じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真]  昨日に続き、研究室の洋蘭の花。今回はミニカトレア。この株も3年以上育てている。


1月20日(木)

【ちょっと思ったこと】

ラーメン王選手権

 久しぶりにTVチャンピオンを視た。この日のテーマはラーメン王選手権(次週以降はこちらにurl変更の見込み)。ラーメン王と言えば、かつては東大・大学院助教授がチャンピオンになったこともあり(2001年1月25日の日記参照)、出演者のユニークな顔ぶれが魅力の1つにもなっている。今回の場合は、現チャンピオン小林に対して、膨張リベンジャーの青木がチャレンジという設定で結構盛り上がっていた。

 クイズのなかで面白かったのは、ラーメンを食べる支出が一番多い都市はどこか?という問題の正解が山形市であったこと(たぶん、1世帯当たり年間の品目別支出金額のデータに依る)。最下位が高松市であることは讃岐うどんとの競合から推測つくが、なぜ山形市がトップとなったのかは謎である。

 番組ではこのほか、一人前の量、具の種類、麺の太さ、麺の長さ、チャーシューの重さなどそれぞれのジャンルの最強のラーメン屋を探す勝負が面白かった。もっとも、具が山盛りのラーメンなどは話題性があってもあまり美味しそうには見えない。ラーメンはやはり第一にスープの味、第二に麺、この2点以外の部分で特色を出そうとするのは邪道ではないかという気もする。

 ちなみに私自身は、1月に入ってからは一度しかラーメン屋に行っていない。年末年始のチベット旅行で一日3食中華料理ばかり食べていて脂っこい料理に飽きてしまい、外食する時は、和定食、うどん、そば、回転寿司といったさっぱりしたものばかりを選んでいる。

【思ったこと】
_50120(木)[教育]「学力低下」と総合的学習削減意向

 各種報道によれば、中山文部科学相は18日、学力低下問題で国語、算数(数学)、理科、社会の4教科の授業時間を増やすため、総合的学習の時間削減を含めた教育課程の見直しが必要だとの考えを示した。

 「学力低下」問題と総合学習についてはこれまでにもいろんな意見が出されており、私自身もWeb日記でいろいろ書いてきたところであるが、より根本的には
  1. 低下してはならないとされる基礎学力とは、そもそも何か
  2. 総合的学習は、ちゃんと指導されてきたのか。
  3. 授業時間数さえ増やせば「学力低下」は防げるのか
といった点から、客観的根拠に基づいて議論を重ねていく必要があると思っている。

 基礎学力については、例えば2001年9月15日の日記で触れたように、大人になってすっかり忘れてしまうようなことまで義務教育として教える必要があるのか、という問題がある。

 先日の「平成教育2005予備校」で、「雪」の天気記号を書きなさいという問題が出たが、出演者は誰も正解できなかった。確かに、最近の気象ニュース画面では、雪の予報には雪だるまが使われることが多く、天気図記号は必ずしも使われていない。地理で覚えさせられた地図記号(警察署とか、桑畑とか、裁判所など)も、日常生活で使われる地図で使用されることは殆ど無く、実用的価値があるとは思えない。歴史上のいろんな年号や難しい固有名詞なども果たして覚える必要があるかどうか疑問。必要に応じて検索で取り出せればそれでよいのではないだろうか。

 それぞれの教科の先生方に「学力が低下しているかどうか」を訊けば、低下していると答えるに決まっている。どの教科の先生方も、自分の担当する教科は子どもたちにとって大切であり、少しでも多くの時間を割いて教えたいと願っているからである。しかし、予算獲得競争みたいに、これも必要あれも必要と増やしていったら、全部を学ばなければならない子どもたちの負担は相当なものになる。

 2.の総合的学習については、成功例をもっと評価し、広めてもいいように思う。失敗事例は多々あるだろうが、マイナス面ばかりを誇大にとりあげて削減に結びつけるのはどうかなあ、とも思う。

 3.に関しては、いくら授業時間数を増やしても、努力の量と質に応じて結果が伴うような仕組みが整っていなければ、意欲は決して出てこない。この場合の結果は、第一義的には学ぶ喜びでなければならないが、低学年であればあるほど、土台形成に必要なスキルの獲得も必要となってくる。スキルの獲得の初期段階では、必ずしも「学ぶ喜び」には至らない。ピアノの練習に例えれば、ピアノが上達した時には「弾く喜び」が伴うが、ドレミファがやっと弾ける程度では、行動内在的な喜びがなかなか出てこないのと同様である。こういう場合には、行動を強化するために人為的に結果を付加してやる必要がある。そこにはある程度の競争も必要であろうし、公文のドリルみたいに、習得レベルを細かく分けて、個々の段階で達成感が伴うような工夫も必要である。

 そう言えば、こちらに、平成17年度センター試験の平均値等(中間集計)が公開されていた。平均点が6割前後というのは、差をつける道具としては最適であろうが、いまの高校生はこのレベルの問題を6割程度しか解けないことの証拠であると見なすこともできる。「6割でよし」と満足する人もいるだろうが、自分から達成感を得られる受験生が何割いるか、少々気になるところでもある。