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じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 11月6日頃から、楽天版じぶん更新日記の閲覧が困難になっている【11月9日朝確認】。アクセスしようとしてもしばらく待たされたあと、画像左のようなエラーメッセージが表示される【ブラウザによってメッセージが異なること、ChromeとBraveは同じメッセージになるところが興味深い】。

 この現象は当事者もすでに把握しており、11月7日付けでこちらに以下のようなメッセージが書き込まれていた。
2025.11.07
【重要なお知らせ】楽天ブログのアクセス遅延に関して
いつも楽天ブログをご利用いただき、誠にありがとうございます。

一部の環境におきまして、11月6日頃より断続的に楽天ブログへのアクセスや表示の遅延など、不安定な状態が続いております。

恐れ入りますが、しばらく時間をおいて再度お試しいただくか、復旧までお待ちくださいますようお願い申し上げます。

引き続き調査・対応を進めておりますので、ご迷惑をおかけし大変申し訳ございませんが、何卒ご理解ご協力のほどお願い申し上げます。

 もっとも私の環境の場合、絶対に繋がらないというわけでもない。またこの障害は一部に限られているようだ。【うまく繋がったタイミングで】日々のアクセス数を表示させてみたところ右の画像のようになった【11月9日朝の時点】。11月3日から6日までのアクセス数は1000~1500の間で推移していたのに比べると、11月7日以降は500~1000となっていて明らかに減少しているものの、11月8日には813ものアクセスをいただいており、うまく繋がる環境からの閲覧が相当数あることが分かる。

 いずれにせよ、早く復旧されることを願う。

2025年11月9日(日)





【小さな話題】3か月でマスターする古代文明(2)モヘンジョダロの謎(1)

 昨日の続き。昨日も記したように、モヘンジョダロは
  1. 文字は解読されていない。
  2. 歴史上、突然現れ、突然消えた。
  3. 王、宗教、武器も、大きな富を蓄積した痕跡も見つかっていない。
といった点で謎に包まれている。放送ではこうした謎に挑んでいる小茄子川歩さん(こなすかわ あゆむ。京都大学大学院特任準教授)が登場。ご本人から直接、大胆な仮説が披露された。

 小茄子川さんはまず、2021年の時点でインダス文明発掘は100周年を迎えたが、100年掘っても王様の痕跡が見つかっていないと指摘した。沐浴場【昨日掲載の写真下参照】も、王室専用の露天風呂であるかのような想像を膨らませられる遺構ではあるが、王の存在と結びつくような証拠は得られていないという。

 番組解説者の関雄二さん(国立民族学博物館館長)はこのことについて、同時代、南メソポタミアでは権力者がいて、都市も整備され官僚機構があったことから、同じような都市であったモヘンジョダロにおいても、当然、王様、権力者、リーダーなどがいたであろうと初期の考古学者が考えてもおかしくはないと指摘された。

 モヘンジョダロで武具が出土していないことに関して小茄子川さんは、銅製のナイフは見つかっているが非常に薄っぺらで殺傷能力はないと説明された。またインダス文字は平均して2~5文字、最大でも17文字、最短で1文字、となっておりおそらく文章ではない、解読できたとしても大したことは書かれていないのではないか【と予感している】と指摘された。
 小茄子川さんによれば、インダスでこのような不思議な都市ができた背景には「タイミング」があるという。当時インダスからおよそ2500km離れたところには南メソポタミアがあった。インダスに突然都市ができたのは紀元前2600年、その頃南メソポタミアでは『ウル』や『ウルク』など複数の都市国家が発展【初期王朝時代】、王が支配する都市が派遣を争う時代だった。都市同士は戦争を繰り返し、勝った都市が広い領域を支配していくようになった。

 小茄子川さんによれば、紀元前3500年頃から紀元前2000年頃のメソポタミアは、都市が都市国家、さらに領域国家へと発展。資源が乏しいことが都市間の戦争の一因になっていた。いっぽう紀元前2500年前後のインダスは、豊かな平原の中で各地域社会で安定した暮らしを送っていた。当時のインダスは麦やマメや雑穀などの豊かな実りや鉱物資源に恵まれており、大規模な灌漑は必要なく、人々は小さな集落単位で多様な文化を育んでいた。

 紀元前2600年頃のインダスと南メソポタミアの間には接触があり、双方の地からそれを証拠づける出土品が見つかっているが交易関係は続かなかった。2500kmも離れていたことが幸いして、インダスの人々は、メソポタミアのような王を頂点とする国家ではなく、自分たちの地域社会を守るための都市を築くことができた。

 王や権力者が居ない社会であっても、一部の人や都市に富が蓄積すれば必ず格差が生まれるはずだ。そうなると必ず階層が生まれる。しかし放送では、インダスの以下のような特徴が富の蓄積を起こりにくくしていたと説明された【要約・改変あり】。。
  1. 発掘で見つかったのは、文字の刻まれた印章、おもり、ビーズの3点セット。
  2. 特に貴重だったのは『紅玉髄(カーネリアン)』と呼ばれる赤い石、
  3. 紅玉髄製のビーズ、おもり、印章が出土したのは、モヘンジョダロ、ハラッパー、カ-リーバンガン、ドーラ-ビーラーの4都市と、都市に関連する集落約50か所のみ。地域社会の小さな集落約1000か所からはほぼ出土していない。
  4. ビーズは1か所だけからではなく、各都市からまんべんなく出土している。
  5. 以上からビーズは各都市の特産物【モヘンジョダロ(石材のチャート)、ハラッパー(鉱物)、カ-リーバンガン(木材)、ドーラ-ビーラー(紅玉髄の原石)】などと交換されながら都市のネットワークのみを行き来したため、富の集中が起きないような仕組みになっていた。


 不定期ながら次回に続く。