性を発展させて、複合的、あるいは入れ子構造を持った目的論的行動主義システムを考える上でもまことに重要であるように思われる。




 もう1つの「事例記述はモデル化を目指せ!」に関しては、モデルとして、
  • 理想型としてのモデル
  • 抽象成分としてのモデル
  • 平均像としてのモデル
  • ミニチュアとしてのモデル
などがあるということであった。

 このことから脱線するが、12月13日(土)に、岡大で、学内COEシンポジウム「東北アジアの幸福観」が開催され、私自身は用務終了後に14時すぎからこれに参加した。

 この時に思ったのは、いわゆる人文科学系の研究では、それぞれの時代の傑出した思想家を「モデル」として取り上げ、それらの人々の書かれたものによって当時の「幸福観」を類推しようという傾向が強いように見受けられた。そうした研究スタイルから学ぶべき点が多いことは言うまでもないが、傑出した思想家の言葉が、当時の一般庶民の幸福観を反映していたということは考えにくい。また、例えば江戸時代の武士や町人の幸福観を分析すると言っても、そこで明らかにされるのは「こういうふうに生きるべきである」であって、実際に暮らしていた武士や町人が何に幸福を感じていたのかは定かではない。

 でもって元の話に戻るが、もし、モデル化なるものが、理想型としてのモデルを目指すのであれば、一般庶民を対象に念入りに面接調査を行うよりも、現代の著名な思想家、作家、第一人者などの語りをそのまま資料や映像で残し、著されたものの中から何かを学び取ったほうがよほど理想型ということになるようにも思える。実際、私なども、質的研究の論文でいくつかの事例記述を拝見するよりも、NHKの「あの人に会いたい」や、「プレミアム8<人物>」の放送などを視聴したほうがはるかに得るところは大きいようにも思える。

 なお、事例研究とモデルに関しては、こちらの論文に詳しく書かれている。その内容についてはまた別の機会に論じることにしたい。


 不定期ながら次回に続く。