じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 ムサシアブミがそろそろ芽を出しているのではないかと思い半田山植物園の裏山や湿性園周辺を廻ってみたが、3月10日の時点では1つも見つけることができなかった。なお昨年は3月7日の時点ですでに多数確認している。
 写真はムサシアブミの赤い実。初めて見た時は正体が分からず、異星人の持ち物かと思ったほど奇怪に見えた。

2025年03月12日(水)




【連載】最近視聴したYouTube動画(20)岡田斗司夫さんの動画をもとに宗教について考察する(19)キリスト教(3)あらゆる心理系の人の弱点?/ザビエルの遺骸はバラバラ/日本・アジアのキリスト教信者

 昨日に続いて、宗教について岡田斗司夫さんの動画をネタにした考察。昨日引用させていただいた、

キリスト教徒は神の存在を信じているわけではない?【キリスト教】と【ユダヤ教】の違いをドラえもんに喩えて説明します《岡田斗司夫ゼミ・切り抜き》

という動画のほか、岡田さんはキリスト教に関連する動画を多数発信されているが、大部分は同一内容の「切り抜き」となっている。
  1. 仏教VSキリスト教VSイスラム教!世界3大宗教のテレビでは話せないヤバすぎる話【岡田斗司夫 / 切り抜き / サイコパスおじさん】
  2. 【キリスト教入門】ほとんどのキリスト教徒は頭から神様の存在を信じていません。沈黙/遠藤周作【岡田斗司夫/切り抜き】
  3. 【作業用・睡眠用BGM】宗教を信じる人と信じない人の差 キリスト教と仏教の面白い違い【収監中のホリエモン】【岡田斗司夫】
  4. 【聖フランシスコザビエル】キリスト教を布教させるために命を懸けた男の生涯が凄い【岡田斗司夫/切り抜き】
 なおキリスト教とは全く関係ないが、上掲3.の中で茂木健一郎さんと対談する企画が紹介されており、岡田さんは、
茂木さん俺会ったことがないんだよ。僕の中の茂木さん評価っていうのは実はかなり低いんだよ。何でもかんでも脳科学って言ってりゃいいもんじゃねえよ。なんかね心理学者とかね、神経学者、俺嫌いなのは、昔、呉智英っていう評論家が言ってたんだけれども、あらゆる心理系の人の弱点っていうのは、心理とか脳っていうのは全てを説明できてしまうから人より一段上の目線に立ちやすい。イコール人よりバカになりやすいという欠点がある。なので茂木さんがどれだけそういう自分の一段高い目線に溺れている馬鹿者なのか、それともそうでなくてアハ体験とか言ってる面白いおじさんなのか、それともひょっとしたら案外俺なんかよりずっと賢くて偉い人なのか、っていうのを見に行こうというか、もうほとんど対決する気持ちで行くんだけれど。【以下略】
と語っておられた。確かにこちらの連載でも「胡散臭い」と評しているように、テレビのエンターテインメント系番組には「脳科学者」、「心理学者」、自称「心理学研究家」、「進化心理学者モドキ」などが出演して、脳科学の専門用語を多用してある心理現象が脳科学のモデルだけで説明できるように上から目線で「解説」している人が居ないわけではない。しかし、そういう人たちは専門分野での研究よりもテレビの出演料や一般向け書籍の売り上げで高収入を得ているだけであって、そういうごく一部の人たちへの印象だけから「あらゆる心理系の人の弱点」と決めつけるのは行きすぎではないかと思う。もっとも岡田さんの活動領域から見ると、おそらく岡田さんと対談するような「心理学者」はみな上掲の弱点をもつ人たちばかりかもしれない。

 元の話題に戻るが、上掲の動画の中にはザビエルについての興味深い話があった【こちら参照】。なおこの動画は2015年4月4日に公開されたものであり、ザビエルに関する元ネタは当時放送されていた2015年4月1日初回放送のNHK「歴史秘話ヒストリア」:

