じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 9月下旬に4K放送を受信するための機器を購入し、その後2カ月にわたって順調に視聴をしてきたが、11月29日、なぜか番組表の中のNHKの部分だけが表示されなくなった。トリセツや関連サイトを参照していろいろ試してみたが、11月30日朝の時点では復旧していない。私の場合、放送の大部分は録画再生で視聴しているので、番組表が表示されないことは重大な支障となる。パソコンを使い、ネット経由でNHKサイトで番組表を表示して、日時・時刻を指定すればいちおう予約はできるはずだがこれでは手間がかかりすぎる。
 ネットで検索したところこちらに全く同一の現象が投稿されており、チューナーもシャープの「4S-C00AS1」であることが分かった。引き続き、様子を見た上で復旧しない場合はメーカーに問い合わせる予定。



2023年11月30日(木)




【連載】チコちゃんに叱られる! 「キャラクターは八百万の神様」という胡散臭い説明

 昨日に続いて、11月17日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、
  1. 人間の赤ちゃんが産まれてすぐ歩けないのはなぜ?
  2. 日本にキャラクターがいっぱいいるのはなぜ?
  3. 止まっているエスカレーターをのぼると変な感じがするのはなぜ?
という3つの話題のうち、2.について考察する。

 放送では、日本にキャラクターが多いことについて、
  • 街角インタビューで、フランス人、スペイン人、アメリカ人が自国に比べて日本にはキャラクターが多いと回答していた。
  • 2022年2月6日配信の日経電子版によれば、全国地域キャラクターの数は1500体以上
  • 子どもたちに人気のお店に行ってもキャラクターがたくさん並んでいる。
といった根拠が示された。
 放送では日本にキャラクターが多い理由は「八百万の神様がいるから」が正解であると説明された。青木貞茂さん(法政大学)によれば、
  1. 日本ではあらゆるものに魂が宿り、神様だと信じられている。日本人は八百万の神様を信じていたのでキャラクターを受け入れやすい。
  2. ご神木やおいなりさんの狐など神様が宿るものとして崇め讃えられその後扇子や茶釜など月日の経った道具にも魂が宿ると信じられるようになった。道具に魂が宿る考えは世界でも非常に珍しく、キリスト教やイスラム教のような1つの絶対的な神様を信じる宗教ではなかなか受け入れ難い考え方である。
  3. 妖怪を信じることで様々な架空の存在が生まれてくる。地震・洪水など自然の恐ろしさは妖怪のしわざだと信じられてきた。
  4. 神様と妖怪を畏れ敬う考えが日本人の様々なキャラクターを生み出す力を育んだ。
  5. 江戸時代後半には土木工事の技術が進み人間が自然をコントロールできるようになり妖怪への恐れもなくなり娯楽の対象となっていった。江戸時代の「画図百鬼夜行」では天狗やぬっぺっぽうなどが恐れられていた妖怪がユーモアのあるキャラクターになった。妖怪は一大ブームになりすごろくやかるたも登場しこれが日本のキャラクタービジネスの原型になった。
  6. 葛飾北斎を初めとする多くの絵師が妖怪を漫画的に描き現在の漫画表現の元ネタとなった。江戸の妖怪は現代のポップカルチャーに計り知れない影響を与えており、『ゲゲゲの鬼太郎』や『妖怪ウォッチ』などにカルチャーとして受け継がれている。
  7. 明治になるとキャラクターが商品のパッケージを飾るようになり戦後、洋菓子店や薬局に店頭キャラクターが並びその後キャラクターそのものが商品となる。
  8. 「ひこにゃん」「くまモン」などご当地キャラが誕生しゆるキャラと呼ばれている。
 放送では『ゆるキャラ』の名付け親・みうらじゅんさんの推しキャラ3選として、鳥取県の『トリピー』、奈良・斑鳩町の『パゴちゃん』、広島の『ブンカッキー』が紹介された。

 ここからは私の感想・考察になるが、「八百万の神様」説は私もちらっと頭に浮かんだが、ご当地キャラの起源を神様や妖怪に結びつけるのは少々無理があるように思われた。そもそも、ここで取り上げられている「キャラクター」の中には縫いぐるみや着ぐるみも含まれているが、これらすべてに「魂が宿っている」と考えられているわけではない。また、ミッキーマウスやドナルドダックの着ぐるみに出会った時には、それらの着ぐるみに魂が宿っているというよりは、「人間がその中に入って、ミッキーマウスやドナルドダックの仮装をしている」と受け止められているようにも思われる。

 今回の放送では言及されなかったが、実は『チコちゃん』自体もキャラクターの1つ。またNHKの広報番組にしばしば登場するどーもくんも代表的なマスコットキャラである。しかし、チコちゃんやどーもくんの先祖が妖怪であると考える人はまずおるまい。

 日本では古来から、八百万の神様や妖怪に因んだキャラが登場していることは間違いないが、ご当地キャラはそれとは無関係で、むしろ、世界各国で共通して存在するような人形文化、マスコット文化、仮装文化に由来しているように思われる。いずれにせよ、もう少し多角的な探究が必要であり、安易に納得すべきではないと思う。


 次回に続く。