じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
1月9日の早朝、西の空に月と、相当に明るい星が並んで光っていた。あまりにも明るいので超新星出現かと思ったほどであるが、天文年鑑2015によると、8日の17時22分に木星と月が5°04′まで接近することが分かった。木星の明るさはマイナス2.5等。最も明るくなるのは1月下旬から2月中旬でマイナス2.6等。 |
【思ったこと】 150108(木)Cool Japan 「新春スペシャル ニッポン人への大ギモン!」(3)なぜ行列が好き? 昨日の続き。今回は、 ●なぜ行列が好き? について考えてみることにしたい。 番組によれば、行列自体は外国でも見られるが、ラーメン屋など、食べ物屋の前で並ぶ外国人は少ないというように伝えられていた。 じっさい、必需品の配給を受けるような行列はどこでも見られる。また、他に選択肢が無い場合は、外国人でも辛抱強く並ぶことがあり、必ずしも日本人だけが辛抱強く待つということにはならないようである。 であるからして、ここで指摘されている日本人の特徴というのは、 ●他に選択肢があるにも関わらず、あえて待ち時間の長い行列に並ぶ ことに関係しているのではないかと思われる。 これに似た議論は、Kim & Markus(1999)のペン選択実験と共通性があるかもしれない。 Kim, G., & Markus, H.R. (1999).Deviance or uniqueness, harmony or conformity? A cultural analysis. Journal of Personality and Social Psychology, 77, 785-800. この実験では、2種類のボールペンが4:1あるいは3:2で提示されてお礼にどれか1本を差し上げますと言われた時、東アジア系の人たちは、多数派のほう(4本または3本提示されたほう)を選ぶ傾向が高いと報告されていた。 ラーメン店が軒を連ねているようなところでは、行列ができているお店のほうが多数派と言えるので、同じ傾向であると言えないこともない。もっとも、私自身が指摘しているように、ペン選択実験の結果については、さまざまな解釈が可能である。必ずしも「多い方(多く出されたもの、あるいは他の大勢の人が好むのも)が好き」とは限らないように思う。 ラーメンと言えば、2006年10月に行われたおかやまラーメン博の時に面白い現象を目撃したことがあった。岡山県総合グラウンドで全33店が出店を構え、当日券(650円、前売りは600円)1枚につき1杯が食べられるという企画であったが、店によって行列の長さに極端の差が見られた。この場合は、 せっかくここへ来て1杯だけ食べるのであれば、普段は食べられないような、記憶に残るような1杯を食べたい という理由で、岡山ラーメン学会特製の「おかやまラーメン博記念ラーメン」の列に並ぶ人が多く、反面、いつでも食べられる地元の人気店は行列が少なかったものと思われる。【なお、岡山ラーメン学会のWebサイトは、昨年1月以降は更新されていない模様である。】 次回に続く。 |