ザビエル 戦国を行く〜知られざるニッポン 3万キロの旅〜

であったという。
  1. ザビエルは当初インドに6年間布教に行った。キリスト教徒が増えているように見えたが翌月になったらもう誰もキリスト教を信じていなかった。インド人にいくらキリスト教を教えても翌月にはもう頭からパーッとなってて何でかなと思ったら、インド人めちゃくちゃ素直に聞くんだけれども聞いたことが右から左へすかすかすかすか抜けて何も覚えていない。
  2. その後ヤジロウの話を聞いて日本に向かう。最初は島津の殿様のところで布教を始めた。日本は仏教国であったことから、既存の仏教を否定するのではなく、ゼウスを「ダイニチ」というふうに言い換えて、インドつまり天竺から来たということでみずから「天竺宗」って名乗った。つまり曹洞宗とか天台宗と並ぶ仏教みたいに見せかけて、仏教のふりしてガンガンガンガン布教した。
  3. その後、京都に向かう途中周防で布教を行い一定の成果があったが、キリスト教の教義に基づいて「ホモはだめです」と言ったことで大内義隆が激怒して追放された。当時は大名のホモ趣味は当たり前だったという。
  4. その後呼び戻される途中で亡くなった。

 念のためウィキペディアを参照したところ、ザビエルの遺骸はバラバラにされて保存されていることが分かった。
  1. 遺骸は石灰を詰めて納棺し海岸に埋葬された。1553年2月にマラッカに移送し、さらにゴアに移され、1554年3月16日から3日間、聖パウロ聖堂にて棺から出され一般に拝観が許された。そのとき参観者の一人の婦人が右足の指2本を噛み切って逃走した。この2本の指は彼女の死後聖堂に返され、さらに1902年そのうちの1個がハビエル城に移された。
  2. 右腕下膊は、1614年にローマのイエズス会総長の命令で、セバスティアン・ゴンザーレスにより切断された。この時本人の死後50年以上経過しているにも係わらずその右腕からは鮮血がほとばしり、これをもって「奇跡」とされた。以後、この右腕はローマ・ジェズ教会に安置されている。この右腕は1949年(ザビエル来朝400年記念)および1999年(同450年記念)に日本へ、また2018年にはカナダに運ばれ、腕型の箱に入れられたまま展示された。
  3. なお右腕上膊はマカオに、耳・毛はリスボンに、歯はポルトに、胸骨の一部は東京になどと分散して保存されている。

 ということでキリスト教の本質とは関係の無い話ばかりになってしまったが、私自身が長年疑問に思っていた点は以下の通りであった。
  1. なぜ安土桃山時代以降、キリスト教は禁止されたのか?
  2. 現在に至るまでなぜ日本ではキリスト教が広まらないのか?

