じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 半田山植物園の梅の花びらの絨毯。寒紅梅はすでに散り果て、シダレウメは一部の遅咲き種を除いて落花さかんとなっている。

 四季の花すべてについて当てはまることだが、加齢に伴い最近は、「来年もまた見たい」に替わって「今年で見納めかもしれないなあ」という気持ちが強くなってきた。特に半田山植物園は山の中腹にあるため、足腰が弱まると自力では移動できなくなってしまう。ま、逆に言えば、毎日植物園内を歩くことで足腰が鍛えられているとも言えるが。

2025年03月18日(火)





【連載】チコちゃんに叱られる! 「水を買う理由」

 昨日に続いて、3月14日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。 本日は、
  1. 寝ているといえば「鼻ちょうちん」なのはなぜ?
  2. 水を買うようになったのはなぜ?
  3. 流行色ってなに?
という3つの話題のうち、2.について考察する。

 ちなみに、ここでいう「水を買う」は、スーパーやコンビニなどでペットボトル等に入ったミネラルウォーターを買うという意味であり、タンクに入った水を定期的に配達してもらうような購入は含まれていないようであった。

 放送では「ウイスキーの水割りがはやったから」が正解であると説明された。但し、放送では、これ以外にも2つの理由が追加されていた。
 渡邊健介さん(日本ミネラルウォーター協会)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
  1. サントリー食品インターナショナルの調査によれば、「ミネラルウォーターを買うのは普通のことですか?」という質問に「はい」と答えた比率は69.4%となっている。
  2. 海外では水道施設の遅れから17世紀頃には水を買って飲んでいた。
  3. 日本ではミネラルウォーターが普及したポイントが2つある【←実際には3つ紹介されていた】。
    • 1970年代:飲食業界でウィスキーの水割りとして使われるようになった。
      • ウイスキーが日本に入ってきたといわれているのが江戸時代末期。しかし、約100年後の1970年頃まであまり売れなかった。当時の日本には欧米のようにパブやバーが少なかったこと、和食に合わないイメージがあったことが理由に挙げられる。
      • 海外ではウイスキーはストレートが一般的だがアルコールに弱い体質の人が多い日本人には不向きだった。そこで、ウイスキーメーカーは水割りを考案。和食に水割りが合うというキャンペーンを展開した。
      • しかし、当時の水道水には独特の塩素臭さ(カルキ臭)があり、それで水割りを作るとかえってまずくなってしまった。
      • そこで、水割りをもっと美味しく飲めるようにと水割り用のミネラルウォーターを一緒に販売。この作戦で圧倒的に美味しくなったウイスキーの水割りは大ヒット。多くの人にミネラルウォーターの美味しさが広まった。
      • 1970年代にはスナックが人気になりウイスキーの売り上げは10倍以上となった。これによりミネラルウォーターの消費が増えた。
    • 1983年:ハウス食品が、日本初の家庭用ミネラルウォーター『六甲のおいしい水』を販売。
      • まだ水を買う習慣のなかった1983年、カレーメーカーが水の販売に挑戦。
      • カレーの売り場の横にミネラルウォーター(1000ml入り紙パック)を置くことで売り上げを伸ばした。
    • 小型ペットボトルの登場
      • 1996年に500mlの小型ペットボトルが登場。気軽に買いやすくなり消費が伸びた。
  4. こうして、ミネラルウォーターの1人あたりの年間消費量は、1996年の約5リットルから2023年の約40リットルというように27年間で8倍以上に上昇し、水を買うことは普通のことになってきた。


 ここからは私の感想・考察を述べさせていただくが、ウイスキーの水割りが人気となった1970年代と言えば、私にとってはちょうど学部・大学院生時代(1971〜1980)であった。もっとも私自身は体質的にお酒が合わず、教室のコンパなどに参加させられた時以外は全くお酒を飲むことが無かったため、水割りが流行ったとか言われてもピント来なかった。但し、深夜に見ていた11PMとか、大原麗子出演のCMなどで、サントリーのウイスキーのCMが頻繁に流されていたことは記憶に残っている。といって、これに影響されてウイスキーを飲みたくなったことはタダの一度も無い【←そもそも私がウイスキーを口にしたのはこれまでの生涯の累計で5回未満ぐらいではないかと思う】。

 いずれにせよ、放送では「水を買うようになったのはウイスキーの水割りがはやったから」という説明は、ウイスキー業界に偏重しすぎているように思う。じっさい、ウイスキーの水割りに使われるミネラルウォーターは必ずしも国産ではないし、『ハイボール』のように炭酸水が使われている場合もあるように思う【←お酒のことは殆ど分からないが】。

 ということでCopilotに「日本でミネラルウォーターの消費が伸びたのはなぜでしょうか?」と尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。
日本でミネラルウォーターの消費が伸びた背景には、いくつかの要因があります。
  • 健康志向の高まり: 健康や美容への関心が高まり、より安全で品質が保証された水を求める人が増えました。ミネラルウォーターは純粋さと健康効果が強調され、人気を集めています。
  • 災害時の備蓄需要: 日本は地震や台風などの自然災害が多いため、非常時の飲料水として家庭に備蓄されることが一般的です。これにより、購入量が増加しています。
  • 外出時の利便性: 生活の忙しさから、コンビニエンスストアなどで気軽に購入できるミネラルウォーターが外出時の定番アイテムとなりました。
  • 環境意識の変化: 最近では、プラスチックボトルのリサイクルや環境に配慮した商品が選ばれるようになり、それがミネラルウォーター市場の需要にも影響を与えています。
  • 飲料の多様化: お茶や炭酸水に飽きた消費者が、日常の選択肢として味のないミネラルウォーターに注目する傾向があります。

これらの要因が組み合わさり、日本におけるミネラルウォーターの消費は拡大しています。興味深いですよね!どう思われますか?
 私も、上掲のCopilotの回答内容のほうが、今回の放送の「ウイスキー&カレー」説よりも遙かに説得力があるように思う。

 ここでもう一度私なりに考えてみるが、今回の放送では、各種ペットボトル飲料のうちミネラルウォーターだけに限定して普及の原因を探っていた。しかし、例えばペットボトル緑茶やブレンド茶も同程度に増えているとするならば、まずは、

●ペットボトル飲料の消費は種類にかかわらず増えているのか、それともミネラルウォーター、お茶、炭酸水などの種類によって異なる傾向を示しているのか?

から原因を探るべきであろう。もし「種類にかかわらず増えている」のであれば、単に「ペットボトルの利便性が増加原因ある」と説明すればそれで済むことだ。

 もちろん、放送の冒頭で提起された、

●日本の水道水は安全で美味しいはずなのに、なぜお金を出してミネラルウォーターを購入するのか?

については別途分析する必要があるとは思うが。

 次回に続く。