じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【連載】あしたが変わるトリセツショー『100歳×100人徹底取材!1万年の健康パワーSP』(6)社会的つながりの中身、まとめ 昨日に続いて、2024年12月26日初回放送【私自身が視聴したのは1月8日の再放送】された表記の番組についてのメモと考察。引き続き、3番目に挙げられた、 ●究極 世界中の研究機関も注目する「究極の健康法 〜つながりを持つ〜」 という「秘けつ」について考察する。本日で最終回。 放送では、 ●「他人に親切にする」ことによってつながりを増やすと、「炎症」をもたらす遺伝子の発現が抑えられる という論文が紹介されたあと、つながりの増やし方が紹介された。つながりを持とうと言われても、人間はすぐには変われない。ではどうすれば無理なくつながりを増やすことができるか、という話。もっとも昨日指摘したように、直近で紹介された論文自体は、調査対象者が高齢者ではなく一般成人であること、「つながりを持つ」ことではなく「他人に親切にする」ことの効果を調べたものであり、必ずしも社会的つながりの効果を検証したものではなかった。もっともそれより前に紹介された ●Social Relationships and Mortality Risk: A Meta-analytic Review という論文のほうでは『社会的なつながり』の中身がより詳細に分析されていた。いずれにせよ、何でもよいから人付き合いを増やせばそれでエエということにはならないように思う。 以上のような疑問は残るが、放送では、 ●「昔からの興味や習慣」をきっかけに増やす。例えば、昔から『俳句』が趣味の人であれば、1か月に3句作るなどの目標を決めることから始めるだけでOK。ゆくゆくは、俳句の大会に投稿したり、教室に通ったりと、社会的つながりへと膨らませていく。 といった「つながりの増やし方」が紹介された。 放送の終わりのところでは『取材後記』として100歳研究家の鈴木信さんの言葉が紹介された。それは『生きがい』であり、今回の取材対象者100人においてもそれぞれの方が多様な『生きがい』を持っておられることが語られていた。 ここからは私の感想・考察を述べさせていただくが、今回取り上げられた3つの秘けつ:
私自身に関して言えば、上記の1.『食』と、2.の『運動』に関してはそれなりに実践している。いっぽう3.『社会的つながり』は全く当てはまらないし、新たにつながりを増やそうとも思わない。それでも、自分のほうからはこのWeb日記などと通じて日々発信をしているし、YouTube動画などを通じていろいろな人の話を聞いたりしているので、必ずしも孤立状態にあるわけではない。そもそも『社会的つながり』という時の「社会」にはいろいろなサイズがある。
というように考えると、限られた生活空間の中で人付き合いを増やすことだけが「社会的つながり」ということには必ずしもならないように思う。 このほかふと思ったことだが、今回の番組調査や紹介論文の中では「宗教」という言葉が一言も語られなかった。少なくともイスラム社会や欧米のキリスト教社会では「信仰」が日々の生活の重要な支えになっているはずだ。いっぽう今回のような日本の百寿者の調査ではなぜか宗教は口にされない。もっとも、百寿者に「天国(or極楽浄土)はあると思うか?」と尋ねたところ「そんなものはあるわけないよ」という答えが返ってきたという話も聞いたことがある。日本の百寿者は意外と無宗教が多いのかもしれない。 なお、伝統的な仏教や神道でも年中行事を通して信者たちの集まりがあるほか、新興宗教の場合は日常的に集まりを持ったり布教活動に時間を費やしたりすることが多いように思われる。宗教自体が何であれ、そうした信者たちの「社会的つながり」はそれなりに効果を発揮するかもしれない。余談だが、この番組のMCも某新興宗教の信者だったような...。 |