じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 岡山県総合グラウンド内からの「京山皆既日食現象」観望の好期始まる。

 日の入りの方位が北に移動し、京山ロープウェー遊園の旧展望台と夕日が重なる現象が近くの総合グラウンド内でも見られるようになった。

 写真の上の2枚は1月13日に撮影したもの。この位置では、太陽より旧展望塔のほうが大きいため、「皆既日食現象」となる。写真の下の2枚は別の場所で撮影したものであり、太陽のほうが大きいため、「金環日食現象」となる。

 これらの現象は、一年中、夕日の方位と展望塔を結ぶ東方向の直線上のどこかの地点で眺めることができるが、岡大構内の建物から眺められるのは、おおむね、冬至の5日前と5日後、総合グラウンド内から見られるのは、敷地内の北端で冬至の20日前と20日後頃、敷地内の南端で40日前と40日後となっている。よって、2013年の場合(冬至後の場合)は、1月12日頃から2月1日頃までのあいだ、総合グラウンド内の西側が開けた場所でこの光景を眺めることができるはず。

 過去の主な記録が以下にあり。


2013年01月12日(土)

【思ったこと】
130112(土)質的研究・文化心理学の交差点:ヤーン・ヴァルシナー教授を迎えて(8)サトウタツヤ氏の話題提供(4)

 1月11日の日記の続き。

 話題提供では続いて、今回のメインテーマとも言える、三層モデルについての説明があった。但し、時間が非常に限られていたため、ところどころ省略があり、始めて聴きに来られた方には、何が語られているのかは理解し難かったのではないかと思われた。

 その要点としては、まず、内化/外化としての三層モデルがある。これについては質的心理学会第9回大会のメモとほぼ同じ内容であったのでここでは省略する。なおここで重要なことは、三層モデルが、単にレベルが高いか低いかということだけでなく、
  • レベル1:素材を集める・確定する(テクスト化する)技法(技術=テクニック)
  • レベル2:テクストをコンテクストに置き直して解釈し表現する技法(方法論=メソドロジー)
  • レベル3:学術論文としての表現技法(理論的立場=アプローチ)
というように研究の段階にも対応していること、またアプローチの問題については、ある技法を使うことで現象と対峙する姿勢そのものが重要であると強調された。

 要するに、TEMで言われている分岐点(BFP)というのは、単なる複数の選択肢や進路の存在を確定するものではなく、発生の三層モデルの中での葛藤状態のようなものに対応している。同じく、等至点(EFP)なるものも、見かけ上の等至ではなく、歴史的構造化サンプリングに対応するものでなければならないというような内容であった。

 このほか、今回の話題提供では、変化ばかりでなく、持続している状態にももっと目を向けるべきだというようなことが論じられた。もっとも、行動の継続・維持というのは、行動分析学では当たり前の考え方であって、今さら何で?という気がしないでもなかった。行動分析学の「強化」、「弱化」というと、行動が増えたり減ったりする現象を思い浮かべがちであるが、「強化」というのは行動が増える現象ばかりでなく、当該の行動が高頻度で起こり続けている原因として捉えるところに真の意味がある。「弱化」も同様であり、行動が少なくなる現象ばかりでなく、当該行動が低頻度となったり全く起こらない状態が続くことを分析する概念である点に留意する必要がある。

 次回に続く。