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じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 昨日の日記でパワーポイントのスライドに解説音声を挿入する作業において、

(1)プレゼンテーション編集中に録音する

という方法では、時たま失敗することがあると記した。心を込めて喋ってこれで良しと思ったのに録音成功を示すスピーカーアイコンが表示されていない(録音失敗)となるとガッカリするしストレスにもなる。
 現時点でこのトラブルは、

(3)PCに保存されている音声ファイルを挿入する

という方法で回避できた。

 ところで私の使っているパワーポイントは『Office2019』に含まれていたものであったが、このソフトは、2025年10月14日以降はサポート終了になるという。と言われても、隠居人生活を続けている私は、パワーポイントのファイルを作成するのは年に1回のみ【←昨日の日記参照】。WordやExcelが必要となるのも、町内会やマンション管理組合の役員が回って来た時の報告書作成の時に限られており、『Microsoft 365』などを購入するのは全くムダになってしまう。

 そこで、少し前、ソースネクストのサイトで優待割引がありポイントが貯まっていた時に、「Polaris Office」を購入した。その中の「SLIDE」がパワーポイントに対応している。こちらを起動したところ、今回の教材ファイルを問題無く読み込むことができた。

 でもって解説音声の挿入の件であるが、「(1)プレゼンテーション編集中に録音する」という方法ができるかどうかは確認できなかった。いっぽう「(3)PCに保存されている音声ファイルを挿入する」という方法であれば問題無く挿入できた【画像参照】。なので、多少手間がかかるが、予めスライドごとの解説音声をサウンドレコーダーで録音しておきそのファイルを挿入すればうまくいくことが分かった。なおPolarisで挿入した時のスピーカーアイコンはマイクロソフトのパワーポイントで挿入した時のアイコンとは異なる形になっていた【画像の赤い円内】

なお、ネットで検索したところPolaris Officeはマイクロソフト版に比べて以下のようなデメリットがあるらしいが、私の利用実態から言えば関係なさそうだ。
  • 一部の高度な機能・関数には非対応
  • AIアシスタントやクラウド連携機能はない
  • 起動時に必ずランチャーを経由する
  • クリップアートや3DモデルはMicrosoft Officeに劣る

2025年10月12日(日)




【連載】チコちゃんに叱られる! 早口ことばの由来、AIによる新作早口ことば、英語・中国語・ロシア語の早口ことば

 昨日に続いて、10月10日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は以下の3つの話題のうち2.について考察する。
  1. 「痛い!」ってとき体の中ではなにが起きている?
  2. なぜ早口ことばを言うようになった?
  3. 時計の針が右回りなのはなぜ?


 放送では、「市川團十郎がのどの薬で救われたから」が正解であると説明された。もっとも、これを「正解」とするのは少々無理があるように思う。早口ことばは世界中の言語にあるし、日本でも市川團十郎以前からあったはずだ。なので2.の疑問は、「なぜ早口ことばを言うようになった?」ではなく、「早口ことばの流行にいちばん影響を及ぼしたのは誰?」とすべきかと思う。【但し、この先もっと影響を及ぼす人が出てくるかもしれないので、厳密に言えば「これまでの歴史で、早口ことばの流行にいちばん影響を及ぼしたのは誰?」とすべきなのかもしれない。

 日本語の歴史を研究している今野真二さん(清泉女子大学)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
  1. 早口ことばに似たことば遊びは古事記や日本書紀にも登場している。
    • 古事記には「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を」(須佐之男命)という和歌がある。
    • 万葉集には「川の上のつらつら椿つらつらに見れども飽かず巨勢の春野は」(56番歌、春日蔵首老)という歌が詠まれている。
  2. 一般庶民に広がったのは江戸時代になってから。歌舞伎役者 二代目・市川團十郎が演じた「外郎(ういろう)売」の口上がきっかけだったとされている。
  3. 外郎売りの口上の中には5分を超えるようなものもある。放送ではその一部として「武具馬具武具馬具、三武具馬具、合わせて武具馬具、六武具馬具」というフレーズが今野さんご自身によって実演された。また実際の歌舞伎舞台の口上も紹介された。
  4. 5分を超える長い口上をすらすら言い切ることが見事だと話題になって人気となり、このセリフが一般庶民にマネされ、他の言葉も作られて広まった。寺子屋で読み書きそろばんを習うこともその後押しとなり、ことば遊びの1つとして定着した。
  5. 『外郎売り』がきっかけとなったのは團十郎ののどの不調。ある時、團十郎が咳と痰で困っていたときに小田原の「ういろう」という漢方薬を飲んだところ症状が改善。そこで團十郎はこの薬に感謝し、薬の効能を早口ことばで言う演目を作ったという。


