Copyright(C)長谷川芳典 |
|
3月6日に放送された、 NHK 「天空チベット タンカ絵師の郷」 を録画再生で視た。「5年に及ぶ記録」というのが一部、記録ではなく再現映像であるように見えたこと、また、いろいろなエピソードが撮影用に意図的にお膳立てされたものではないか、といった不自然さも感じたが、全体として、民族の文化を現代に活かすかたちで継承し、貧困からの脱却をめざすという方向はそれで良いのではないか、と思った。チベットの宗教や文化を昔ながらのまま継承し、ヤクを放牧し、養えない子どもを僧院に送り込むというやり方では、人々の貧困は解消されない。また、こちらに記したような、骨董品の買付や観光客向けのビジネスだけに頼っていたのでは、チベット発の文化を世界に発信することはできない。製作されたタンカに4500万円もの買値がついたというのは、美術品ビジネスに乗せられてしまったような印象もあるが、芸術というのはお金と無関係に成り立つものではない。タンカの購入者が、日々タンカを目にして心の安らぎを得るのであれば、それで良い。 なお、番組の舞台となったザムタンには一度も行ったことがないが、2002年にチベット東部(カム・アムド・黄河源流域)を旅行したさいに、番組映像とそっくりな風景に接したことがあった。チベットといっても、東チベットと西チベットでは風景が全く異なる。私の人生において、両地域を訪れる機会に恵まれたことはまことにラッキーであった。 |
【連載】サイエンスZERO「“羽毛のある類人猿” カラス 驚異の知力に迫る」その4 昨日に続いて、NHKの「サイエンスZERO」: 「“羽毛のある類人猿” カラス 驚異の知力に迫る」 の話題。 番組の終わりのところでは、カラスの鳴き声、コミュニケーションについて興味深い話題が提供された。 番組によれば、カラスは、声の大きさ、繰り返す回数、間隔などを使い分けることで様々な意味を伝えており、そのバリエーションは20種類以上になるという。じっさい、挨拶、警戒、威嚇などの鳴き声の声紋は明らかに違っていた。これを応用し、市街地のカラスの群れる場所で、「ここは危険」に相当する音声を聞かせると、カラスは一斉に飛び立ち、市街地のねぐらが消えたということであった。 番組で紹介された塚原さんは、株式会社CrowLab(クロウラボ)の代表取締役をされており、こちらには業績一覧もあった。 「カラス コミュニケーション」で検索すると、読めばちょっとカラスが好きになるかもしれない話(2019/04/25)がヒットしたが、これは同じ塚原さんの登場番組であった。カラスの研究では、他に、松原始先生の御著書もヒットした。このほか、こちらの本などもヒットした。こちらには、岡ノ谷一夫×松原始 カラス先生とジュウシマツ先生の「鳥扱い説明書」という動画が公開されていたがまだ視聴できていない。 |