じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] サルスベリの実。北海道の原野のように見えるが、これも岡大構内。



1月27日(土)

【思ったこと】
_10127(土)[心理]現代の食生活。

 1/22の日記の続き。私自身が講師をつとめることになっている、自治体主催の生涯学習大学の講座の第5回目は、「現代の食生活」に関する話題であった。

 いきなり本題から外れるが、食生活に限らず、「現代」を知る学問というのは頭に入りにくいものだ。というか、「頭から抜けきれないために入りにくい」という側面がある。例えば地理や経済に関する知識の場合、受験の時にいろいろな暗記項目を必死に丸覚えしてしまうと、その記憶がいつまでも残ってしまって新しい変化がつかみきれなくなってしまうのである。一例を挙げれば世界の貿易の内訳とか工業、農業などの品目別のランキングなど。果たしてああいう変動対象を暗記させることに教育上の価値があるのかどうかははなはだ疑問。逆に固定観念を作ってしまう恐れがあるのではないかと思う。

 現代の食生活についても同じことが言えそうだ。例えば1/17の日記で取り上げた「アルカリ性食品」の迷信などがそれだ。今でも「血液を弱アルカリ性に保つためにアルカリ性食品をたくさん食べよう」という固定観念にとらわれている人は多いのではないかと思う。

 講座では、こうした時代の変動が年代別のキーワードとして紹介された。その一部を引用すると
  • 昭和20年代:ヤミ市、学校給食
  • 昭和30年代:高度経済成長、インスタントラーメン、ウインナーソーセージ、粉末スープ
  • 昭和40年代:添加物への不安、マクドナルド上陸、「お母さん休め」
  • 昭和50年代:経済低成長、外食費の伸び、デリカ食品(しゃれたお総菜など)
  • 昭和60年代:健康食品、スポーツ食品、食生活多様化
  • 平成時代:宅配、弁当産業、中食、肥満、体脂肪率、グルメ番組
ちなみに、昭和40年代の所に挙げた「お母さん休め」というのは「オムレツ、カレーライス、アイスクリーム、サンドイッチ、焼きそば、スパゲティ、目玉焼き」の頭文字をとったもので、子どもが好きで簡単に料理できるメニューのことを言うらしい。

 戦後の食生活が大きく変化した一因には、労働環境、家族構成、少子高齢化などのほかに、食料の輸入、冷蔵庫の大型化、保温機能のついた炊飯器などの外部要因を挙げることもできる。

 このような激しい変化によって、日本では世代間で食べ物の好みに大きな差ができてしまった。講座で紹介されたNHKの調査結果によれば、日本人の好きな食べ物Top3を世代別にかかげると
  • 20代:ハンバーガー、アイスクリーム、スパゲティ
  • 30〜50代:焼き肉、てんぷら、野菜炒め
  • 60代〜:野菜の煮物、すし、刺身
というように著しいジェネレーションギャップが見られる。これに対して、アメリカ人の場合は、世代にかかわらずステーキがトップを占め、他にどの世代でもハンバーガーが2位または3位に含まれていたという。

 それでは、現代の食生活では何が問題になっているのだろうか。あくまで私自身の受け止めであるが、
  • 栄養面ではほぼ適正。しいてあげれば、高校生から40代まででカルシウムが不足。女性では40代以下で鉄分が不足。
  • 家族の食事内容がバラバラ。
  • 若い世代ほど肥満指標BMIの上昇勾配が大きい。
  • 男性では体重コントロールの心がけが少ない。
  • 女性では太めを過剰に評価し、15〜29歳では「健康のため」ではなく「きれいで(かっこよく)ありたいから」を理由に体重コントロールする傾向がある。


 平成12年3月に提言された「健康日本21」では、これまでの「○○を食べましょう」といった食生活指針に加えて、「1日30分は歩こう」、「1日30分、自分の時間をみつけよう」といった運動指針、休養指針も打ち出されているという。がまんをする世代から本音優先の世代が増えるなかで、「あるべきだ」という道徳論では改善は難しい。外食や加工品も取り入れるなかで無理なく改善をはかっていこうというのが今回の結論であった。
【ちょっと思ったこと】

フリーダイヤル

 最近「マイライン」の広告がやたら目につくが、1/27の広告の中で「フリーダイヤルは登録商標です」との記述があった。あんなものが登録商標になっているとは知らなかった。そういえば英語では「a toll-free call」とは言っても「free-dial」とは言わなかったように思う。



電源コンセントからネットに接続?

 昨日の夕刻のラジオ放送の中で、家庭用電源コンセントからネットに接続できるなんていう話を聞いたが、これって本当だろうか。

 そもそも私には、(インター)ネット上での情報伝達と識別の仕組みがさっぱり分からない。電話回線のような交換機がないこと、国際電話回線とインターネットの通信経路が異なるところからみて、膨大な量の情報をある種の電気的状態に対応させて通信しているのではないかと勝手に考えているのだが、よく分からない。

 どなたか解説サイトをご案内いただければ幸いです。