じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 YouTubeの複数の藤子・F・不二雄関連の動画の影響で、テレビアニメのドラえもんを録画・視聴するようになった。そんななか、6月22日放送の前半は『謎解き!ハラハラハウス』という異色な内容になっていた。ネットで検索したところ、どうやら松丸亮吾さんとのコラボになっていたようだ。
 その中に4文字で答える謎解きというのがあったが、私には皆目分からなかった。解法を見ればなるほどという気もするが、今どきの小学生はこんな難問でも即座に答えることができるのだろうか。
 もっとも、比較的ワンパターンな解法の組合せなので、類似問題を何度か解いた人であれば、それほど難解ではないのかもしれない。


2024年6月24日(月)




【連載】チコちゃんに叱られる! 「夏はなぜ暑い?」

 昨日に続いて、6月21日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、
  1. 甘エビが甘いのはなぜ?
  2. 夏はなぜ暑い?
  3. 「とことんやる」の「とことん」ってなに?
という3つの話題のうち2.について考察する。

 2.の話題は視聴者さん(7歳)から届いた、

●なぜなつはあついんですか?

という質問に答えるものであった。

 しかし、この質問にはいくつかの側面があり、『夏』をどう捉えるのかによって答え方が変わってくるように思う。

 まず『夏』をどう定義するのかということになる。四季のある温帯地域で日常用語としていちばん暑い季節のことを『夏』と呼ぶのであれば、これは定義上の問題ということになり、

●夏はなぜ暑い? → 一番暑い季節を『夏』と定義しているから。

という解答で完結してしまう。これは「昼はなぜ明るいのか?」と同じレベルの解答ということになる。

 次に辞書的な定義を調べてみよう。『大辞泉』によれば『夏』とは、
  • 四季の第二。春と秋の間で、日本では6・7・8月をいう。
  • 暦の上では立夏から立秋の前日まで(陰暦の4月から6月まで)
  • 天文学では夏至から秋分までをいう。一年
というように時期は多少ずれているものの、先に夏の期間が定義されている。その上でなぜその期間が暑くなるのかを説明するには、日照時間、太陽高度、地面や海面の温度などによる説明が求められる。さらに根本的には「気温が高い」とはどういうことなのかを説明する必要がある。今回はその最後のレベルまで言及した専門的な観点からの解説となっていた。

 ということで放送では「地面と海面の分子が激しく動いて発生した熱が空気に伝わるから」が正解であると説明された。地球温暖化など気象や気候の研究をしている渡部雅浩さん(東京大学)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
  1. まずキーポイントは太陽の光の当たり方。地球は自転をしながら太陽の周りを1年かけてまわっている。この時に地球の自転軸が傾いて太陽から当たる光の角度が夏と冬で変化する。冬は斜めにあたるために光はそれほど届かないが夏は真上から当たるのでたくさんの太陽の光が届くようになる。
  2. 実は太陽の光には熱はない。太陽の光でまず温まるのは地面。
  3. 太陽からの光は電磁波であり、空気を素通りしてしまうため空気を直接温めることはない。その電磁波が地面に届くと、電磁波のエネルギーを吸収したい分子が激しく動く。それにより地面が熱くなる。この時初めて熱が発生する。【電子レンジと同じ原理】
  4. 夏は他の季節よりも分子が激しく動くため、地面の温度は高くなっていく。
  5. 空気が熱くなるのは2通りのルートがある。
    • 地面の熱が移動して空気に伝わるルート。熱は温度の高い部分から低い所に移動する性質があり地面が熱くなると地面に近い位置にある空気にも熱が伝わり熱くなっていく。
    • 電磁波によって空気が熱くなるルート。太陽からの電磁波とは違い、地面からの電磁波は赤外線であり、空気の分子を激しく動かし空気を温める。
  6. この2つの空気の温まり方は陸地だけでなく海でも発生し、海水が温められ海に接っしている空気が温まっていく。
  7. 日本の南の海上で温められた空気が日本に流れ込むことも夏が暑い原因。
  8. 夏の太陽の強い光で地面・海面の分子が激しく動き、発生した熱が空気に伝わり暑くなる。

 ちなみに、太陽が一番高く昼が長いのは夏至【2024年で言えば6月21日】。いっぽう、一番暑い時期は7月の終わりから8月。暑くなる時期がずれるのは地面と海面が温まるのに時間がかかるため。地面と海面は温まりにくい性質で時間がかかる。海水も海に囲まれた日本では空気に熱が伝わるまでに一ヶ月以上かかり、7月終わりから8月初めが一番暑いと解説された。

 ここからは私の感想・考察になるが、太陽からの光が直接空気を温めないというのは意外であった。春先に日射しが暖かく感じられたり、夏の炎天下にじりじりと日光が照りつけるのを感じるのは、太陽からの熱エネルギーを直接感じ取っているからではなく、太陽の電磁波が皮膚表面の水分や血液の分子を動かしているためだろうか、だとすれば結構怖い現象だ。

 なお、こたつの中が温まる仕組みについては

2024年1月6日こたつの中の光が赤いのはなぜ?

また、宇宙空間の温度(真空状態での熱の伝わり方)については、

2024年6月20日宇宙服なしで宇宙に出たら?

で取り上げたことがあった。
私たちは普段、空気のある世界の中で暑さや寒さ、あるいは食べ物などの熱さや冷たさを感じておりそれをあたりまえの現象だと思ってしまっているため、熱の伝導の仕組みについて誤解をしている可能性がある。

 なお今回の放送では、気圧配置については何も言及されなかったが、日本の夏が暑くなりやすい原因としては太平洋高気圧やチベット高気圧があることを忘れてはなるまい。ウィキペディアにも記されているように、

日本付近では、夏季には対流圏下層を太平洋高気圧が広く覆っている。太平洋高気圧が平年よりも北西に偏り、その上、チベット高気圧が平年より東に張り出す年の夏は、猛暑になりやすいことが知られている。

という傾向がある。

 次回につづく。