じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 9月13日の日記で、大黒天Pay初体験の話題を取り上げたところであるが、その時点で還元された60ポイントがちゃんと使えるのかどうかはまだ確認できていなかった。
 ということで一週間ぶりにラ・ム−で買物をしたところ、
  • 前回の残高は1782円。60ポイントを足すと1842円分。
  • 2000円チャージしたので、ポイントがちゃんと使えるのであれば残高は3842円分となるはず。
  • この日の買物は2577円。
  • 大黒天Payで支払ったところ、3842−2577=1265円という残高表示になり、前回のポイント60円分がちゃんと使われていたことが確認できた。【なお、この日には新たに50ポイントが還元された】
ということでとりあえずポイントが使えることが確認できたが、今回は、
  • 現金チャージの際に、1000円札を2枚入れようとしたが、紙幣は1枚ごとに1回ずつチャージの操作が必要であることが分かった。例えば1000円札で4000円分をチャージする場合は、4回も同じ操作を繰り返さなければならずかなり面倒。
  • チャージ機でアプリを使用した際、今回は「タップ」ではうまく認識されず、チャージ機の窓に表示されたQRコードを読み取る必要があった。
  • レジの支払機で「大黒天Pay」を選択したが「係員を呼んでください」という表示が出て使えなかった。レジの担当者によると、いくつかの支払機では「大黒天Pay」が操作できないとのことで、別の支払機に移動した。
ということで、今回も、チャージの段階と支払いの段階でそれぞれトラブルが発生した。
 なお、今回は、大黒天Payで決済した時に還元対象となる商品を探してみたが、前回還元を受けた『キャベツがあればすぐにできる中華名菜八宝菜』(249円、50ポイント還元)の関連商品と『極小粒カップ3納豆』(91円、10ポイント還元)以外には、ハム類の一部が目にとまった程度で、還元対象商品は広い店内の中でも10品目未満であるように思われた。なので、それらの対象品を買わない場合は、大黒天Payを利用するメリットは全くなく、手間がかかるだけであることが分かった。そもそも大黒天物産としても、あまり熱心には大黒天Payを推奨していないようでもある。じっさい、ラ・ム−では平日午前中でもレジに長蛇の列ができることがあるが、仮に大黒天Payの利用者が過半数を占めるようになったとすると、チャージ機や支払機でのトラブルが続出し、手に負えない状況に陥ると推測される。



2023年9月20日(水)




【連載】笑わない数学(2)虚数(8)複素数通貨/複素数の定義

 昨日に続いて、NHK『笑わない数学』で2022年8月17日に初回放送された、

虚数

のメモと感想。但し、今回からは放送内容を離れた発展的考察を述べることにする。

 まず、昨日の日記で、
確かに数直線上では「1+√2」に相当する目盛り(2.4142...)が存在するが、我々は普通、“「1+√2」は無理数である”とは呼ばず、代わりに“「1+√2」は、実数1と無理数√2の足し算の結果である”と考えるように思われる。であるなら、「a+bi」も1つの数としてではなく、“実数aと虚数biという足し算の結果であると考えればよく、わざわざ複素数という1つの数として扱う必要は無いようにも思われた。さらに言えば、仮に複素数という存在を認めたとしても、なぜ実数部と虚数部は「+」という記号で結ばれなければならないのか? という疑問が出てくる。そもそも「+」は、実数どうしの計算では、数直線上のある点を右側にずらしたり、2つのグループの個数を合計するという意味であると直観的に理解できる。しかし、複素数「a+bi」における「+」はそのような計算ができない。解の公式から機械的に「a+bi」が勝手に出てくるとはいえ、同じ「+」であっても、実数における加法とは異なる定義を追加しなければならないような気もする。
と述べたことに関連して、「通貨を複素数にしたらどうなる?」ということを考えてみた。例えば、「バナナ1房100円」ではなく、「バナナ1房は100+10i円」とするのである。このうち実数部の100円は、従来通り、給与としてでも投資の収益としてでも受け取ることのできる法定通貨であるとする。いっぽう、虚数部の10i円は、『ボランティア通貨』のようなものであり、例えば地域の環境保全活動、高齢者へのサポート、子育て支援など、社会的に望ましい「コト」を行った時に受け取ることができるものとする【こちらの日記や、地域通貨、エコマネー関連の記事参照】。バナナという「モノ」との交換に虚数部の金額を付加することには語弊があるかもしれないが、とにかく、いまの経済体系を二元的な体系に切り替えることができれば、社会貢献的な活動はより強化され、活発に行われるようになるだろう。と思ってBingに

通貨を実数ではなく複素数a+biのような体系にして、虚数部をボランティア通貨に限定した場合、社会はどのように変わると思いますか?

と尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。
通貨を実数ではなく複素数a+biのような体系にして、虚数部をボランティア通貨に限定した場合、社会はどのように変わると思いますか?
この仮定は興味深いですね!もし通貨が複素数体系に変わり、虚数部がボランティア通貨に限定される場合、社会はいくつかの面で変化する可能性があります。
まず第一に、複素数体系の導入により、通貨の取引や計算がより複雑になるでしょう。実数部と虚数部の組み合わせによって、通貨の価値や取引の方法が異なることになります。これにより、金融システムや経済モデルが再設計される必要があるかもしれません。
また、ボランティア通貨の導入により、社会全体の価値観や行動パターンが変わる可能性があります。ボランティア活動は一般的に社会的な利益を追求するために行われますが、ボランティア通貨の導入により、その価値が経済的な価値として認識されることになります。これにより、人々は自分の時間やスキルをボランティア活動に貢献することを奨励されるかもしれません。
ただし、この仮定は非常に複雑であり、多くの社会的・経済的な要素を考慮する必要があります。具体的な変化や影響を予測することは困難です。さらなる研究や議論が必要です。
参考文献:
[NY Times - How Tall Is Mount Everest? For Nepal, It’s a Touchy Question](https://www.nytimes.com/2018/02/03/world/asia/mount-everest-how-tall-nepal.html)
[Wikipedia - Mount Everest](https://en.wikipedia.org/wiki/Mount_Everest)
[MEL Magazine - How Long is a Banana?](https://melmagazine.com/en-us/story/how-long-is-a-banana)
[Ageekoutside - What Is the Length of a Banana?](https://ageekoutside.com/what-is-the-length-of-a-banana/)
 いっぽう、ChatGPTに同じ質問をさせていただいたところ、
複素数を通貨の表現に取り入れ、虚数部をボランティア通貨に限定するという発想は非常に興味深いですね。ただし、これが社会全体に与える影響は予測が難しいですし、多くの側面が考慮される必要があります。

以下に、このシステムが導入された場合の一般的な影響をいくつか考えてみましょう:
経済の二重通貨体制:
実数部は通常の通貨として機能し、物品やサービスの購入に使用されるでしょう。
虚数部はボランティア活動や社会奉仕に対する報酬として使われることになります。
社会奉仕の奨励:
人々は虚数部を得るために積極的にボランティア活動に参加するよう奨励されるでしょう。これによって、社会奉仕の意識が高まる可能性があります。
物品やサービスの価値評価の変化:
物品やサービスの価格は、現在の通貨システムとは異なる評価基準に基づいて決まることになります。この新たな評価基準は、複素数表現によって反映されるでしょう。
貨幣価値の変動:
経済の安定性や需給の影響によって、通貨の価値が変動する可能性があります。特に虚数部の価値は、ボランティア活動の需要と供給に影響されるでしょう。
システムの複雑さ:
通常の通貨システムよりも複雑になる可能性があります。人々は複素数表現やその取引のルールを理解しなければなりません。
詐欺や不正行為のリスク:
新しい通貨システムは、詐欺や不正行為のリスクを伴う可能性があります。特に虚数部の取引において、適切な監視とセキュリティが必要です。

最終的な影響は、具体的な実装方法や社会の文化、経済状況によって異なるでしょう。また、このようなシステムが実際に導入される場合には、慎重な計画、評価、および実証が必要です。
という回答をいただいた。
 ま、上掲のバナナの例で不労所得のみで何億円も稼いだ人に関して言えば、1房100円のバナナなら何万房も手に入れることができるが、ボランティア活動を行わない限りは「100+10i円」のバナナは1房も食べられないことになるだろう。
 なお『ボランティア通貨』あるいはこれに類似した『地域通貨』の導入に関しては、障がいや病気のためにボランティア活動ができない人たちにどう配慮するのかという問題、また、ボランティア活動は善意や感謝のみで成り立つものであってそのような行動に交換価値を有する対価を付与するのは根本的に間違っていると主張する考えもある。




 元の話題に戻るが、ウィキペディアでは複素数は以下のように定義され特徴づけられている。
  1. 数学における複素数(ふくそすう、英: complex number)とは、2つの実数 a, b と虚数単位 i = √−1 を用いて
    z = a + bi
    と表すことのできる数のことである。
  2. i は実数体上線型独立であり、複素数は、係数体を実数とする、
  3. i の線型結合である。実数体 R 上の二次拡大環の元であるため、二元数の一つである。
    複素数全体からなる集合を、太字の C あるいは黒板太字で Cと表す。Cは可換体である。
  4. 体論の観点からは、複素数体 C は、実数体 R に √−1 を添加して得られる拡大体である。
  5. 代数学の基本定理により、複素数体は代数的閉体である。
  6. 複素数体はケーリー=ディクソン代数(四元数、八元数、十六元数など)の基点となる体系であり、またさまざまな超複素数系の中で最もよく知られた例である。
 上掲の中で私がとくに重要であると思うのは、「複素数体 C は、実数体 R に √−1 を添加して得られる拡大体」という点、および「二元数の一つである」という点である。二元数については、この連載の最後のところで言及する予定。

 次回に続く。