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毎年この時期になると、文学部中庭のメタセコイアが落葉し、中庭のコンクリート敷材の上に、島の形のような面白い模様ができる。昨年の模様はエーゲ海の島々のように見えたが、今年はこれまでのところ、クロアチア本土とチオヴォ島から構成されるトロギル周辺の地形に似ている。 |
【連載】 関係反応と関係フレームをどう説明するか(4)文脈とは何か?(2)関係的文脈と機能的文脈 昨日の続き。 「文脈とは何か?」という話題はこのWeb日記で何度か取り上げたことがあった。【昨年の同時期(2017年12月20日及びそれ以降)や、定年退職直前(2018年3月19日及びそれ以降)など。】 このように繰り返し考察はしているのだが、納得のいく解答がなかなか見出せない。その理由はおそらく、私自身が機能的文脈主義者には至っておらず「文脈」の扱い方に疑問を持ち続けていることにあるのではないかと思っている。 もっとも、臨床場面で活動している人は、必ずしも機能的文脈主義者に徹する必要はない。但し、関係的文脈(relational contexts)と機能的文脈(functional contexts)についてはちゃんと区別する必要があるように思う。このことについてはACTの専門書で詳しく解説されている。日本語の本で比較的分かりやすいと思ったのは、以下の書籍の121〜122頁のあたりの説明である。 バッハ・モラン(著)武藤崇・吉岡昌子・石川健介・熊野宏昭(監訳)(2009). ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)を実践する. 星和書店.【Bach, P.A., & Moran, D. J. (2008). ACT in practice Case conceptualization in Acceptance & Commitment Therapy. Oakland, CA: New Harbinger Publicarions.】 その説明部分を一部引用させていただくと【省略、改変あり】、まず「関係的文脈」とは、
もう1つ、トールネケ(2013)の121頁の説明も引用させていただく【省略、改編あり】
上掲の「Crel」や「Cfunc」をちゃんと理解するためには、パープルブックと呼ばれる(らしい)Hayes, Barnes-Holmes, Roche (2001)の教科書から読まなければならないのだが、この本はきわめて重要であるにもかかわらず翻訳は出版されておらず、臨床の実践家に英語原書を読んでくださいというのは気の毒であるように思う。また私の授業のように2時間×8週の中では、説明の時間を確保するのは困難。 不定期ながら次回に続く。 |