じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



11月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る

クリックで全体表示。


 11月2日、ブラタモリが8か月ぶりに復活した。東海道は五十三次として知られているが、実は江戸時代には京都方面とは分岐して大阪に向かう“五十七次”のルートがあったという。その第一夜は、

東海道“五十七次”の旅▼第一夜 京都・三条大橋から伏見へ

となっていた。タモリさんに同行したのは佐藤茉那アナ。佐藤アナは高校の登下校中、鎌倉でこのブラタモリのロケに遭遇したことがあるという。この番組の放送開始は2008年というからスゴい。タモリさんは1945年生まれなので、今年79歳。足取りはしっかりしておられた。なお今回は、あいみょんさんがナレーションを努めておられた。

 放送は、“五十三次"のほうの『大尾(たいび)』にあたる三条大橋から始まった。三条大橋は2024年1月に、50年ぶりにリニューアルが終了したという。

 ちなみに私自身は、大学入学から常勤職に就くまで15年間(学部4年、大学院5年、研修員&特別研究員6年)も京都に住んでいたが、日常生活空間は今出川通りから北側の一帯に限られていて、三条大橋を渡るのは年に数回程度に限られていた。今回の放送で、新たに以下のことを知った。
  1. 写真左上:三条大橋の擬宝珠は1590年、豊臣秀吉が改修した時のもの。その記録がちゃんと刻まれている【←触りたい放題になっているようだ】。
  2. 写真左下:擬宝珠には「日域石柱橋濫觴(らんしょう)」(=日本の石柱橋としては初)という文字も刻まれており、秀吉の改修時から石柱橋であったことが分かる。石柱の一部は今でも保存されている。
  3. 写真右3枚:歌川広重の『東海道五拾三次 太尾 京師 三条大橋』の浮世絵では、三条大橋の橋脚部分は木製で描かれているが、その時代から石柱の橋脚であったはず。
 広重は1832年に東海道を下り翌年から『東海道五十三次』の絵を発表したというが、現在では疑問視されているという。『五十三次』の他の絵の中にも、現地のではあり得ないアングルで山などが描かれているものもあり、創作として描かれたものがかなりあると聞いている。



2024年11月4日(月)