 放送ではさらに、視聴者から寄せられた「超ムズカシイ早口ことば」が紹介された。この募集には1934件の応募があったという。スタッフが選んだTop5は以下の通り。

  • 第5位:歯科医院に鹿来て歯科医仕方ないと鹿に歯科健診 歯科医の質問にシカトし歯科医仕返しにシカトする【長崎県、ほのかさん、40歳】
  • 第4位:ガム噛むギャグ書く客【神奈川県、北の海豚さん】
  • 第3位:朝、傘貸す。朝、傘さす。朝、赤坂サカス。【愛知県、あり爺さん、54歳】
  • 第2位:加賀藩 多賀隆忠が高い価格の硬い刀買いたかったから 多賀藩 加賀氏から多賀隆忠が高い価格の硬い刀買った【兵庫県、チコちゃん拗ねてさん、68歳】
  • 第1位:生貯蔵酒 貯蔵中 本醸造酒 醸造中 【三重県、梅吉さん、69歳】


 この企画には私も応募しようと思ったが、「若隆景、若隆景、若隆景」くらいしか思い浮かばなかった。

 ということでChatGPTに、「日本語の早口ことばで最も難易度が高いとされているものを5つ挙げてください」と尋ねたところ以下のような回答をいただいた。



  1. 生麦生米生卵(なまむぎ なまごめ なまたまご)

    定番にして王者。似た音が連続し、リズムが崩れると即噛みます。
    ✅コツ:一語ずつ切らずに「なまむぎなまごめなまたまご」と流れるように。
  2. 隣の客はよく柿食う客だ(となりのきゃくは よく かきくうきゃくだ)
    「か」「き」「く」「きゃ」「く」の繰り返しで舌がもつれやすい。
    ✅コツ:「きゃ」「く」の区別を意識しながら、一定のテンポで。
  3. 坊主が屏風に上手に坊主の絵を描いた(ぼうずがびょうぶにじょうずにぼうずのえをかいた)
    「ぼ」「び」「じょ」「ず」など濁音が多く、口の形を正確に変える必要があります。
    ✅コツ:「びょうぶ」「じょうず」を明確に。
  4. 赤巻紙青巻紙黄巻紙(あかまきがみ あおまきがみ きまきがみ)
    母音「あ・お・い」の切り替え+「まきがみ」の連続が非常に難しい。
    ✅コツ:「まきがみ」を1セットで発音する意識で。
  5. 東京特許許可局(とうきょうとっきょきょかきょく)
    実際には存在しない架空の役所ですが、滑舌訓練では定番。
    ✅コツ:「とっきょ」「きょか」「きょく」の“きょ”を均等に。

💡**補足:**
これらはすべて日本のアナウンサー学校や声優養成所でも「発声・滑舌の最高難度クラス」として扱われています。
中でも「東京特許許可局」と「赤巻紙青巻紙黄巻紙」は“噛まずに3回続けて言えたらプロ級”とされます。



 以上はよく知られたものばかりだったので、新しい早口ことばを5つ作ってもらうよう依頼したところ、以下のような回答をいただいた。


素晴らしいリクエストです! ここでは、「言いにくさ・リズムの良さ・日本語らしい響き」の3点を意識して、**完全オリジナルの早口ことば5つ**を考えました👇
  1. **「焼き鮭咲き酒屋で鮭焼く咲きさん」**
    (やきざけ さきさかやで さけやく さきさん)
    > 🔸“さ”“しゃ”“き”“け”が連続して口が追いつかない。
    > 🔸音が似ているのに意味も通るタイプ。
  2. **「竹立てかけた肩叩き器」**
    (たけ たてかけた かたたたきき)
    > 🔸「たけ」「たて」「かた」「たた」が入り乱れる。
    > 🔸リズムを崩すと“たたた…”になってしまう難関。
  3. **「電線戦線前線全然前進せず」**
    (でんせん せんせん ぜんせん ぜんぜん ぜんしんせず)
    > 🔸“んせん”の連続と“ぜん”の連鎖が混乱を招く。
    > 🔸ニュース番組風のフレーズでユーモラス。
  4. **「白芝生滑る忍者七人白忍装束」**
    (しろしばふ すべる にんじゃ しちにん しろにんしょうぞく)
    > 🔸“し”と“す”の繰り返しで舌がもつれる。
    > 🔸リズム感があるので言えそうで言えないタイプ。
  5. **「プリプリプリンプリンターでプリント」**
    (ぷりぷりぷりん ぷりんたーで ぷりんと)
    > 🔸“ぷり”が5連続、破裂音+鼻音の切り替えで噛みやすい。
    > 🔸子どもにも人気が出そうな可愛い早口ことば。



 なるほどさすがAIだ。ついでに英語と中国語とロシア語の早口ことばで最も難易度の高いものを5つずつ挙げてもらった。


とても面白い質問です!
世界の言語でも「早口ことば(tongue twister / 绕口令 / скороговорка)」は発音練習や遊びの一種として親しまれています。
以下に、**英語・中国語・ロシア語**それぞれで「最も難しい」とされるものを、代表的に**5つずつ**紹介します👇

