じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 1月4日は休みをとって帰省先から岡山に戻ってきたため、私にとっては1月5日が仕事始の日となった。今年度は、金曜日の授業のみ1月5日から開始となっているが、6日から8日が成人の日を含む三連休となっていたため、1月5日の授業の出席者は全般に少なめであったようだ。
 写真は、新年を迎えた時計台と、この日の昼食。

2018年1月5日(金)


【思ったこと】
180105(金)関係、対応づけ、文脈をめぐる議論(9) 対応づけと関係づけ(3)

 昨日も述べたように、「Yes/No型」あるいは「Go/No・Go型」の見本合わせ手続では、見本刺激と比較刺激の間の関係(同じ、違う、より大きいなど)と、それに対応したタクト型の反応(YES/NOのボタンを押す、「同じ」とか「大きい」という発声をする)という二重の対応づけがあり、区別が必要である。

 ここで、大きさの異なる2つの三角形が描かれたいろいろなカードがあったとしよう。(カードの上下は逆さにしないものとする。)
これらを別々に呈示して、左より右のほうが大きければ「<」、右のほうが小さければ「>」、両方同じであれば「=」のボタンを押すものとする。また、「<」、「>」、「=」のボタンの位置はランダムに入れ替えるものとする。(タッチパネルであれば容易に入れ替え可能。)

 この課題では、2つの三角形の比較結果と「<」、「>」、「=」との対応づけが求められていると言えよう。

 今度は、上記の三角形のカードのうち数枚を机上に並べ、スクリーン上に「<」、「>」、「=」のいずれかのマークが呈示されたとする。この課題では「<」が呈示された時には、「」や「」のカードを選べば正解となり、「」や「」のカードを選べば不正解となる。こうした選択が、一度も訓練を受けずにできたとすれば、タクト型の対応づけにおいて、相互的内包が成立していたという証拠になりうる。

 なお、上記の大小関係はいっけん自明であるように思われるが、発達心理学の「量の保存」課題のように、いろいろな容器に液体を入れたり、石や木片の重さを比較させたりする課題の場合、幼児は、物理的な大小関係とは異なる観点で関係反応を発していることになる。

 次回に続く。