じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
ピーチユニオン(南福祉施設)から眺める大学会館北側の広場。ブーバ/キキ効果の「ブーバー」の図柄にそっくり。 |
【思ったこと】 160301(火)個別学力試験前期(2)東大の数学 昨日の続き。 東大の数学の問題では、東大文科数学の第4問が目にとまった。 (1)nを正の整数とし,3nを10で割った余りをanとする。anを求めよ。上記の(1)と(2)の問題は、要するに、3をn回かけた時、10進法と4進法で、1の位の数字は何になるか?というのと同じ問題となる。 これについては、高校生の頃、「n進法で整数のm乗を表記した時、ある(n,m)の組合せで一桁目にもとの整数が現れる必要十分条件は何か。またそのさい、mをnの関数で表せ。」というように一般化した問題を考えたことがあった。【1998年5月30日と5月31日の日記ご参照。】 もう1つ、東大理科系数学第2問(文科系と共通)には、巴戦の確率に関する問題が出た。巴戦(ともえせん)は「大相撲における優勝決定戦の方式の一種で、本割の結果、相星の力士が3人いる場合の優勝者決定のしくみ」として知られている。また、力士3人が同じ実力であった場合に優勝できる確率は1/3ではなく、「1回目に土俵に上がる2人は5/14、2回目に初めて土俵に上がる力士は4/14」であることが知られている。 でもって、その問題は、 A,B,Cの3つのチームが参加する野球の大会を開催する。以下の方式で試合を行い,となっていたが、これって、あまりにも現実離れした設定ではないかなあ。 巴戦というのは誰か(どのチームか)が2連勝するまで対戦が続けられるので、確率的には対戦回数が何十回、何百回になることもありうる。そのリスクがあっても巴戦が大相撲で採用されているのは、大相撲では通常数十秒、長くても数分で勝敗が決せられるからである。(じっさいには1990年3月場所で4番を要したのが最多であるらしい)。 しかし、上掲の東大の数学問題は、相撲ではなく野球の試合となっている。こちらの情報によれば、2015年のプロ野球の平均試合時間は9回試合のみで3時間13分、延長試合を含めると3時間19分であるという。であるとすると、同じ日に2試合が限度であり、優勝決着には何日も要する可能性がある。かつ、1日に2試合以上行う場合、もう1チームが3時間にわたって「待機」するというのは現実的とは言えない。 さらに言えば、野球では投手の力がかなりのウェイトを占めているので、同じ投手が1日に2試合続けて登板することは困難であるし、当然、「それぞれのチームが勝つ確率が1/2」に固定されるというのも現実的とは言えない。 ということで、この問題の真の正解は、「野球の試合は長時間を要するため、巴戦で優勝チームを決めるのは非現実的であり、正解を出すことはできない。」ではないかと思うのだが、このように解答したら何点もらえるだろうか? |