Copyright(C)長谷川芳典 |
※クリックで全体表示。 |
4月14日の岡山は朝からよく晴れ、最高気温は26.1℃まで上がった【平年値では5月26〜27日頃】。 日没時に西の空が晴れていたので、双眼鏡を使ってポン・ブルックス彗星の観察に挑戦した。この日はちょうど木星の真下のあたりに見えると予報されていたが、薄明のせいか、モヤのせいか、木星から地平線までの空域を双眼鏡でくまなく探しても、それらしき星を見つけることはできなかった。【左上はアストロアーツの位置予報】 |
【連載】チコちゃんに叱られる! 岡山では放送されなかった4月5日のエピソード、「ささいなことで好きな気持ちが冷める(蛙化現象)のは生き延びるための野生の証明」という胡散臭い説明 4月12日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。 ところで、チコちゃんの放送を視聴したのは3月8日初回放送の、 ●『▽古い硬貨の謎▽万華鏡誕生秘話▽床に落ちた髪の毛』 以来、1か月ぶりとなった。公式サイトの過去のエピソードによれば、3月8日のあと、4月5日に、 ●『なぜ鳥は朝に鳴く▽パジャマの謎▽水あかの不思議 という放送が行われていたことになっているが、我が家の録画機には、当該の放送時間帯に、
さて、4月12日の放送内容に戻るが、この日は、
社会心理学を研究している脇本忍さん(大和大学)&ナレーションによる説明は以下の通り。
放送では、街頭インタビューで、ささいなことで気持ちが冷めた事例がいくつか紹介された。
ここからは私の感想・考察になるが、まず、このWeb日記で何度も指摘しているように、「大昔の人間にとって生き残る上で有利に働いたから、その傾向が現代人に本能として受け継がれた」というような進化生物学モドキの「説明」はトンデモであって受け入れがたい。同様のトンデモは、
今回の例では、「獲物が目の前にいたとき「1人では仕留められない」と都合の悪い思い込みをすると他の人に獲物を取られてしまい生き残れなくなる。「絶対に1人で仕留められる」という都合のいい思い込みをすることで生き延びられる確率が増える。」という例が挙げられていたが、そもそも大昔の人間がそのような単独の狩りだけで生計を立てていたとは言いがたいし、そうした自然選択によって確証バイアスが本能として受け継がれたことを示す証拠はどこにも見当たらない。想像・創作としては面白いかもしれないが、科学的な説明にはなっていない。 もう1つのネガティビティバイアスについても、「美味しいかどうかより毒キノコかどうかを優先する」という「危険に対して敏感になり失敗体験を記憶する能力」が自然選択により本能として受け継がれた、というような証拠は見当たらない。 さらに「気持ちが冷めるささいなことは人それぞれ」というが、そう言ってしまったのでは、予測や検証ができなくなり、事後的なこじつけ解釈に陥ってしまう恐れがある。つまり、ある2人の交際が長続きしている時には「それは確証バイアスのおかげだ」と言い、破局が起こった時は「それはネガティビティバイアスだ」とこじつければ、どんなケースでも「説明」できてしまう。 いずれにせよ、確証バイアスで挙げられた例は自分の能力に関する思い込みであり、またネガティビティバイアスは生命に危険を及ぼすものを避ける傾向であり、恋愛場面にどこまで適用できるのかは疑問。失礼な言い方になるかもしれないが、社会心理学から難しそうな専門用語を借りてきて無理やりこじつけているという印象は否めない。 ちなみに、最初に挙げられた「蛙化現象」は、学術用語としては定着していない。ウィキペディアのリンク先では、
ま、人間は誰しも不完全であり、さまざまな欠点を持ち合わせている。恋愛過程では、自分が勝手に創り上げた理想像を相手に押しつけてしまいがちであるが、そういう思い込みが無ければなかなか結婚には踏み切れないのが現実である。 そもそも、欠点だらけの自分と付き合ってくれる相手が、完全無欠の理想的な人間であるはずがない。自分に欠点があるぶん、相手も相応の欠点があって当然。 相手の短所が目についた時には、「相手にこんなに欠点があるということは、同じくらい自分にも欠点があるということだ」と自分自身を振り返ることが肝要。相手が生涯のパートナーとして自分を選んでくれたことを感謝しつつ、相手ではなく自分のほうに目を向けて自分の欠点について反省しその改善につとめるようにすれば(もしくは、欠点があることを受け入れた上でお互いに補い合うようにすれば)、破局には至らないはずだ。 次回に続く。 |