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セイタカアワダチソウとヘクソカズラは迷惑雑草の代表格と言えよう。先日、半田山植物園内で、セイタカアワダチソウの新芽をヘクソカズラが締め上げているのを見かけた。やはり、蔓植物のヘクソカズラのほうが優勢であるようだ。もっとも、これらの雑草はいずれ草刈り機で駆除されるはずなので、決着を見届けることはできない。 |
【連載】ヒューマニエンス 「“天才” ひらめきのミステリー」その5 IQの高さは天才を生むか? 昨日に続いて、6月3日にNHKのBSPで初回放送された、 ヒューマニエンス〜40億年のたくらみ〜「“天才” ひらめきのミステリー」 についての感想と考察。 番組では、グリア細胞に続いて、「IQの高さは天才を生むか?」という話題が取り上げられた。 IQの研究者としてまず紹介されたのが、20世紀に活躍した教育心理学者のルイス・ターマン(1877-1956)。 もともとIQは「精神年齢 ÷ 生活年齢 × 100」の式で算出されており、発達の遅れた子どもたちをサポートする目的で導入されていたが、ターマンは、IQの高さと天才について検討した。ターマンはIQ140以上の子ども1528人を対象に、少年期から、青年期、成人期、中年期に至るまでの30年以上の追跡調査を行い、それに基づいて『天才の遺伝学的研究』(1925〜1959)を公刊した。しかし、その結論としては「ターマンが調査した高IQ児童は、世界を変えるような傑出した業績を得られなかった。」というものであり、その後の更なる調査でもこの結論は変わらないという。いっぽう、ターマンの基準(IQ140以上)を満たさず調査対象から落ちこぼれた子どもたちの中には、後にノーベル賞を受賞したウィリアム・ショックレー(William Shockley)やルイス・ウォルター・アルヴァレズが含まれていたという。番組ではこれらの資料をもとに、「IQが高いだけでは天才にはなれない。決して諦めないこと、好きなことへのこだわりが必要」というように論じられた。じっさい、ウィリアム・ショックレーもルイス・ウォルター・アルヴァレズも、興味対象は多岐にわたっており、自分が興味を持ったことに熱中していた様子がうかがえる。このほか、小脳研究の世界的権威、伊藤正男先生(1928-2018)が、いい研究者になる条件は「運、鈍、根」であると述べたというエピソードが紹介された【幸運の「運」、ちょっとつまずいたり批判されたぐらいでも諦めない「鈍感力」、「根を詰める」】。 ここからは私の感想・考察になるが、ターマンの縦断的研究の結果だけから「少年期に高IQであったからといって必ずしも傑出した業績を生み出すとは限らない」という結論を導き出すのは少々飛躍があるように思われる。 そもそも、知能というのは多種多様であり、個々人のIQは、どういう検査を用いるのかによって大きく変わってくる。また、総合的なIQが高ければよいというものでは必ずしもない。総合的なIQが高い人はおそらく「多芸に通じている」であろうが、必ずしも「一芸に秀でている」わけではない。いずれにせよ、一般に実施されているような知能検査は、種々の知的能力を測るための下位検査の素点を標準化して合計したものにすぎず、その人だけが持っている特殊な能力を検出することはできない。 なお、IQについての分かりやすい文献としては、サトウタツヤ氏の、 などがある。残念ながらどちらも手元にはないが、サトタツが人間ドックで入院中、「ちのおけんさ(血のお検査)をします」と言われたのを「知能検査をします」と聞き間違えたというエピソードが記憶に残っている。 私自身は、
次回に続く。 |