【連載】チコちゃんに叱られる! ペットボトルの水/流行色とクオリア
昨日に続いて、3月14日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。
まず、昨日取り上げた、
●水を買うようになったのはなぜ?
についての補足。放送ではミネラルウォーターが買われるようになったポイントとして
- 1970年代:ウイスキーの水割り。サントリーが独自に水割り用のミネラルウォーターを発売。
- 1983年:ハウス食品がカレーと共に『六甲のおいしい水』を販売
- 1996年:500mlの小型ペットボトルが登場
という3点が挙げられていたが、このうち1.は用途がウイスキーに限定されていて一般に広まる原動力にはならなかったように思われた。2.の『六甲のおいしい水は、ウィキペディアでは以下のように説明されていた。
- 六甲のおいしい水(ろっこうのおいしいみず)は、1983年から2010年までハウス食品(現在のハウス食品グループ本社)が、2010年から2012年までアサヒ飲料が発売していた、ミネラルウォーターである。アサヒ飲料の登録商標(日本第3137815号ほか)である。2012年からは、同じものが「アサヒおいしい水」のラインナップ「アサヒ おいしい水 六甲」として販売されている。
- ハウス時代
ハウス食品により1983年に発売。日本国内での家庭用ミネラルウォーターのさきがけ的存在である。
当初は法的規制で加熱殺菌が必要だったので、中がアルミ箔でコーティングされた1リットル紙パックで発売された。1990年代に入ると規制緩和で加熱殺菌が不要になったので、現在のようにペットボトルで発売されるようになった。
現在、主流となっている角型で冷蔵庫のポケットに収まる2リットルボトルを最初に発売したのも、この製品であり、その後広くこの形が採用され、現在では2リットルペットボトルの主流となっている。また海外にも輸出されており、高級ミネラルウォーターとして珍重されている。
- アサヒ時代
2010年4月8日、アサヒビールグループの飲料メーカーアサヒ飲料が、53億円で同事業及び六甲工場・灘採水場の土地建物設備を取得したことを発表。同年5月末に事業譲受を完了し、同年6月から製造開始。そして、同年7月6日より発売を開始した。これで、アサヒ飲料が発売するミネラルウォーターは「富士山のバナジウム天然水」(取水地は山梨県富士吉田市)との2ブランド体制となった。
2011年10月製造分からは側面の蛇腹構造、ボトル肩部分の傾斜角度、底面に溝を入れるなどの工夫を行って十分な強度を確保しつつ、従来品よりも25~28%の軽量化を実現した新型2Lペットボトル「らくエコボトル」を導入した。
なお、『六甲』という名称については「2リットルボトルの水を製造する六甲工場が神戸市西区にあり、神戸市灘区の500ミリリットルと1.5リットルの採水場から17キロ離れた場所で採水していること。また、「花崗岩内のミネラルを溶かし込み」とラベルで表示していたが、西区の六甲工場は大阪層群で六甲山系の地下水が流れているとは考えにくく、また、六甲山系から西区の工場に至るまでに透水性の悪い粘土層や高塚山断層があり地下水が流れるとは考えにくく、たとえ地下水が流れたとしても長年かけて粘土層を通るためミネラル分が失われる。 」という理由で2008年、公正取引委員会から景品表示法違反(優良誤認)でハウス食品に排除命令が出されたことがあったという。
いずれにせよ、私自身は、水が買われるようになった一番の理由はペットボトルの利便性にあるのではないかと思っている。
ちなみに、私が国内旅行に出かけていた1970年代はまだペットボトルは普及しておらず、駅弁と一緒にポリ茶瓶を購入するのが一般的であった。こちらによると、1960年代からペットボトルが広がる90年代まで普及したといい、容器(約200ミリリットル)にティーバッグを入れ、熱湯を注いで茶を抽出する。ふたは湯飲みとして使え、ペットボトルのようにラッパ飲みせずに味わえた。
このこととは直接関係無いが、かつて駅のホームに設置されていた水飲み場は最近では殆ど見かけなくなった。水を飲むかどうかは別としても、うがいをする場所が減っていることは感染症予防上好ましくないように思う【なぜか、空港内では各所に水飲み場が残っている】。
ペットボトルの普及で見かけなくなったものとしては、会議室でのヤカン、ポット、湯飲みがある。はっきりした記憶はないが、2000年以降、教授会などの定例会議ではお茶が提供されなくなり、出席者は必要に応じてペットボトルを持参するようになった。講演・講義を依頼された時にも、沸かしたお茶ではなくミネラルウォーターなどのペットボトルが用意されるようになった。
もっとも上掲のチチカカ湖の写真にもあるように、ペットボトルは環境汚染の元凶にもなる。かつては海外旅行ツアーでは毎日1本ミネラルウォーターが無料配布されていたが、私がよく利用している旅行社ではこれが廃止され、移動中は車内、宿泊先のホテルではロビーに蛇口付きのタンクが設置されていて、参加者はそこからマイボトルに水を補給するようになった。確かに、これでプラごみの排出量はかなり減った。
さて、元の話題に戻るが、最後の3.では「流行色ってなに?」という話題が取り上げられたが、私自身は人生70+α年、そもそも『流行色』という言葉は一度も耳にしたことがないし、当然、今年の流行色が何色なのかも全く知らない。
この疑問について、岡村さんは「ファッション業界が仕掛けたPRで決められたのが流行色です」と答えてチコちゃんに叱られていたが、これで正解なんじゃないかな。要するに、毎年同じ色が流行っていたのでは新しい服が売れなくなるので、ファッション業界のほうで毎年異なる色を流行らせるように調整(談合?)しているのが流行色ではないかと思われた。
ということで、私としてはそれ以上の関心は無いのだが、放送では「世界がバタバタしないために決めている色」が正解であると説明された。文化服装学院で特別講師をつとめる小木曽珠希さん(日本流行色協会)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。。
