じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 12月13日早朝の東の空。月齢27の月がはっきりと見えた。

 なお、13日14時に極大となる、ふたご座流星群であるが、13日早朝の散歩時には目撃できなかった。これまでのところ、12日22時頃に一等星並の明るい流星を1個確認したのみである。


12月13日(日)

【ちょっと思ったこと】

授業中のトラブル3件に関わる思い込み

 土日は、某大学で2コマずつ講義を担当した。その際、思い込みがもとでトラブル解消に手間取った事例が3件あった。
  • 13日の授業開始時、事務のほうで用意してくださったノートパソコンにUSBメモリを差し込みプロジェクターに投影しようとしたが、そもそもパソコン画面がスクリーンに全く映らない。前日はファンクションキーのところにある画面切り替えキーを押すだけで投影できたのにおかしいなあと思ったが、悪戦苦闘したあげく、よく見たら、なんとアナログディスプレイケーブルがつながっていなかった。無線LANやブルートゥース対応機器ならばともかく、ここにあるような設備ではケーブルが無ければ映りようがありませんなあ。これは要するに、「事務が用意してくれたんだから、ケーブルは当然つながっているであろう」という思い込みによるものであった。
  • 授業を開始してしばらく経ってからインターネットに繋ごうとしたがこれもまたうまくいかない。前日はあっさりつながったのに変だなあと思いつつ、ネットワーク接続の設定状況などをチェックしたが結局2限目になるまで繋ぐことができなかった。原因は、事務の方が、昨日とは別のLANケーブルを使用していたためであり、そのケーブルの断線によるものであった。外見上ケーブルがつながっているからといって、線やコネクタ部分が生きているという保証はない。このあたりの思い込みについて改善が必要。
  • 授業を進めているうち、部屋の中がしだいに暑くなってきた。エアコンのコントロールパネルを見たところ、暖房設定は18度なのに24度まで上がっていることが分かった。そこでエアコンのスイッチを切ってみたがいっこうに涼しくならない。おかしいなあ、別のエアコンから暖気が出ているのだろうか、などと思いつつ、休み時間に問い合わせてみたところ、部屋が暑くなったのは単に、室内に人が多く、窓の外から日の光が当たっているためであり、窓を開けてくださいと言われた。そうか、温度を下げるための一番の即効的方法は、窓を開けることだったのだ。温度の変化を機械のせいだけにしていたという思い込みを反省。




【思ったこと】
_91213(日)[心理]パーソナリティーの時間的変容を捉える試み−対話性と自己からの検討−(9)

 12月11日の日記の続き。

 「人称性の混乱」に関してS氏ご自身が主張されたのは以下の3点であった(スライド画面からのメモ)。
  1. 三人称的尺度を繰り返し行うことが、時間とともにある人生の研究をすることではない。
  2. 特に、継時的研究における人生の安定と性格の安定との交絡
  3. 主観−客観の二分法ではなく、人称性による違いの理解を
 尺度自体は大勢の人の相対比較の中で構成されることは確かだが、だからといって、尺度は常に三人称的性格だけを測るものであるのか、この点については若干疑問が残る。例えば、学力テストというのはそれぞれの学年の標準的な学力を基準にして問題作成をされるが、個人の学力向上をチェックするために利用することもできる(←こういう例が妥当かどうかは心もとないけれど)。

 「人生の安定と性格の安定との交絡」という意味については、残念ながら聞き逃してしまった。

 さて、とにもかくにも、「時間とともにある人生の研究」の大切さはよく分かる。しかし、具体的にどういう方法をとれば、心理学としての研究ができるのだろうか。

 多くの場合、「時間とともにある人生の研究」は、面接法によって行われるようであるが、面接で聞き出せる過去の出来事はしばしばあやふやであって、しかも、出来事の一部だけに限られる。「対象者がどういう物語をつくろうとしているのか」という問題意識であればそれでもよいのだろうが、本人が忘れてしまったり、気づかなかったような環境要因の影響を過去にさかのぼって再現することは殆ど不可能であろう。

 このWeb日記みたいに、本人が長年にわたって書き綴った記録があれば、日々の考察や関心事象、語彙の変化などをとらえることで何かしら「時間とともにある人生の研究」はできるかもしれない。もっとも、私のような人生は、じっくりと分析したところで、人様のお役にたてるような情報は何も出てこないだろう。となると、対象者は、誰でもよいというわけにはいくまい。今回のF氏の話題提供などもまさに、対象者選びという点でオリジナリティがあった。

 不定期ながら次回に続く。