◆## 🇬🇧 **英語(English Tongue Twisters)**
英語では「子音の連続」と「似た発音の入れ替え」が難易度を上げます。
  1. **“The sixth sick sheik’s sixth sheep’s sick.”**
    (ザ・シックス・シック・シークス・シックス・シープス・シック)
    > 🔸最難関とされる英語早口ことば。
    > 🔸“s”と“ʃ”の切り替えが超難しい。
    > 💬意味:6番目の病気の酋長の6番目の羊も病気。
  2. **“Pad kid poured curd pulled cold.”**
    > 🔸言語学者が「発音不可能レベル」として実験に使ったことで有名。
    > 💬意味:文法的には無意味だが発音が極端に難しい。
  3. **“She sells seashells by the seashore.”**
    > 🔸“sh”と“s”の音の切り替えが混乱のもと。
    > 💬意味:彼女は海岸で貝殻を売る。
  4. **“Irish wristwatch, Swiss wristwatch.”**
    > 🔸“r”と“w”の切り替え地獄。
    > 💬意味:アイルランドの腕時計、スイスの腕時計。
  5. **“Peter Piper picked a peck of pickled peppers.”**
    > 🔸“p”の連打で息が続かない。
    > 💬意味:ピーター・パイパーは1ペックの酢漬け唐辛子を摘んだ。


◆## 🇨🇳 **中国語(中文绕口令)**
中国語は声調(四声)の違いと子音の似た発音(zh/ch/sh/sなど)が難易度を跳ね上げます。
  1. **「四是四,十是十,十四是十四,四十是四十。」**
    (sì shì sì, shí shì shí, shísì shì shísì, sìshí shì sìshí.)
    > 💬意味:4は4、10は10、14は14、40は40。
    > 🔸“s”と“sh”の発音区別が外国人にはほぼ不可能レベル。
  2. **「吃葡萄不吐葡萄皮,不吃葡萄倒吐葡萄皮。」**
    (chī pútao bù tǔ pútaopí, bù chī pútao dào tǔ pútaopí.)
    > 💬意味:ブドウを食べて皮を吐かない人、食べずに皮だけ吐く人。
    > 🔸母音“ao”“ao pi”の連続が舌を混乱させます。
  3. **「黑化肥发灰,灰化肥发黑。」**
    (hēi huàféi fā huī, huī huàféi fā hēi.)
    > 💬意味:黒い化学肥料は灰色になり、灰色の化学肥料は黒くなる。
    > 🔸“h”音と“f”音の切り替えで噛みやすい。
  4. **「班长帮忙搬板凳,板凳帮忙搬班长。」**
    (bānzhǎng bāngmáng bān bǎndèng, bǎndèng bāngmáng bān bānzhǎng.)
    > 💬意味:班長が椅子を運ぶのを手伝い、椅子が班長を運ぶのを手伝う。
    > 🔸“ban/bang”の繰り返しが混乱を招く。
  5. **「八百标兵奔北坡,炮兵并排北边跑。」**
    (bābǎi biāobīng bēn běipō, pàobīng bìngpái běibiān pǎo.)
    > 💬意味:800人の標兵が北の坂を走り、砲兵は北側を並んで走る。
    > 🔸“b/p”音の交替が極めて難しい。発音試験にも使われる。


◆## 🇷🇺 **ロシア語(Русские скороговорки)**
ロシア語では「子音の連続」「巻き舌(р)」「シュー音(ш, щ)」が鬼門です。
  1. **«Шла Саша по шоссе и сосала сушку.»**
    (Shla Sasha po shosse i sosala sushku.)
    > 💬意味:サーシャが舗道を歩きながら乾パンをなめていた。
    > 🔸“sh/s”の交替が最難級。
  2. **«Карл у Клары украл кораллы, а Клара у Карла украла кларнет.»**
    (Karl u Klary ukral korally, a Klara u Karla ukrala klarnet.)
    > 💬意味:カールはクララの珊瑚を盗み、クララはカールのクラリネットを盗んだ。
    > 🔸“kr/cl”の交互と“r”の巻き舌が激ムズ。
  3. **«От топота копыт пыль по полю летит.»**
    (Ot topota kopyt pyl’ po polyu letit.)
    > 💬意味:ひづめの音でほこりが野に舞う。
    > 🔸リズムが早く、破裂音が連続。
  4. **«На дворе трава, на траве дрова.»**
    (Na dvore trava, na trave drova.)
    > 💬意味:庭には草、草の上には薪。
    > 🔸母音と子音の似た連鎖で、テンポが速いと崩壊。
  5. **«Шишка шишке шепчет: “Шиш, шиш, шиш!”»**
    (Shishka shishke shepchit: “Shish, shish, shish!”)
    > 💬意味:松ぼっくりが別の松ぼっくりに「シシュ、シシュ」とささやく。
    > 🔸“shish/shishk”の切り替えが滑舌泣かせ。



 英語の早口ことばは中高時代に聞いた覚えがあった。中国語の早口ことばについては、1981年にシルクロード方面を旅行した時にガイドさんから2つほど教わったことがあった【上掲とは異なる】。当時のガイドさんは日本語習得に大変熱心で日本語の早口ことばを教えてあげたところお礼に中国語の早口ことばを教えてくれた。なお、10月8日に文字コードをシフトJISからUTF-8に切り替えたことでこの日記でも簡体字が表示できるようになった。

 次回に続く。