- 2025年春夏の流行色は56色。このように色の数が多いのは、国ごとに文化や国民性が違うこと、ファッション業界のほか、インテリアや家電などさまざまな分野に向けた流行色であるため。
- 色だけでなく、紐、和紙、布などの素材にも対応している。
- 国際流行色委員会は1963年に設立され、日本、アメリカ、フランスなど17か国で構成されている。会議は年に2回。各国の代表がそれぞれのカラーを持ち寄り、今年は約450色の中から56色が決定された。
- 社会情勢や人々の心理を分析し、時代にマッチしたカラーを選んでいる。
- 流行色は発表する2年前に決めている。つまり、流行色とは、実際に流行した色ではなく、2年後の社会情勢を予想した色のこと。
- 2025年春夏の流行色は2023年5月に決められた。2023年は世界で紛争が続き困難な状況にあった。会議では2025年になっても世界的な困難が続くと分析し、「困難に負けずに未来を作る」というテーマで56色が選ばれた。
- 「クールヒート」という色は「困難に打ち勝つ熱い思い」
- 「ソラライズド」という色は「太陽の光を浴びた明るい未来」
というように、それぞれのテーマに時代へのメッセージが込められている。
- 2年前に決める理由は、色の染料の確保などの準備に時間がかかるため。流行色は世界規模なので同じ色を大量生産する必要がある。そのため材料・染料が大量に必要であり、また色に合ったデザインを考える時間も必要。何も準備をしないで直前に決めてしまうと大混乱になる。
- 2年前に流行色が決まったあとは、
- 1年前:素材の展示会
- 半年前:ファッションショー
- 現在:店頭販売
というように2年間をかけた取組が行われる。
そもそもなぜ流行色を決めるようになったのか? これについての解説は以下の通り【要約・改変あり】。
- 合成染料が大きく関係している。
- 1856年、イギリスの化学者ウィリアム・パーキンがマラリアの治療薬の実験中、ビーカーの底に残る赤紫色の物質を偶然に発見。これが世界初の合成染料となった。
- それまでは藍、紅花、草木、玉ねぎなど天然素材を使った限られた種類の染色しかできなかったが、合成染料の発見により色の種類が劇的に増えた。
- しかし、色の種類が増えたことで、洋服店では何色の服が売れるのかが予想しにくくなり、お客さんも何色の服を着ればいいのか迷うようになった。
- 「トレンドが欲しい」という洋服店と、「買う目安が欲しい」というお客さんの思いが一致して流行色が決められるようになった。
流行色を決めても本当に流行らなければ意味が無い。これに対しては以下のように解説された。
- 1980年代に流行したモノトーンカラー(白・グレ−・黒を使った色構成)は1980年に流行色委員会が春夏の流行色として選定。
- 1981年に行われたファッションショーで、日本人デザイナーが当時タブーとされていた黒の服を発表。全身黒をまとった服は『カラス族』と呼ばれる社会現象になった。
- 2023年の流行色には黄色、中でも淡い『バターイエロー』は海外セレブに大人気となった。また日本国内でも黄色の車が話題になった。
ということで、流行色は以上のように解説されたが、最初にも述べたように、私には「ファッション業界が仕掛けたPRで決められたのが流行色です」というが一番当たっているように思われた。
2025年までのところでは流行色は、17か国の代表の協議で決められるようだが、今の時代、AIのほうがより適確な選定ができるのではないかという気もする。試しにCopilotに尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。
2025年春夏の流行色について、過去のトレンドやファッション業界の動向から予測すると、鮮やかさと自然をテーマにした色合いが注目されるかもしれません。以下の色が候補として挙げられます:
- **コーラルピンク**: 柔らかくもエネルギッシュな色合いで、春夏の軽快さを演出。
- **パステルグリーン**: 自然を感じさせるリフレッシュなカラー。
- **スカイブルー**: 爽やかな青空をイメージし、リゾート感を演出。
- **サンシャインイエロー**: 太陽の輝きを思わせる明るい黄色で、元気を与える色。
- **ナチュラルベージュ**: 自然素材との調和を意識したニュートラルなトーン。
これらの色は、環境への意識やポジティブさといったテーマを背景に選ばれる可能性が高いです。もちろん、これからのデザイナーたちのインスピレーションや季節ごとのアイデア次第で、さらにユニークな色合いが登場することも考えられます。
どの色が気になりましたか?また、どのようなスタイルに取り入れるかも楽しい話題ですね!
続いてChatGPTに尋ねたところ以下の回答をいただいた。
2025年春夏の流行色は、自然やポジティブな印象を与えるカラーが注目されています。以下に主なトレンドカラーをご紹介します。
- バターイエロー
クリーミーで柔らかな印象のイエロー。肌なじみが良く、春らしい軽やかさを演出します。
- パステルピンク
淡く優しいピンク色で、フェミニンなスタイルに最適です。濃淡を組み合わせたコーディネートもおすすめです。
- タンジェリンオレンジ
鮮やかでジューシーなオレンジ色。コーディネートに取り入れることで、華やかさと活気をプラスします。
- ブライトブルー
セルリアンからコバルトブルーまでの鮮やかな青色。スタイリングに爽やかさとモダンさを加えます。 - モカ・ムース(ブラウン)
深みのあるブラウンで、シックでニュートラルな印象を与えます。 ?
どちらの予想が当たるのかは興味深いところだが、2025年3月11日にも記したように、そもそも個々人の色の見え方には個体差があり、自分の好みの色が他の人にも同じように見えているという保証はどこにもない。こちらの動画で紹介されているドレスの色になると、もう何が何だか分からなくなる。
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