じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 昨日に続いて生協食堂(マスカットユニオン)2階からの謎の風景。昨日とは違うテーブルに逆向き(南向き)に座ったところ、クスノキの枝の中に液晶画面が映り込んでいるのが見えた。映っていたのはホールの天井から吊り下げられた岡大広報用の大型液晶画面で、曇りの日に特に目立つようである。

2018年1月19日(金)


【思ったこと】
180119(金)「対応づけフレーム理論」(3)

 昨日に続いて、大小関係の比較に関する話題。

 昨日述べたように、比較課題では、以下のような手続による訓練、テストが最も妥当であるように思われる。
  • まずAを見せる。
  • 次にXを見せる。 ※記憶負荷の影響を避けるため、Aはそのまま呈示しておいて、遅延時間後にXを呈示する。AとXを同時呈示しないのは、同時呈示すると複合的な1つの刺激として知覚される可能性を排除できなくなるため。
  • AよりもXのほうが大きい時には「○」、小さい時には「□」のボタンを押せば正解。


 上記のXとして、Aより大きいBと、Aより小さいCが用いられたとする。この場合の訓練は、
  • (A→B)→○
  • (A→C)→□
となり、課題構造としては、

「AをXに対応づけた時に生じる関係刺激」に「○」または「□」を対応づける訓練

ということになる。また、A、B、Cが図形や数である場合は、非恣意的な大小関係、そうではなく、文字や記号が用いられた場合は恣意的な大小関係ということになる。

ちなみに、上記で、Aと同じ大きさのDが呈示された時に「△」のボタン、大きさが異なる刺激が呈示された時に「◇」を押す訓練をすると、(大小比較の文脈において)同じか違うかを訓練したことになる。
  • (A→D)→△
  • (A→B)→◇
  • (A→C)→◇
 さて問題となるのは、対称性である。同じか、同じでないかという訓練の時は、以下のテストは、追加の訓練をしなくても正解を出せる可能性がある。(これが、刺激等価性クラスの研究で言うところの「対称性」。)
  • (D→A)→?
  • (B→A)→?
  • (C→A)→?
ところが、大小の比較をさせる訓練では、上記の
  • (A→B)→○
  • (A→C)→□
に加えて、
  • (B→A)→
  • (C→A)→
という訓練を繰り返し行う必要がある。このように考えてみると、大小比較の訓練というのは、要するに、
  • (A→B)→○
  • (A→C)→□
  • (B→A)→□
  • (C→A)→○
という4通りの訓練をすることに他ならない。その際の「○」と「□」は、「より大きい」、「より小さい」を意味しているが、別段、「より長い」と「より短い」、「右側にある」と「左側にある」、あるいは「上にある」と「下にある」などに置き換えても課題構造は全く変わらない。比較というのが、ある座標軸上の位置関係に対応づけられている限りにおいてはみな同じである。

 ちなみに、「同じ」という関係は、座標軸上で、両者が同じ位置にあるという関係となる。これは、
  • (A→B)→○
  • (A→C)→□
  • (B→A)→○
  • (C→A)→□
という対応づけの訓練と同じことを意味する。

 次回に続く。