じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 北九州の某公園で地植えされているヨウラクツツアナナス。GWの時に移植されたばかりの株を確認。岡山・半田山植物園では温室内で育てており地植えで生育するのかどうか気がかりであったが、今のところは育っているように見えた。
 なお、我が家ではベランダに出しっぱなしで育てているが、真冬でも枯れたことはない。逆に葉っぱが茂って鉢いっぱいになっており、そろそろ株分けが必要になってきた。



2023年12月19日(火)




【連載】笑わない数学(9)1+2+3+4+…=−1/12(2)「隙間を空けて引き算」は納得できない


 昨日に続いて、1月29日にNHK総合で初回放送された、『笑わない数学 シーズン2』:

1+2+3+4+…=−1/12

についてのメモと感想。

 昨日の終わりのところで、オイラーが、

1+2χ+3χ2+4χ3+・・・=1/(1-χ)2 【但し −1<χ<1】

という公式に範囲外のχ=−1を代入することで、

1−2+3−4+・・・=1/4

となることを発表したことを取り上げた。放送ではこれを利用して、以下のようなやり方で、「1+2+3+4+・・・=−1/12」となるいう議論があることが示された。
  • まず、
    A=1+2+3+4+5+6+7+・・・
    とおく。
  • 次に両辺を4倍すると、
    4A=4+8+12+16+20+24+28+・・・
    となる。
  • 4Aの足し算に隙間を空けると、
    4A=□4 +8 +12 +16 +20 +24 +28 +・・・
  • 隙間を空けたままAから4Aを引くと、
    A=1+2+3+4+5+6+7+・・・
    4A=__4___+8___+12___+・・・
    _____________________________________
    −3A=1−2+3−4+5−6+7+・・・
    となる。
  • ここでオイラーの議論から「1−2+3−4+・・・=1/4」であることが分かっているので、
    −3A=1/4
    よってA=−1/12
 しかし、こうした方法をあてはめることは、本来∞に発散することが分かっている無限級数に対してあり得ない有限数を導き出すことになる。これをつきつめていくと、あげくの果てには「∞<−1」まで導き出せてしまうという。こうした矛盾が生じることから、19世紀に入ると数学者たちは、
●発散する無限級数は、和を考えることに意味はない。
と考えるようになった。




 ここでいったん私の感想・考察を述べさせていただくが、上記の−3A=1/4からA=−1/12を導くやり方は私にはどうしても納得できないところがある。まず有限である100個の足し算で考えたとすると、
100−3A100
という計算が行われるべきであるが、上記のように隙間を空けてから引き算を行った場合、−3Aの51個目から100個目までは相殺できないはずだ。なので、
−3A100=1/4−ΣAi 【i=51から100まで】
としなければならないはずだ。そして、ΣAiは個数が増えるほど大きくなっていくはずである。

 ということで、少なくとも「隙間を空けてから足し算・引き算をする」というやり方には無理があるように思われた。

 余談だが、「1+2+3+4+5+6+7+・・・=−1/12」からの連想になるが、大学に入って心理統計学を学んだ頃【←授業では体系的に教わったことは無く、実際はすべて自学自習】に「12」という数で疑問を持ったことがあった。手元に資料が無いので「12」がどこに出てきたか、はっきり記憶していないのだが、例えば連続一様分布の分散は、「(b−a)2/12」というように「12」が出現している。このほか何かの補正で「12」が出てきたような記憶があるが定かでは無い【←ウィキペディアで「12」の項目を調べてみたが、ヒントになるようなものは出てこなかった】。
 なお区間aからbまでの連続一様分布の分散の求め方はこちらに解説されている通りであり、
V(X)=E(X2)−(E(X))2
=(a2+ab+b2)/3−[(a+b)/2]2
=[4a2+4ab+4b2−(3a2+6ab+3b2)]/12
=(a2−2ab+b2)/12
=(a−b)2/12 【2乗するので (b−a)2/12 でも同じ】
という変形の中でたまたま分母に12が現れただけであり級数とは関係なさそうに見える。

 次回に続く。