【思ったこと】 180130(火)自分とは何か(6)視点取り(2)
1月16日に視点取りの話題を取り上げたあと、
Barnes-Holmes, Y., McHugh,L., & Barnes-Holmes, D. (2004). Perspective-taking and theory of mind: a relational frame account. The Behavior Analyst Today, 5, 15-25.
の冒頭部分から別の話題に飛んでしまったので、ここで改めて、視点取り(視点取得、perspective taking)に復帰しようと思う。
さて、この論文では、関係フレームの説明に続いて、「心の理論(Theory of Mind)」の立場から開発された、自閉症児向けの視点取りプログラムが紹介されていた。このプログラムは以下の5段階から構成されている。
- レベル1:Simple visual perspective-taking/視覚的視点取りの単純課題
- 別の人たちは、それぞれ別々のモノを見ている。
- 2人の子どもの前に、表と裏に絵が描かれた(例えば表に馬、裏にイヌ)カードを見せる。うち1人は表面、もう1人は裏面しか見ることができない。
- 「どちらの絵が見えるか」、「もう1人の子どもはどちらが見えるか」と尋ねる。
- これにより、自分と他人の2つの視点を取得する。
- レベル2:Complex visual perspective-taking/視覚的視点取りの複合課題
- 2人の子どもが向かい合うように座る。
- テーブルの上に1枚の絵(例えばネコの絵)が置かれる。
- これにより、1人の子どもは上下が正しい位置の絵を、もう1人は上下逆の絵を見ることになる。
- その絵は、本人にとって、またもう1人にとってどのように見えるのかを尋ねる。
- レベル3:視覚的な手がかりがより少ない課題
- 子どもの前に空の箱を置いて、目をつぶってくださいと言う。
- 目をつぶっている間に、箱の中に何かを入れる。
- 子どもに、箱の中に何が入っているのかと尋ねる。当然、その正解は「分からない」
- 続いて、箱の中を見せる。
- 子どもに、どうやって箱の中に何があるのかを知ったの?と尋ねる。正解は「箱の中を見たから」
- 他者の視点、例えばテディベアは、どうやったら箱の中のモノを知ることができるかと尋ねる。
次回に続く。
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