【連載】チコちゃんに叱られる! 滝が凍る(凍らない)理由
2月27日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は
- なんで飲食店でおしぼりを出すようになったの?
- 草むしりしても草むしりしても雑草がまた生えてくるのはなぜ?
- なぜ滝が凍る?
という3つの話題のうち、最後の3.について考察する。
さて3.であるが、3.については以下の2通りの疑問の立て方ができる。いずれも「氷点下になれば水は凍る」を前提にした上で、
- 【気温が氷点下になれば水が凍るのが当たり前だが】滝がなかなか凍らないのはなぜか?
- 【気温が氷点下になっても滝はなかなか凍らないが、ついには凍ってしまう場合がある。どういう条件のもとでは滝も凍るのか?
という2通りである。もっとも、どちらが意外性を反映した疑問なのかということは、それぞれの人の生活環境や体験に依存している。周りの景色が凍りついているのに滝だけが流れている景色を見ている人は1.の疑問を持つだろうし、滝が流れている時と凍結した時の両方を見ている人は2.の疑問を持つだろう。
さて放送では、「いやいやなぜ「滝が凍るのか」ではなくなぜ「凍らないのか」を不思議に思うべき。凍りにくいのは水が上から下に落ちるとき水分子が動いてしまうから」が正解であると説明された。解説は物理学を研究しているお馴染みの川村康文さん(環太平洋大学、北九州市科学館スペースLABO)。なお川村さんは2024年7月に登場された時は東京理科大学が御所属になっていた。念のためリサーチマップを閲覧したところ現在は「環太平洋大学 次世代教育学部 兼 国際科学・教育研究所 次世代教育学部 国際科学・教育研究所 教授・所長/九州市科学館 科学館 館長/東京理科大学 理学部第一部 嘱託教授(非常勤) (嘱託教授(非常勤))」となっていた。
前置きが長くなったが川村康文&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
- 【番組スタッフ】滝は常に水が落ち続けているので動いている水は凍らないように思う。
- 滝に流れているのは水であり、水は0℃以下では凍る。なので【0℃以下になっても】凍らないことのほうがおかしい。でも、下流の川の水は凍っているのに上流の滝の水は凍っていないということはよくある。
- 滝が凍りにくいのは水が動いているから。
- 水は水分子がたくさん集まってできており、液体の状態ではそれぞれが自由に動き回っている。
- 温度が下がると動きが鈍くなり、0℃では殆ど動かなくなる。
- そうすると水分子同士が結晶となり、その結晶が隣の結晶とくっつき、最終的にはすべての水分子がくっついて結晶になり殆ど動かなくなる。これが氷。
- 滝の水は上から下に動いている。そうすると水分子も強制的に動く。本来は動きを止めるはずの0℃になってもまだ動いていてくっつくことができないので流れている。
- 滝も水温が約マイナス5℃から6℃になると凍り始める。上から凍るのと下から凍るという2通りがある。
- 上から凍るのはつららができるのと似たしくみ。上から落ちる水は水しぶきとなり、空気に触れる面積が増えることで凍る。凍った水しぶきが岩やこけに付着し、そこにまた新たな水しぶきがくっつく。その繰り返しにより大きなつららのように成長していく。
- 流れ落ちる水は激しく動き続けるため0℃以下でもくっつかない。これは『過冷却』と呼ばれる。過冷却は凍りたくても凍れない状態。過冷却状態の水は水分子どうしが僅かな距離を保っている。過冷却の状態の水を落とすと水が上から下に押し当てられると動きが不規則になり、水分子の距離が近くなり結晶になる。その連鎖により一気に凍る。滝壺でもこれと同じ現象が起こっている。
放送ではさらに川村康文さんがオススメのアート氷瀑3箇所が紹介された。
- 茨城県の『袋田の滝』:高さ120m、幅73m。四段に分かれて落ちる滝で、凍っても水しぶきのように見える。
- 長野県の『大禅の滝』;落差30mを一気に落ちる滝で、氷の柱が何層にも重なって大きな氷瀑になる。
- 熊本県の『古閑の滝』:噴火によって作られた落差100mの絶壁を一気に落ちる滝。落ち口の部分は凍ると羽を広げたような形になる。
なお、水が凍った時も水分子は熱エネルギーによりわずかに動いており、「その場で震えている状態」であるという補足説明があった。
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