じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 最近、YouTubeの藤子・F・不二雄関連動画の影響で、TVアニメのドラえもんを視聴することが多くなった。じっさいにはあり得ない道具で夢を叶えてくれるというのがこのアニメの魅力だが、時たま、これでいいのか?と疑問に思うエピソードがある。
 少し前に視た『トビレットペーパー』では、のび太、ドラえもん、しずか、ジャイアン、スネ夫の5人が本格的な山に登るという話になっていた。のび太、ドラえもん、しずかはトビレットペーパーをつけていたので足取り軽く、ジャイアンやスネ夫を追い越していったが、途中の分かれ道のところで本当は右の道を進むべきところ、スネ夫がウソをついて左の道だと教えたためにあやうく遭難しかける。トビレットペーパーを使ったおかげで山頂に達したというような話だった。
 そもそも子どもたちだけで山に登るということ自体があってはならないことだが、間違った道を教えるなどというのは言語道断。分かれ道のどちらを進むべきか迷った時は地図や磁石を頼りに正確な判断をするか、それができないなら麓に引き返すべきであろう。このアニメを視た子どもが、いたずらのつもりで間違った道を教えたりすることは無いとは思うが、もう少し、山登りの危険性を伝える内容にしてほしかった。
 なおネットで検索したところ、トビレットペーパーのアニメは大山版の第803話としても公開されていることが分かった【←著作権上の問題は未確認】。さっそく試聴したところ、7月13日放送とは途中の展開がかなり異なっていたことが分かった。【大山版では、しずかちゃんが自分の足で登るべきだと主張していったんトビレットペーパーを捨てたり、スネ夫とジャイアンが吊り橋から落ちて気絶しているシーン(木に引っかからなければ転落死?】があった。いっぽう、今回のわさドラでは、スネ夫とジャイアンは転落せず、代わりにリュックを軽くするために途中で弁当を食べるシーンがあった】。いずれにせよ、間違った道を教えるなどは言語道断だ。


2024年7月21日(日)




【連載】チコちゃんに叱られる! 「誕生祝いと数え年」

 昨日に続いて、7月19日(金)に初回放送【岡山は7月19日は別番組のため、NHKプラスで視聴した】された表記の番組についての感想・考察。本日は、
  1. なぜ写真を撮るときに日本人はピースをする?
  2. なぜ誕生日を祝う?
  3. 【こんなんのコーナー】「コンパス」って言いながら「パソコン」と書けない現象
  4. 噴水ってそもそもなに?
という4つの話題のうち、2.について考察する。。
 誕生日を祝う習慣について、放送では「誕生日に年をとることになったから」が正解であると説明された。新谷尚紀さん(国立歴史民族博物館)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
  1. もともと日本には誕生日を祝う習慣はなかった。
  2. 日本では生まれた瞬間から1歳とし元日に全員一斉に年を取る「数え年」という文化が根付いていた。数え年は命をいくつ持っているかという年の数え方。人間は生まれた瞬間から1つ命を持っている。新年を迎えると魂が1つ増えるという考え方であった。なので2023年12月1日に生まれた赤ちゃんはその瞬間に1歳、2024年1月1日には、わずか生後1カ月なのに2歳となった。
  3. 新年を迎える大晦日から元日にかけて「年取り」のお祝いをしたため誕生日に年をとる概念はなかった。
  4. 明治35年、年齢計算に関する法律が公布され西洋文化に合わせて誕生日に1つ年をとる「満年齢」を採用。しかし国が満年齢を推し進める一方で昭和に入ってからもほとんどの人々は数え年を使い続け、その結果いろんな問題が起きた。
    • 出生届の不正提出。特に12月生まれの場合、どうせ1月には年をとるからと年明けまで出生届を出さない人が多かった。当時の統計を見ると12月生まれが不自然に少なく1月生まれと比べると不自然に少なく、10万人以上の差があった。
    • 数え年と満年齢が混ざって食糧配給が変。戦後、満年齢に応じて食べ物が配給されていたが、数え年でやりとりされたため12月1日生まれの赤ちゃんは数え年では元日に2歳なのでキャラメルやビスケットなど食べられないものが配給されてしまった。
    • 昭和24年、年齢のとなえ方に関する法律が公布され満年齢を常に使用することが改めて義務付けられた。これにより数え年32歳の人は30歳となり2歳若返ることになった。
    • 満年齢の義務化は年齢が若くなったような気がすることで肯定的に受け止められた。またアメリカ文化の影響で誕生日にケーキを食べるようになったりと習慣が広まった。一方で100歳を超えた高齢者は半分になった。
 ここからは私の感想・考察。上記の通り、数え年の不都合は、その年の1月1日から12月31日に生まれた人たちをすべて1歳とし、翌年1月1日には2歳にしたことにあったと説明されていた。しかしこの問題は現行の「6歳になった次の日以降の4月1日から入学」という学齢の制度でも同様に生じる【2019年3月24日および翌日以降の日記参照】。 。要するに4月1日に小学校に入学した児童は6歳ジャストから6歳+364日というように1年間の開きがある。少し前に話題になった9月入学論争でも同様。
 なので、仮に日本で「数え年」があろうとなかろうと、誕生日を祝う習慣はその時代の文化に影響されて盛り上がったり盛り上がらなかったりするのではないかという気もする。
 誕生日にバースデーケーキを食べる習慣はやはり戦後のアメリカの影響ではないかと思う。もっとも最近では個人情報保護の観点から誕生日を公開したがらない人もおり、企業から「誕生日おめでとうございます」というようなEメールが届くと、かえって個人情報を宣伝に利用するな、と腹が立つことさえある。

 次回に続く。