【連載】チコちゃんに叱られる! 霧吹きで霧が出てくる理由/必要原因と十分原因
昨日に続いて、12月19日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察【岡山では19日は別番組。20日朝のみ放送】。本日は、
- サンタさんのトナカイが赤鼻なのはなぜ?
- 人はなぜスポーツを見る?
- 霧吹きで霧が出てくるのはなぜ?
という3つの話題のうち、最後の3.について考察する。
放送では霧吹きで霧が出てくるのは「ぐるぐる回る溝がついているから」が正解であると説明された。物理学を研究している川村康文さん(環太平洋大学)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。なお川村康文さんは、
にも出演しておられたが、今回はご所属が東京理科大学から環太平洋大学に変わられていた。
- 霧吹きの先端部分には水がぐるぐる回るための溝がついている。
- 霧吹きのノズルを外すと先端部分に『ムシ』と呼ばれる部品がある。
- 『ムシ』には切れている部分が2か所あり、溝になっている。
- 溝を水が通過すると縁のカーブに沿って水が流れる。流れ続けるとぐるぐる回転する。霧吹きでも同じ回転が起こっている。
- 霧吹きの水は回転したまま小さな穴から勢いよく噴射される。回転する遠心力が働き、噴射された水は円錐型に広がる。
- 噴射口から出た水は最初は『板状』
- 遠心力で外に飛ばされる力に耐えきれなくなった水は波をうつ=『波動』
- そこから輪っかのまま分裂して、波を打ったような『ひも状』になる。
- さらに細かい粒に分裂する=『霧状』
- つまり、霧吹きで霧が出てくるのはぐるぐる回る溝を水が通ることによって、回転したまま勢いよく噴射され、その遠心力によって水が霧状に変化するから。
放送ではさらに、トリガー式の霧吹きを使ったアート(ウォーターアート)が実演された。
ここからは私の感想・考察を述べる。
まず今回取り上げられた『霧吹き』は『トリガー式スプレー』と呼ばれるものらしい。Yahoo!のAIアシスタントによればその仕組みや特徴は以下の通り。
トリガー式スプレーとは、引き金(トリガー)を引くことで液体を噴射するタイプのスプレーボトルです。ノズルを回転させることで、細かい霧、粗いスプレー、ジェット噴射など、様々な噴射パターンに調整できる多用途性が特徴です。
- トリガー式スプレーの構造
トリガー式スプレーは、ノズル、ハンドル、本体、チューブなどの部品で構成されています。レバーを引くことで内部のポンプが作動し、液体が噴射される仕組みです。
- トリガー式スプレーの利点
- 多用途性: 洗剤、消毒液、消臭剤、園芸用薬剤など、幅広い用途で使用できます。
- 経済性: 繰り返し使用できるため、スプレー缶のゴミ削減にも貢献します。
- 噴射パターンの調整: ノズルを回すことで、霧状からジェット噴射まで調整可能です。
- 使用上の注意点
- 液体への対応: 有機溶剤に対応した製品もありますが、塩素系の液体は使用できません。
- 保管方法: 容器に液体を入れたままにすると劣化しやすいため、使用後は洗浄し乾燥させて保管することが推奨されます。
- 粘度の高い液体: 粘度のある液体や一部の溶剤は使用できない場合があります。
- 通常のスプレーボトルとの違い
トリガー式スプレーは、調整可能なノズルと多用途性から、洗浄液やガーデンスプレーによく用いられます。一方、通常のスプレーボトルはよりシンプルで、パーソナルケア製品や軽量な家庭用洗浄液に使われることが多いです。
次にトリガー式スプレーがいつ、誰によって発明されたのか、ChatGPTに尋ねた。いただいた回答は以下の通り。
**トリガー式スプレーの発明 — いつ・誰によって**
- トリガー式スプレーの起源と発明時期(概要)**
「トリガー式スプレー」(手で引くレバーで液体を噴霧するスプレー)は、20世紀半ば以降に現在の形に近いデザインとして登場しました。従来のスプレー容器は、ゴム球を押して空気の流れで液体を噴霧する初期のものが古くから存在しますが、**トリガー・アクチュエーターを備える現在一般的に使われるスプレーボトルは1960年代後半に普及した**とされています。これは、プラスチック素材の進歩とともに製造コストが下がり、消費財として広く普及した結果です。
- トリガー式スプレーの発明者**
特定の「発明者」として単一の人物の名前が広く認知された公式な記録は少ないものの、複数の情報源が以下を示唆しています:
- **Dr. John Vranas** が1961年頃に「現代のトリガー・スプレー」の原型となるデザインを開発したとの言及があります。これは現代の引き金式ポンプとノズルを組み合わせたスプレー容器の基盤になったとの記述です。([BottleFirst][2])
- 公式な特許や一次資料ではこの点についての明確な証拠は英語・日本語の主要資料で確認できませんが、業界系の歴史解説などでは Dr. Vranas の名前が挙がっています。
- 関連する背景技術**
- 19世紀〜20世紀初頭には、**ゴム球を押すことで液体を噴霧する簡易的なスプレーボトル**が存在しました。これは噴霧自体は可能でも、現在のようなレバー式ポンプによる性能はありませんでした。
- 1920〜30年代には「Flit gun」と呼ばれる**手動昆虫駆除用スプレー**が一般的で、これも手動圧力で液体を噴霧する装置でしたが、トリガーハンドルはありません。
- まとめ**
- 現代の**トリガー式スプレーが一般化したのは1960年代後半**。
- **Dr. John Vranas が1961年頃にトリガー式ポンプスプレーを考案した**との情報が複数に引用されています。
- それ以前にも液体を噴霧する装置は存在したが、**現在のようなレバー引き式トリガーを持つスプレーとして普及したのは20世紀中盤以降**です。
なお、私が子どもの頃はトリガー式スプレーではなく「口で息を吹き込んで空気圧で霧を出すタイプの霧吹き」が一般的であった。ChatGPTによると、この道具は1960年代ごろまで一般的で、1970年代以降にはほぼ一般用途として使われなくなったとのこと。
さて、ここからはより一般的な話題として、必要原因と十分原因について考察する。
今回の疑問は「霧吹きで霧が出てくるのはなぜ? 」であり、正解は「ぐるぐる回る溝がついているから」であるとされた。しかし厳密に言うと、「ぐるぐる回る溝」というのは霧が出てくるために必要な条件の1つに過ぎず、他にもいくつかの原因が必要となる。具体的には、
- トリガーを引くことでボトル内部の空気圧を高める仕組み
- 噴射口が小さい穴であること
- トリガーを引く人
などなど。さらにもっとさかのぼれば、その道具を作るための素材、大気圧、一定範囲の温度なども必要であろう。
このように何かの現象(ここではスプレー噴射)を引き起こすには無数に近い必要原因が必要。それらがすべて揃えば十分原因となる。
ということで、今回の疑問に対しては、
- 小さな噴射口があるから
- 噴射する液体は粘性が低いから
- レバーを引く(押す)力をもった人がいるから
などもすべて正解になる。「ぐるぐる回る溝」はそうした諸原因の1つなのだが、通常それが唯一の正解であるかのように扱われるのは、実用性が高いからに過ぎない。もしそのスプレーが壊れたとすれば、修理をする人は「ぐるぐる回る溝」以外のか所で不具合がないかどうか、必要原因の1つずつについて点検をしていくはずだ。
次回に続く。
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