【連載】チコちゃんに叱られる! 「マヨネーズの由来」/『キューピー』ではなく『キユーピー』

 昨日に続いて、11月1日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、
  1. ハチをハチ公と呼ぶのはなぜ?
  2. ひきわり納豆がひき割られているのはなぜ?
  3. マヨネーズってなに?
という3つの話題のうち、最期の3.について考察する。
 さて、マヨネーズの由来だが、放送では「マオンのソース」が正解であると説明された。大石紗佑里さん(大手マヨネーズメーカー研究員。画面にはキユーピーのマスコットが映っていた)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
  1. 日本のマヨネーズは、卵、お酢、食用油を混ぜて作っている。
  2. 消費者庁管轄の食品表示基準によって、マヨネーズに含まれる油の量が決められている。画面では以下のように記述されていた。
    「半固体状ドレッシングのうち、卵黄又は全卵を使用し、かつ、必須原材料、卵黄、卵白、たん白加水分解物、食塩、砂糖類、はちみつ、香辛料、調味料(アミノ酸等)、酸味料及び香辛料抽出物以外の原材料を使用していないものであって、原材料に占める食用植物油脂の重量の割合が65%以上のものをいう。
  3. マヨネーズは英語では『Mayonnaise』と書かれるがもともとは『Mahonnaise』(マオンのソース)と書かれていた。
  4. マオンは、地中海に浮かぶスペインのメノルカ島の港町。マヨネーズはもともとこの島で食べられていたソースだった。
  5. マオンのソースが世界に広まったきっかけは、18世紀に起こった七年戦争だと言われている。七年戦争(1756年〜)では世界各地の領土をめぐりイギリスとフランスが対立していた。
  6. 当時、メノルカ島はイギリスが支配しており、これをフランスが攻撃した。フランス軍を指揮していたのがリシュリュー公爵。諸説あるがリシュリュー公爵がマオンのソースを世界に広めた立役者であると言われている。
  7. リシュリュー公爵はある日、攻め入っていたマオンの宿に宿泊し、宿の主人に「この肉をお前の料理法でおいしくしろ」と命じた。主人はマオンでよく食べられていたソースを肉にかけて提供した。
  8. このソースを気に入ったリシュリュー公爵はフランスにレシピを持ち帰り、マオンのソースとしてまたたく間にフランス全土に広まった。
  9. マオンはオリーブオイルの名産地であり、『ミノルカ』というニワトリの卵も食べられていた。オリーブオイルと卵黄に、塩、レモン汁、ニンニクを混ぜ合わせたソースがマオンのソースであった。放送ではじっさいにマオンのソースの作り方が紹介された。なお現在のマヨネーズはたくさんのお酢を使用しているが、マオンのソースでは代わりにレモン汁が少量使用されている。
  10. リシュリュー公爵がマオンのソースを気に入ってくれなかったら、今のマヨネーズは食べられなかった可能性もある。
  11. アフリカにも人気のマヨネーズがあるが、こちらは食用ではなく、ヘアオイルであり、卵やオリーブオイルが使われていることから『HAIR MAYONNAISE』と名づけられている。
 ここからは私の感想・考察になるが、私自身はサラダはドレッシング無しで食べているためマヨネーズを食べる習慣はない。もっとも別段嫌いというわけではなく、お好み焼きなどにかけられていた場合はそのまま食べることもある。ちなみに妻は常時使用しており、冷蔵庫の中にも使いかけのマヨネーズがちゃんと入れられていた。

 マヨネーズは成分からみて原理的に腐らないと聞いたことがある。念のためCopilotに尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。
【質問】マヨネーズは腐らないというのは本当ですか? 【Copilot】これは半分本当で、半分誤解です。マヨネーズは酸性が強く、また油分が多いため、腐りにくい食品です。しかし、永遠に腐らないわけではなく、保存状態や時間が経つにつれて劣化することもあります。特に開封後は冷蔵保存し、使用期限内に使い切ることが大切です。
なおこちらには、
マヨネーズには卵が使われているので、冷蔵保存したほうが良いのではと感じるかもしれませんが、常温保存で大丈夫です。油・酢・塩を含むマヨネーズは、防腐効果に優れています。油はカビや菌の繁殖を抑える効果、酢は強い殺菌作用、塩は細菌の繁殖を抑える効果があるため、常温で1年ほどの長期保存を可能にしています。
また、マヨネーズの製法は日本農林規格(JAS)で厳 しく管理されており、保存料などの添加物が入った製品は販売できません。殺菌性のある酢や塩の力によって、マヨネーズは保存料を使わずとも常温で長期保存ができるのです。
という記述があった。但しメーカーでは冷蔵保存を推奨しているという。
 マヨネーズは当初は高価であり、材料の卵の価格は128グラム入りで現在の1700円相当であったというが、戦後はかなり安くなった。家庭用冷蔵庫が普及する前には、常温で手軽に保存できる栄養食品として重宝していたように思う。

 ウィキペディアによれば、日本でマヨネーズが登場したのは1925年であったという。キューピーの創立者の中島董一郎が若いころのアメリカ留学時代にマヨネーズと出会い、1919年(大正8年)、東京府豊多摩郡中野町(現在の東京都中野区小滝町)に食品工業株式会社を設立。1925年(大正14年)3月に国産初のマヨネーズ(キユーピーマヨネーズ)の製造を開始した。なお、キユーピーの「ユ」は大文字で表す。ウィキペディアによれば、「キヤノン」、「富士フイルム」、「シヤチハタ」なども同様、国語国字改革前に創業した老舗企業では、歴史的仮名遣として社名の拗音を現在でも小書きにしない会社も多いという。