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9月8日の日記でフィリピン東にある気になる熱帯低気圧の話題を取り上げたが、この熱帯低気圧はその後発達して、台風12号となった。もっとも、9月10日06時時点では、5日先の9月15日の予想中心位置は不確定となっていて、東は沖縄本島から、西は中国大陸まで、どちらに向かうのか分からないようだ(速度についても不確定)。 こうした不確定要素の多い進路予想では、予報円が大きくなりすぎて、台風の大きさについてのイメージが掴みにくい。 以前にもこの日記に書いたことがあるが、台風の大きさの予想を含めた、予想進路の分かりやすい表示法としては、アメリカ・ハワイの米軍合同台風警報センター(JTWC)が発表する台風情報がある。 |
【連載】太陽系の基本知識を更新する(16)小惑星・彗星(4) 昨日に続いて、NHK「コズミックフロント」: ●「冒険者たちが語る 太陽系のヒミツ」 についての備忘録と感想。 まず昨日取り上げたロゼッタについての補足。 ウィキペディアによれば、この探査機は当初計画とはかなり違った形で打ち上げられた。当初計画では、欧州宇宙機関(ESA)とアメリカ・NASAが共同で計画を開始したが、1992年にNASAが離脱し、ESAの単独事業として実施されることになった。また当初は、2003年1月12日に打ち上げられ、2006年7月に小惑星(4979)大田原、2008年7月に小惑星(140)シワに接近し、2011年にワータネン彗星へ到達する予定であった。しかし、2002年12月11日にアリアン5ロケットが爆発事故を起こしたため、計画の見直しを余儀なくされた。この結果、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に主目標が変更されたという。実際にロゼッタが打ち上げられたのは2004年3月、運用を終了したのは2016年9月であり、なんと12年半にも及ぶ長期の取組であった。こうした探査は、たった1つの操作ミスや偶発的事故によって、それまでの努力が水泡に帰する恐れがある。そうしたミッションに参加するというのは、それなりの覚悟が必要であったと推察される。ロゼッタのように探査が成功した場合はまだしも、各種探査では、打ち上げ時の失敗や、想定外の事故、指令ミスなどで失敗に終わった計画も少なくない。失敗しても次の計画に活かせればよいのだが、巨額な予算が費やされるため、失敗が続けば計画打ち切りとなる場合もあるだろう。 ロゼッタの探査で1つ分からなかったのは、彗星に着陸したフィラエのその後であった。フィラエは2014年11月に彗星の核に落下したが、彗星のほうはその後太陽に近づき、2015年8月には近日点を通過した。そして2016年9月にロゼッタ本体が彗星表面に落下する直前には、谷間に引っかかっていたフィラエを確認することができたという。素朴に考えると、フィラエが着陸した後、太陽に近づくについてれ彗星の核は大量の塵を猛スピードで吹き出すはずで、そうなればフィラエも吹き飛ばされていくのではないかと思うのだが、実際は核の谷間にへばりついたままであった。これは単に落下地点が噴出口とは離れた部分にあったためなのだろうか。 さて、放送のほうでは、ロゼッタに続いて、2014年12月に打ち上げられたはやぶさ2が取り上げられた。ウィキペディアによれば、基本設計は初代「はやぶさ」と同一だが、初代が見舞われた多数のトラブルに対処するさまざまな改善が行われたという。初号機が到達した「いとかわ」と異なり、めざした「リュウグウは炭素系の物質を主成分とするC型小惑星に属しており、有機物や水を含んでいるため地球生命誕生の謎を解く手がかりになると期待された。 はやぶさ2は2018年6月にりゅうぐうとランダムー、その後2019年2月と7月に軟着陸を成功させて帰還、2020年12月に、サンプルを積んだカプセルをオーストラリアのウーメラ地区に落下させた。 はやぶさ2本体のほうは、ふたたび地球を離れて、2031年に別の小惑星1998KY26を探査する計画になっているという。 放送では、サンプルリターンの成功談が取り上げられていたが、はやぶさ2は他にも「小型探査ロボットによる小天体表面の移動探査」や「複数の探査ロボットの小天体上への投下・展開」などを世界初で成功させている。もっとも具体的にどのような成果を上げたのかは未確認。そのほか運用報告や現状については公式サイトから発信されている。 次回に続く。 |