じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 3月26日は今年度最後の会議があり、今年度で退職となる教員から一言ずつ挨拶があった。会議終了後には、その労いのように美しい夕日が輝いていた。写真下は、流れ星型の飛行機雲。


2015年03月26日(木)



【思ったこと】

1から始まる数をよく見かけるのはなぜか?(2)「数値の最後の桁」の数字にも偏りあり

 昨日の日記の続き。ベンフォードの法則は、
基底がb(b≧2)の時に先頭の桁の数字が出現する確率は、P(d)=logb(d+1)-logb(d)に従う。
と定義されており、こちらによれば、ウソの数値を見破る方法として、会計の不正検知にも活用されているという。

 また、こちらの論文によれば、素数の出現パターンまでもが「ベンフォードの法則」に従っているらしい。素人の私には全く理解できないが、その通りであるとすればスゴイ発見だと思う。




 さて、以上は数値の最初の桁(The first-digit)の数字の分布に関する話題であったが、数値(ここでは整数)の最後の桁の数字(「1の位」の数字)についても、0〜9が等頻度に現れるとは限らない。

 まず、ある整数が2つの整数の積であった場合は、奇数よりも偶数の頻度が高くなるはずだ。なぜならば、2つの整数をランダムに発生させた場合、その組合せは「奇数×奇数」、「奇数×偶数」、「偶数×奇数」、「偶数×偶数」の4通りになるはずだが、このうち、積が奇数となるのは「奇数×奇数」の場合のみで、確率は1/4にすぎない。当然、1の位の数は、「0、2、4、6、8」のいずれかになる確率が高くなるはずだ。

 より詳細に調べてみると、あらゆる整数を掛け合わせた時の1の位の数字は、

__|__1__2__3__4__5__6__7__8__9__0
_1|__1__2__3__4__5__6__7__8__9__0
_2|__2__4__6__8__0__2__4__6__8__0
_3|__3__6__9__2__5__8__1__4__7__0
_4|__4__8__2__6__0__4__8__2__6__0
_5|__5__0__5__0__5__0__5__0__5__0
_6|__6__2__8__4__0__6__2__8__4__0
_7|__7__4__1__8__5__2__9__6__3__0
_8|__8__6__4__2__0__8__6__4__2__0
_9|__9__8__7__6__5__4__3__2__1__0
_0|__0__0__0__0__0__0__0__0__0__0

となる。すなわち、10×10=100通りの組合せの中で出現する1の位の数は、
  • 0:27個
  • 1:4個
  • 2:12個
  • 3:4個
  • 4:12個
  • 5:9個
  • 6:12個
  • 7:4個
  • 8:12個
  • 9:4個

となり、0が最も多く、続いて「2、4、6、8」の偶数、さらに5と奇数を掛け合わせた時に発生する「5」、そして最も少ないのが「1、3、7、9」の奇数となる。
 例えば、縦横の長さがそれぞれ整数で表される長方形の面積では、1の位の数は上記の分布になるはず。また、商品の単価が1円刻みで設定されていた時、に複数個購入すると、その合計代金(但し消費税別)の1の位の数は上記の分布になるはずである。また、27/100の確率で、10円玉だけでの支払いができるはずだ。

 次に、ある整数の2乗値(平方数)である場合。十進数では、いかなる整数も1の位の数字は「1、2、3、4、5、6、7、8、9、0」のいずれかであるが、これらを2乗すると1の位の数字はそれぞれ「1、4、9、6、5、6、9、4、1、0」となる。つまり、平方数の1の位は必ず「1、4、5、6、9、0」のいずれかとなり、他の数字が現れることはない。同じようなことは、ある整数を4乗した場合についても言える。すなわち末尾が「1、2、3、4、5、6、7、8、9、0」の数をそれぞれ4乗すると1の位の数字はそれぞれ「1、6、1、6、5、6、1、6、1、0」となり、末尾は「0、1、5、6」のみとなる。なお5乗した場合は、すべての整数の1の位は、元の数字に戻る。【1998年5月31日の日記に関連記事あり。】