じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 台風27号の接近と秋雨前線活発化の影響で、岡山でも雨が降り続いており、10月25日午前07時の時点で、24時間積算雨量は73.5ミリ、72時間積算は96.5ミリに達した。
 ちなみに、岡山県岡山の10月の降水量平年値は81.1ミリであり、今回の大雨だけで1ヶ月分の雨量を超えそうな勢い。


2013年10月24日(木)

【思ったこと】
131024(木)高齢者における選択のパラドックス〜「選択の技術」は高齢者にも通用するか?(39)選択を階層的に捉える(9)A-PIEによる効果検証(1)

 昨日の続き。

 ダイバージョナルセラピーなどの高齢者ケア、あるいは福祉レクリエーション援助では、APIE(A-PIE)プロセスの循環による全人的視点からの評価と改善が重視されている。過去日記でもこのことには何度もふれてきた。 ちなみにAPIE(A-PIE)は、Assessment、Planning、Implementation、Evaluationの頭文字をとったものであり、分かりやすい訳語語として以下のような言葉が割り当てられている。
  • Assessment(事前の調査、ライフビュー)
  • Planning(計画・設計、ゴールの設定)
  • Implementation(実施、目的意識と観察)
  • Evaluation(事後の評価、改善し続ける)
 このうち、1番目のAssessmentと4番目のEvaluationはいずれも評価という意味があるが、1番目のほうは、対象者の健康状態、好み、ライフヒストリーなどについての調査、4番目のEvaluationのほうは2番目と3番目の「計画→実施」のプロセスの効果測定と次のサイクルに向けた改善を含む評価というような意味になる。ちなみに、ウィキペディアでは、Evaluationは、以下のように説明されている。
Evaluation is a systematic determination of a subject's merit, worth and significance, using criteria governed by a set of standards. It can assist an organization, program, project or any other intervention or initiative to assess any aim, realisable concept/proposal, or any alternative, to help in decision-making; or to ascertain the degree of achievement or value in regard to the aim and objectives and results of any such action that has been completed. The primary purpose of evaluation, in addition to gaining insight into prior or existing initiatives, is to enable reflection and assist in the identification of future change.
 なお、2012年8月4日にも取り上げたことがあるが、業務や組織の継続的改善のプロセスとしてPDCAサイクルというのがあるが、こちらは、
  • Plan(計画):従来の実績や将来の予測などをもとにして業務計画を作成する
  • Do(実施・実行):計画に沿って業務を行う
  • Check(点検・評価):業務の実施が計画に沿っているかどうかを確認する【CheckをStudyに置き換え、PDSAサイクルとする場合もある】
  • Act(処置・改善):実施が計画に沿っていない部分を調べて処置をする
から構成されており、頭文字の意味が異なる。A-PIEでは、まずは、個々人のAssessment(事前の調査、ライフビュー)が尊重される。まず計画ありきではないという点が大切だ。このほか、PDCAの「Check(点検・評価)→Act(処置・改善)」とA-PIEの「Evaluation(事後の評価、改善し続ける)」は必ずしも同一ではない点にも注目する必要がある。業務遂行の場合は、計画どおりに進んでいない部分が注目されるが、A-PIEでは、あくまで当事者本位で、計画そのものを大幅修正することもありうる。つまり、Planning自体の改善もあれば、Implementation部分での改善もありうるということである。

 次回に続く。