じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 NHK『チコちゃんに叱られる!』は、通常、金曜日の19:57 - 20:42に本放送、土曜 8:15 - 9:00に再放送となっているが、次回の3月25日の放送回は岡山や広島ではいずれも視聴できない。
 理由は画像Cが示すように、金曜日の夜の放送時間帯に別番組『コネクト』が放送されるためである。これだけであれば、土曜日の再放送があるので見逃すことはないのだが、稀に、全国レベルで土曜日の再放送が別番組に置き換えられることがあり、そうなると岡山県民(今回は広島県民も)はチコちゃんの番組を視ることができない。今回は、画像Dが示すように、『タモリ×山中伸弥の人体V 直前スペシャル』に置き換わっていた。
 このような事態は昨年4月5日・6日にも発生している。我が家ではNHKプラスでも視聴できるので、特に支障はないが、インターネットを使っていない人たちは、受信料を払っているのにチコちゃんが視られないという不公平を押しつけられることになる。せめてサブチャンネルで放送するとか、岡山・広島地域限定で深夜に代替の時間枠で再放送するといった配慮があってもよいのではないかと思う。

2025年04月21日(月)




【連載】チコちゃんに叱られる! タイムカプセルとポストカプセル

 4月20日(土)に放送された表記の番組についての感想・考察【4月19日(金)の本放送は長野県北部を震源とする最大震度5弱の地震のため打ち切り】。
 この回は、
  1. メジャーリーガーがひまわりの種を食べるのはなぜ?
  2. おすし屋さんの湯飲みが大きいのはなぜ?
  3. タイムカプセルを埋めるようになったのはなぜ?
という3つの話題が取り上げられた。本日は3.のタイムカプセルについて考察する。

 放送では、正解は「ツタンカーメン王の墓が発掘されたから」であると説明された。メディア文化論が専門の馬場伸彦さん(甲南女子大学)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
  1. 日本でタイムカプセルが埋められるきっかけとなったのは1970年の大阪万博であると言われている。
  2. 1970年大阪万博では日本初とされるタイムカプセルが埋められた。
    • 高さ1.3m、重さ1.7t、制作期間は約2年半、直接経費は約2億円。
    • 容器外側には毎日新聞社と松下電器産業株式会社の社名も刻まれている。
    • 中身は、超小型ラジオ、電気炊飯器、帽子、メガネ、定期券、下駄、そろばん、宇宙食、筆箱、腕時計、株券、エベレスト山頂の石など2098点。
    • 珍しいものとして、乗用車(模型)、胃カメラ、タバコ、電気かみそり、義眼、新幹線(模型)、総入れ歯、祝儀袋・香典袋、宝くじ、ヒロズキンバエ、茶道具、畳など。詳しくはこちら。未来の人類に残したい遺産というテーマのもとで選ばれた。有識者の意見ばかりでなく一般公募でも選ばれた。
    • カプセルは1971年、大阪城公園の地下15mに埋められた。
    • カプセルは2つあり、1つは状態確認のため100年ごとに開封。もう1つは5000年後の西暦6970年に開封予定。
  3. タイムカプセルを埋めるというアイデアは1939年のニューヨーク万博が最初。
    • 全長約2.3m、重さ約363kg。
    • 外側は『キュパロイ』という特殊合金、内側は耐熱ガラス。
    • このカプセルには「未来に受け渡す現代の遺産」として植物の種や当時のニュース映像などが収められた。
    • 西暦6939年に開封予定。
  4. 2つのタイムカプセルの開封予定が5000年後に設定されたのは、1920年代〜193年代に相次いだ考古学上の発見がヒントになっている。
    • 1921年 モヘンジョダロの都市遺跡発見。
    • 1922年 ツタンカーメン王の墓を発見。3000年以上前の過去の古代文明が現代に蘇ったことで世紀の大発見として人々に大きな衝撃を与えた。
    • 1929年 北京原人の化石発見。
  5. 上記のツタンカーメン王の墓の発見にヒントを得て、アメリカの電気メーカー・ウェスティングハウス社が、発掘された古代遺跡のように現在を5000年後の未来に掘り起こさせるというタイムカプセルを発案した。
  6. これと同じ発想で大阪万博で日本初のタイムカプセルが埋められた。
  7. 当時大阪万博は大変話題となったのでそれを真似て日本中の学校でタイムカプセルブームが埋められた。
 放送では香川県の高松市立香南小学校で西暦2000年に埋められたタイムカプセルが掘り起こされるイベントを取材。当時の卒業生が将来の夢を描いた絵が「発掘」された。なお、今回の大阪・関西万博ではタイムカプセルの企画は無いという。万博の事務総長補佐の西本さんによれば、その理由は「万博は何か形を残すことよりも人の心に何を残すかが大事」。但し『食のタイムカプセル』というイベントが行われるパビリオンがあり、日本古来の保存技術を知ってもらうため、会場内で漬けた梅干し『万博漬け』を25年後に食べると企画されているという。




