じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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水たまりのオタマジャクシ、カエルになる。 一般教育棟構内の南東端の水たまりに居たオタマジャクシに足が生えて、水辺をピョンピョン跳ねるようになった。この水たまりについては、6月27日と7月1日の日記で取り上げたところであり、6月下旬の猛暑日連続で干上がる危機に見舞われていたが、これで何とか、水たまりが消えても生息できる見通しとなった。但し、この水たまりには、かなり後から生まれた小型のオタマジャクシも生息しており、こちらがカエルになれるかどうかは微妙である。 なお、このあたりには、ハルシャギクやクマツヅラが群生していたが、7月11日に殆ど刈り取られた。もっとも地上部が刈り取られただけなので、再びお花畑が出現する可能性が高い。 |
【思ったこと】 _b0712(月)川口淳一郎 高い塔から水平線を見渡せ!(1) 今年の6月に放送された、 NHK 仕事学のすすめ! 川口淳一郎 高い塔から水平線を見渡せ! の概略を教養教育科目の授業で紹介するため、ダビングしたDVDを視ながらまとめのファイルを作った。この放送は
まず、この放送のタイトル「高い塔から水平線を見渡せ!」の意味であるが、私がDVDを再生した限りでは、放送の中ではこのことの意味を説明している箇所は無かったように思う。ネットで検索したところ、どうやら川口さんの関連書の中では「どんなに足下を固めても、高いところに上らなければ水平線は見えて来ない」という趣旨であったようだ。第1回の中でも、目標は高く、しかも具体的でなければならないとの指摘があった。 さて私自身は、「はやぶさ」というのは、小惑星に到達してサンプルを地球に持ち帰ることが目的であると思っていた。しかし、第1回目のお話の中で初めて知ったのだが、本来のプロジェクトの目的は、科学観測目的ではなくて、技術立証のパッケージという点にあった。月でも火星でも小惑星でもそうだが、それまでの科学探査というのは、その場所に到達し、観測し、その情報を正確に入手してこそ意味がある。この場合、技術者は裏方に回り、研究者が成果を利用するのを手助けするという役割を果たすことになる。もちろんそれでも、技術は磨かれることになるが、目的が成果の利用である限り、その手段としての技術ではどうしても、確実性と効率性が重視されることになる。それゆえ、できるだけ、いま存在しているものを利用することになり、技術は必ずしも進歩しない。技術立証目的であれば、仮に、探査機が途中で行方不明になっても、それまでの段階で行使された技術は十分に検証できる。 このプロジェクトでは、「何が欠けているのかで評価するのではなく、何がプラスかで評価。」という加点法が導入された。具体的には、電気推進エンジン1000時間稼働で100点、サンプルリターンなら500点(←川口さん自身は、サンプルリターン達成は無限大の評価にしたかったらしい)。これは、研究費の採否を決定する審査者を説得する上でも大いに功を奏した。「はやぶさ」のような、ハイリスク・ハイリターンを狙ったプロジェクトでは、確かに、減点法評価では欠点ばかりが目立って採択されにくい面がある。行動分析学で言うところの「好子出現の随伴性」で推進していくという姿勢は大いに有効であろう。 私が若干疑問に思ったのは、もし、純粋に技術立証だけが目的であるなら、各種の技術は、AND結合ではなくて、個別かつ独立的に実施したほうがよいのではないかという点である。仮に、A、B、C、D、Eという5つの技術を立証する場合、 A→B→C→D→E というような連鎖にしてしまうと、どこかで重大な失敗が起こった場合、そののちの立証ができなくなってしまうからだ。例えば、軌道制御の段階で失敗してしまうと、小惑星への着陸やサンプル採取、そして、大気圏突入の際の耐熱テストなどの技術立証はすべて実施不可能になってしまうはずであった。 もっとも、個々バラバラの技術立証だけでは、あまりにも地味すぎて予算はもらえない。やはり、素朴には達成困難とも思えるような夢を語り、その動機づけのもとで優秀な技術者を各領域から募り、困難に直面した時に知恵を出し合うという機会を獲得するためには、「高い塔」にのぼろうとする努力が必要なのであろうと思った。 次回に続く。 |