 このうち1.についてはウィキペディアでは以下のように説明されている。
  • 秀吉没後、実権を掌握した徳川家康は当初キリスト教宣教を黙認していた。たとえば1598年にはスペイン人宣教師ヘロニモ・デ・ヘスースにスペイン船来航の斡旋を依頼し、江戸における教会の建設と布教許可を与えており、東京駅八重洲北口遺跡からはこの頃のキリシタン墓が、帰依したと思われるアジア人の人骨とともに見つかっている。
  • 家康はキリスト教そのものには一貫して無関心であった。これは、三河一向一揆で宗教に苦しめられた記憶があったからとの説がある。家康は将軍職を徳川秀忠に譲り、大御所として駿府に引退した後の1607年にもイエズス会員フランシスコ・パジオ(カタルーニャ語版)を引見し、外国人宣教師の滞在と布教の許可を与えている。
  • 1612年に岡本大八事件(有馬晴信がからんだ疑獄事件)が起こると、関係者がどちらもキリシタンであったことから、家康はそれまでの態度を一転して諸大名と幕臣へのキリスト教の禁止を通達、原主水などキリシタンであった旗本が改易された。翌年になると側近以心崇伝の手による「排吉支丹文」によってキリスト教信仰の禁止が明文化され、全国で迫害が行われるようになった。1616年に徳川家康が亡くなると、「東照大権現」とされて神として祀られたこともキリスト教禁止に影響を与えたとする見方もある。
  • 一方、神仏習合・多神教の宗教的秩序の上にあり、天皇・院(太上天皇)自らが神道の祭祀を主宰し、仏教の祈祷を実修し続けてきた朝廷にとって、一神教のキリスト教は早くから警戒され、排除が試みられる対象であった。キリスト教禁止は江戸幕府と朝廷が連携・協同して取り組める方針で朝幕関係にとっても望ましかった。
 もう1つの2.についてはウィキペディアによると、
  • 文化庁宗務課の統計『宗教年鑑 令和3年版』(2021年)によると、2020年12月31日時点で日本におけるキリスト教人口は1,915,294人で、対総人口比率は1.1%である。
  • ただし『宗教年鑑』は宗教法人化されていない宗教団体は含んでいないこと、逆に異端とされがちな宗派を含んでいることに注意が必要である。
  • 『宗教統計調査 文化庁 令和2年度』によると、2019年末時点でのキリスト教人口の内訳は、カトリック教会880,277人、プロテスタント諸教派総計341,066人、日本ハリストス正教会9,468人、末日聖徒イエス・キリスト教会128,132人である[160]。
となっており日本のキリスト教信者はきわめて少数派ではあるが、総理大臣をつとめた人もいる。
  • 吉田茂:1967年10月22日に死後洗礼を受け、洗礼名は「ヨゼフ・トーマス・モア吉田茂」であった。 10月23日に東京カテドラル聖マリア大聖堂で密葬が行われた。長男の健一は浄土宗での葬儀を希望したが、長女の桜子、三女の和子、次男の正男がカトリック葬を希望した。
  • 大平正芳:敬虔なクリスチャン(聖公会)で、しばしば聖書を好んで引用した。葬儀も立教学院諸聖徒礼拝堂で行われている。一方、妻は静岡の新興宗教に帰依しており、顧問の伊藤昌哉(金光教信徒)からは金光教の観点からの政局への処し方を度々訊いている。
 念のため、Copilotでアジアの主要国におけるキリスト教信者の比率を尋ねたところ、以下のような回答をいただいた、
  • フィリピン: 約90%がキリスト教徒で、そのうち約83%がカトリック教徒です。
  • 韓国: 約29%がキリスト教徒で、そのうち約18%がプロテスタント、約11%がカトリック教徒です。
  • シンガポール: 約18.8%がキリスト教徒です。
  • インドネシア: 約9.9%がキリスト教徒で、そのうち約7%がプロテスタント、約2.9%がカトリック教徒です。
  • ベトナム: 約8〜10%がカトリック教徒、約0.5〜2%がプロテスタントです。
このほかインドと中国についても追加で尋ねたところ、
  • インド: キリスト教徒は全人口の約2.3%を占めています2。特に南部のケーララ州やゴア州で信者が多いです。
  • 中国: キリスト教徒は全人口の約2.53%を占めています4。中国ではプロテスタントとカトリックが主な宗派です。
ということであった。こうしてみると、イスラム教の国を別にすれば、日本のキリスト教信者の比率が1%というのはきわめて珍しいように思われる。
 但し、アジアではフィリピンを除けばキリスト教信者の比率は全般に少ない。韓国が比較的多い理由についてCopilotに尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。
韓国でキリスト教信者の比率が高いのは、いくつかの歴史的、社会的要因によります。

1. **宣教師の活動**: 19世紀後半から20世紀初頭にかけて、多くの宣教師が韓国に派遣され、教育や医療といった分野で活動しました。彼らは学校や病院を建設し、地元の人々に感謝されました。この結果、キリスト教は急速に広まりました。
2. **歴史的背景**: 韓国は日本に比べて、特定の宗教に対する強い制約が少なかったです。朝鮮王朝時代においては、仏教と儒教が主要な宗教でしたが、キリスト教を排除する法令がなかったため、比較的自由に伝道が行われました。
3. **政治的要因**: 20世紀の韓国では、日韓併合や韓国戦争の影響で社会が大きく揺れ動きました。このような混乱の中で、多くの人々が精神的支えを求め、キリスト教がその一つの答えとなりました。
4. **現代の社会的要因**: 現在の韓国においても、キリスト教は教育や社会福祉活動に積極的に関与しており、信者の増加に寄与しています。
こういった要因が組み合わさることで、韓国におけるキリスト教信者の割合が日本よりも高くなっているのです。
このほかイスラム教信者が世界一多いとされるインドネシアでキリスト教信者の比率が比較的高いのは地域差によるという。
インドネシアでキリスト教信者の比率が地域差による影響を受けていることは確かです。インドネシアは多民族、多宗教国家であり、各地域によって信仰の構成が異なります。具体的には次のような地域でキリスト教信者が多いです。
  1. マルク諸島: この地域は歴史的にキリスト教宣教師の活動が盛んだったため、多くのキリスト教信者がいます。
  2. パプア州: パプア州もキリスト教宣教師の影響を強く受けており、キリスト教信者の割合が高いです。
  3. 北スマトラ州: バタック族の多くがキリスト教を信仰しているため、この地域でも信者が多いです。
一方で、インドネシア全体としてはイスラム教が主な宗教であり、特にジャワ島やスマトラ島の一部地域ではイスラム教が圧倒的多数を占めています。


 次回に続く。