じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 楽天版に写真を掲載しているように、今年は、半田山植物園のバラの花が例年になく見事に咲いている。バラの品種名の命名権は作出者に与えられるが、だからといって好き勝手に名づけることはできない。このことについてBingに尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。
バラの品種名は、育成者や関連する機関によって命名されます。具体的なプロセスは次のようになります。

1. **育成者による命名**:
- 新しいバラの品種を育てた人(育成者)は、その品種に名前をつける権利を持ちます。
- 育成者は、品種の特性や美しさ、由来などを考慮して、適切な名前を選びます。

2. **品種登録制度**:
- 品種名を正式に登録するためには、農林水産省の**品種登録制度**を利用します。
- 品種登録制度は、植物新品種育成者の権利を保護し、多様な新品種の育成を活発にするための制度です。
- 農林水産省の品種登録ホームページで手続きを行います1.

3. **名称審査**:
- 品種名は、名称審査を受ける必要があります。
- 名称審査の結果、不適切と判断された場合には、名称の変更命令が発せられます。
- 育成者は、命名権を持ちつつ、規定に従って適切な名前を選びます2.

4. **農林認定品種**:
- 農林認定品種(旧:命名登録品種)は、品質や収量、耐病性などの特性が優れていると認められた品種です。
- 農林認定品種データベースでは、登録された品種を画像とともに公開しています3.

総合的に考えると、バラの品種名は育成者によって命名され、品種登録制度を通じて正式に登録されます。123

(1) 農林水産省品種登録ホームページ. https://www.hinshu2.maff.go.jp/.
(2) 名称審査について - 農林水産省. https://www.maff.go.jp/j/shokusan/hinshu/info/meisyou.html.
(3) 農林認定品種データベースとは | AGROPEDIA. https://www.agropedia.affrc.go.jp/agriknowledge/hinshu/.
(4) 品種登録制度について - 農林水産省. https://www.maff.go.jp/j/shokusan/hinshu/act/seido.html.
さらに、国際的な命名の調整について尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。
バラの品種名について、国際的な機関による命名の調整が行われています。以下に詳細を説明します。

1. **PCC国際栽培植物命名規約**:
- **PCC(Plant Cultivar Code)**は、植物の品種名に関する国際的な規約です。
- この規約は、植物の学名表記と品種名の命名に関する細かなルールを定めています。
- 品種名の正確な表記や命名の一貫性を保つために、育成者や研究者はPCC規約に従って命名を行います2.

2. **バラの図鑑**:
- 国内最大級のバラの品種図鑑である「[バラの図鑑](https://baranozukan.com/)」では、日本や海外のオールド・ローズやイングリッシュ・ローズなど5000品種以上を網羅しています。
- この図鑑は、バラの品種名に関する情報を提供し、正確な命名をサポートしています3.

3. **学名表記の細かい決まり**:
- 植物の学名表記は、国際植物命名規約により、細かく表記ルールが決められています。
- これにより、植物の学名は共通の言語で正確に表現され、混乱を避けることができます?.

総合的に考えると、国際的な機関や規約によって、バラの品種名の命名に一貫性が保たれています。23?
(1) PCC国際栽培植物命名規約. http://pcc-gardendesign.net/lesson-E-curriculum/E-nomenclature.htm.
(2) バラの図鑑 - 5000品種以上掲載を目標とした国内最大級のバラの .... https://baranozukan.com/.
(3) 学名表記の細かい決まり | バラと小さなガーデンづくり. https://ivy-rose-love.com/gakumeikimari/.
(4) バラの品種一覧:和名索引 ? バラ百科. https://bara100.com/zukan/all/.
(5) 掲載バラ品種一覧 - バラの図鑑. https://baranozukan.com/allroselist/.
 出典の中のこちらの図鑑には5000種類以上の品種が掲載されているというが、これらを全部記憶している人はスゴい。


2024年5月10日(金)




【連載】チコちゃんに叱られる! 「なぜ鳥は朝によく鳴く?」

 岡山で5月4日(土)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。4月14日の日記に記したように、この回は全国的には4月5日に初回放送されていたが、岡山では当該の放送時間帯に、
  • 4月5日(金):コネクト 地域未来会議 どうすりゃええんかね!? 人口流出
  • 4月6日(土):新プロジェクトX〜放送直前スペシャル〜
というように別番組が放送されたため視聴することはできなかった。一週間以内に気づいていればNHK+で視聴できたのだが、まさか、チコちゃんのような人気レギュラー番組が、岡山県民を排除したまま放送されていたとは思ってもみなかった。
 ということで、岡山県民にとって5月4日初回放送となった番組では以下の3つの話題が取り上げられた。
  1. なぜ鳥は朝によく鳴く?
  2. パジャマってなに?
  3. 水あかってなに?
という3つの話題が取り上げられた。本日はこのうちの1.について考察する。

