じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【連載】最近視聴したYouTube動画(21)岡田斗司夫さんの動画をもとに宗教について考察する(20)キリスト教(4)日本でキリスト教が広まらないそのほかの理由 昨日に続いて、宗教について岡田斗司夫さんの動画をネタにした考察。 さて、岡田さんの動画からは外れるが、昨日の日記の終わりのところで、 ●現在に至るまでなぜ日本ではキリスト教が広まらないのか? という話題を取り上げた。ザッと検索したところ、他の方の以下の動画でもこのことが論じられていた。 ●【教養】日本で1%!キリスト教が布教されない日本の意識が高すぎる【ずんだもん歴史解説】 この動画では、戦国時代、キリスト教の布教が始まったころにこんなやりとりがあったのではないかという推測されていた【要約・改変あり】。
以上のやりとりが本当にあったのかは不明だが、日本人にはご先祖様を敬う習慣があり、洗礼を受けなかったご先祖様は皆地獄に墜ちたなどと主張する宗教は到底受け入れがたいものであったことは容易に推察できる。 このほか、上掲の動画では、多神教を信じる日本人は「唯一の神」という概念をうまく理解することができなかった、またその背景としてて、豊かな自然に恵まれた日本では自然と共生するアニミズム信仰が発展しやすかったのに対して、キリスト教発祥の地は厳しすぎる自然環境にあったため日本と同じように自然と共生する、崇拝するという考えにはなりづらく、むしろ自然は乗り越えるべき障害であると考えられるようになりそこから一神教の考えが発展したとも説明された。 このほかにも、キリスト教信者がなぜ1%前後にとどまっているのかを論じている動画があった。但し、一部からカルトとして批判されている団体が配信する動画も含まれており、私自身はそのような団体とはかかわりを持ちたくないので【3月6日の日記参照】、ここでは、論点だけを要約させていただくにとどめる。それによれば、キリスト教が日本で広まらなかった理由としては以下の3つが挙げられるが、いずれも反例がある。
ということでこの動画では、キリスト教が広まらなかった真の原因は、東洋の宗教のほうが西洋の宗教以上に西洋の合理的な思想によく馴染むというフロムの考えに基づいた説明をしていた。 このほかショート動画などでは、
なお仏教は多神教だとされているが、2016年4月12日の日記に言及したように、 日本の仏教の中で浄土真宗と日蓮宗は祖師信仰が強く、井上章一氏によれば、浄土真宗(東)は近代化の中で意図的にキリスト教に似せてきた可能性がある。また、浄土真宗と日蓮宗は他の宗派に比べると非妥協的で排他的と言われるが、このこともキリスト教と似ている。さらに、日蓮宗は江戸の初期からキリスト教に似ていた。大村藩がキリスト教弾圧により改宗した時も日蓮宗となった。というように仏教のすべての宗派をひっくるめて「多神教」とするのは問題がありそうだ。 次回に続く。 |