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時計台前の紅白の梅が見頃となっている。過去記録は以下の通り。 |
【連載】 関係反応と関係フレームをどう説明するか(37)「関係フレーム」とは何か?(25) いろいろな関係フレーム(20)Comparison(5)円環型の比較 昨日の続き。 推移性が逆方向もしくは不確定となる比較として、円環型(周回型、循環型、...)の関係がある。具体的には、
例えば、「4月募集または6月募集」とあれば普通は4月募集のほうが先に行われると判断する。しかし、「4月募集または2月募集」となっていた場合は、同じ年の2月と4月に募集があるのか、同じ年度の4月と2月(←翌年の2月)に募集があるのかは判断できない。よって、2月、4月、6月がどういう順になっているのかも分からなくなる。 週3回(火、木、土)のイベントがあったとすると、「火曜日は木曜日より早い」、「木曜日は土曜日より早い」と言えるが、「火曜日は土曜日より早い」かどうかは、同じ週の中で比較されているのか(同じ週では、「火曜日は土曜日より早い」と言える)、次の週までまたがって比較されているのか(この場合は、土曜日のほうが翌週の火曜日よりも早い)と言える。 同じことは、時計で10時と2時のどちらが早いか、トラックで前を走っている人のほうが順位が上なのか、それとも周回遅れの選手なのか、などについても言える。 通常これらは、「同じ週の曜日では」とか、「同じ日の時刻では」というように特定の文脈刺激が与えられたもとで比較されるので混乱は生じないが、関係反応がどういう経験に基づいて派生されていくのか、という発達研究としては興味深いところがある。 いちばん最初に挙げた「四季の変化」の例の場合などは、「今年の春と秋」というような文脈指定だけでなく、視点取得、つまり、自分との関わりによっても比較の仕方が変わってくると思われる。地球の公転に伴う四季の変化は、太陽系に異状が無い限りは何億年も繰り返されるだろうが、個人にとっての四季は一期一会であって、去年の春と今年の春は別物であり、来年の春が同じようにやってくるという保証はない(私自身も、余命僅かとなればそのことを実感するだろう)。 不定期ながら、次回に続く。 |