 鳥が朝に鳴く理由については、放送では「声が通りやすいから」であると説明されたが、この番組としては珍しく(←失礼!)、多面的な分析が行われた。

 まず、鳥が朝に鳴くメリットについての上田恵さん(立教大学、日本野鳥の会会長)&ナレーションによる解説は以下の通り。
  1. 鳥は一日中鳴くが、特に朝によく鳴く傾向がある。それは朝のほうが声が通りやすいことを本能的に知っているから。
  2. 実際に同じ場所で、昼12時頃と朝7時頃の鳴き声を聞き比べると昼間より朝のほうが活発に鳴いていることが確認できた。
  3. 鳥たちは朝起きたときに「元気か?生きてるか?エサを取りに行くぞ」などコミュニケーションのために鳴く。
  4. 普段は地鳴きという地味な声を出す。放送ではシジュウカラの地鳴きが紹介された。地鳴きでは警戒の声が入っているので耳障りな感じがする。
  5. 春先の繁殖期には大きな高い声でオスがさえずり始める。春先は朝の鳴き声がにぎやかになる。放送ではシジュウカラのさえずりが紹介された。
  6. 春のさえずりはオスが求愛や縄張りを守るために鳴く。
  7. 朝は温度が低いので虫の声が少ない。また風も少ない。鳥は一番声が通る朝に鳴くのが効率がいいと本能的に知っている。
  8. 夜に鳴かないのはエネルギー温存のために寝ているから。夜に活動するのは効率が悪いため夜明けとともに活動を始める。

 続いて朝のほうが遠くまで音が伝わる理由について、西浦敬信さん(立命館大学)&ナレーションによる解説があった。なお、西浦さんは、昨年4月にノイズキャンセリングで解説をされたことがある。
  1. 大気に含まれる水分の量によって音の届く距離が変化する。
  2. 例えば水中で叫んでも声は殆ど外には聞こえないが、これは水が音を吸収しているから。
  3. 空気は温められるとたくさんの水蒸気を蓄えることのできる性質がある(=大気中の水分量が多い)。逆に空気が冷えると水蒸気が減少し大気中の水分量が少なくなる。
  4. 空気の温かい昼間は大気中の水分が多く音が吸収され遠くに届きづらく、気温が低い朝は大気中の水分量が少ないため音が遠くに届きやすい。鳥が朝に鳴くことは非常に理にかなっている。
  5. 放送では、庄司智春さんが大声で叫ぶ「ミキティー」がどこまで聞こえるのかを朝と昼で比較する実験が行われた。
    • 広大な畑で1.2km先の丘まで100m間隔でスタッフを配置。
    • 声が聞こえたらパネルを挙げて距離を計測。
    • 気温が0℃の低い朝は、声が届いた距離は1.2km以上。
    • 朝より気温が12℃高い昼12時は、声が届いた最高距離は800mだった。

 ということで、朝のほうが声が通りやすいことが分かった。




 ここからは私の感想・考察になるが、まず、最後に紹介された「ミキティー」と叫ぶ実験は、エンタメを重視したあまり、かなりいい加減な比較になっている。
  1. 「声が聞こえたらパネルを挙げる」となっているが、前に立っている人の動作が見えているので、聞こえなくても挙げてしまう可能性がある。
  2. 「ミキティー」と叫ぶ大きさが同じであるかどうか保証されていない。
  3. 日中は近くの道路で車が往来しておりその騒音が昼間の聞こえやすさを妨げた可能性がある。
というようなことを考慮した上で、どのように実験条件・手続を統制すればよいのかを小中学校の理科の時間などにディスカッションしてもらえばよいかと思う。声が聞こえたかどうかを正しく測定するためには、例えば、
  1. 100mごとに立つ人には全員目隠しをしてもらう。
  2. 時たま、声を出さない条件を入れる(←聞こえなくてもパネルを挙げてしまう可能性をチェックする)
などが考えられる。

 さて元の話題だが、「鳥は一番声が通る朝に鳴くのが効率がいいと本能的に知っている。」というのは少々疑わしいように思う。単に朝起きた時が一番元気で声が良く出る(昼になるとくたびれて鳴く頻度が落ちる)ためかもしれない。
 あと、昆虫では、午前中によく鳴くクマゼミと、午後になってからよく鳴くアブラゼミというように、それぞれの出番が「棲み分け」できているケースもある。クマゼミは朝から騒々しく鳴き始めるため、睡眠不足になるという人もいる。なので「朝は温度が低いので虫の声が少ない。」という説明がどこまで成り立つのかは疑わしい。

 もう1つ、朝のほうが声が通りやすいということは、遠くで鳴いている鳥の声は、人間にとっても朝のほうが聞こえやすいことを意味している。なので、鳥たち自身が朝と昼に同じ頻度で鳴いていても、朝のほうがたくさん鳴いているように錯覚する可能性もある。さらに、よほどの山村に行かない限りは、日中はどうしても車や工事などの騒音が多く、鳥の声が聞こえにくくなっている可能性もかなりあると思う。

 次回に続く。