 ここからは私の感想・考察を述べる。
 まず私自身が体験したタイムカプセルとしては、つくば科学万博の企画があった。正式名称は『ポストカプセル』であり、リンク先に記されているような企画であった。
 「科学万博ポストカプセル2001」は、1985年(昭和60年)に開催された国際科学技術博覧会を記念し、手紙文化の普及と国民に未来への夢を与えることを目的として実施された施策である。
 期間中に引き受けた郵便物は約328万通であったが、引受けから配達まで16年近くが経過し、その間に住所が変わった方々が多数出てくることが想定されたことから、1通でも多くの郵便物を配達するため、平成12年9月1日から同年12月31日までの間、郵政省(現総務省郵政事業庁)では、一般の転居届とは別にポストカプセル郵便物専用の住所・居所変更の申出を特別に受け付けた。
 この住所等の変更申出により約7万4千通の郵便物を処理した結果、2001年(平成13年)の1月1日には、引受物数の約92.5%に当たる約303万通の郵便物を専用のデザイン封筒に納入等して配達することができた。
 2001年1月9日の日記【続編あり】には、ポストカプセルに封入した1985年時点での16年後の予想が紹介されていた。
2001年には昭和の次、ひょっとするとその次の元号に変わっており、世の中もずいぶん便利になっていることだろう。私自身は助教授かうまくすれば教授になっており、女2人 男1人くらいの子供がいずれも反抗期で手をやいているはずだ。東京−大阪間にはリニアモーターカーが走り約50分で目的地に着いてしまう。しかし自家用車の利用は制限されているかもしれない。 1ドルは200円前後、ことによると150円になっているかもしれない。高品位テレビや立体テレビが普及し、ビデオの性能ははるかに良くなっている。パソコンが子供の小づかいでも買えるようになっているかもしれない。現在日本はアメリカや中国と友好関係を保ちソ連とはあまり仲がよくない。この傾向はあまり変わらないと思われるが、国力の強まった中国とのあいだには多少の摩擦が生じているかもしれない。国内の政治にはあまり変化はないだろう。
となり、半分くらいは当たっていた。

 ま、タイムカプセルに入れるまでもなく、私が子どもの頃に書いていた絵日記とか当時の写真などは今でも書棚に保管されており、60〜70年前までは簡単に遡ることができる。また画質は悪いが、子どもたちが生まれた直後からの動画もかなり残っている。

 5000年後に開封予定とされる1970年大阪万博のタイムカプセルだが、中身の一覧を見るとすでに使われなくなったものも半分くらいはありそう。容器外側には毎日新聞社と松下電器産業株式会社の社名も刻まれているというが、『松下電器産業株式会社』はすでに改名している。『毎日新聞社』は今でもあるが、印刷媒体の新聞の発行部数は激減しており、この先10年以内には別の報道機関に改編されるものと思われる。

 ま、人類が5000年先まで生き延びられるのかについては、私は99%あり得ないと思っている。その理由としては、
  • 核戦争による滅亡
  • 細菌兵器の拡散事故
  • 人類自体が繁殖能力を失う
などなど。5000年後に地球上に生き残るのはゴキブリのような昆虫、もしくはAIの進化で誕生した自律型のロボットたちであり、タイムカプセルを開封して5000年前の人類の愚行を嘲笑うことになるかもしれない。