じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 【インドネシアその6】横型交通信号機の謎
 今回のツアーではまずジャカルタに1泊したが、深夜に到着し翌朝は暗いうちに空港に向かったため外の景色には注意が向かなかった。
 ジョグジャカルタから観光に出発した時になって初めて気づいたのは、日本と同じように車が左側を走っていたことである。そしてさらに目を引いたのは、1/5〜1/10くらいの確率で、日本と同じ横型の信号が設置されていたことであった。
 ウィキペディアに記されているように車が左側を通行する国は今回のインドネシアのほか、インドやパキスタン、そして日本というようにそれなりに人口の多い国をカバーしているが、横型の信号【←車の通行側とは無関係】が設置されている国は遙かに少ない。少し前に訪れたパキスタンでも殆どの信号は縦型だったと記憶している。
 その横型信号だが、赤信号の視認性を高めるために、車が左側通行の国では左から「青、黄、赤」、右側通行の国では左から「赤、黄、青」という順で並ぶように決められていると思っていたが【写真上。2000年9月10日掲載の中国・カシュガルと天安門の横型信号を合わせて参照】、今回のジョグジャカルタでは、少なくとも1か所、左側に赤が点灯している信号機が見つかった【写真下】。左側が赤になっていた理由としては、
  1. デジカメの色認識に異状があり、本来は青色の光を赤色として処理した。
  2. バスのガラスで反射した映像であり、左右反転していた。
  3. 設置工事の際に付け間違えた。

 現地ガイドさんに当該の写真を見せた限りでは、3.の付け間違えではないかとのことだったが、そんな呑気なことでいいのか、謎が残った。

2025年06月28日(土)



【連載】チコちゃんに叱られる! 「仙台名物の牛タン」「手のひらに穴があいて見える現象」

 昨日に続いて、6月20日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、
  1. サッカー日本代表のユニフォームが青いのはなぜ?
  2. なぜ牛たんは仙台名物?
  3. 【こんなんのコーナー】手のひらに穴があいちゃう現象
  4. なぜ寝るときに見る夢と将来の夢は同じ「夢」?
という4つの話題のうち2.と3.について考察する。

 まず、2.の牛たんの話題であるが、放送では「佐野さんが作った牛たん焼きを大川原さんが「仙台名物だ」とそうでもなかったのに言い切ったから。」が正解であると説明された。

 牛たんの成り立ちや歴史に詳しい小野博康さん(仙台牛たん振興会)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
  1. 牛たんは、欧米ではかなり昔から食べられていたが、日本人が食べるようになったのは戦後から。
  2. 生の牛たんは筋肉量が多いため食感が硬いというデメリットがあった。そのため欧米では3日以上煮込んで軟らかくし、タンシチューとして食べることが多かった。
  3. しかし1940年当時の日本はガスの普及率が低く、数日間煮込むのが非常に難しかった。そのため牛たんは食べられない部位として破棄されていた。
  4. 日本で初めて網で焼く牛たん焼きを作ったのは佐野啓四郎さん(1915-1994)。佐野さんは、20歳代で日本料理を学び、戦後まもなく仙台市にやってきて焼き鳥屋を開業した。しかし仙台には当時数百軒の簡易的な焼き鳥店があり、自分だけのオリジナルメニューを作ってライバル店に対抗しようとした。そんな中で知り合いの洋食店から牛たんを紹介された。牛たんは当時は破棄されていたので安く仕入れて自分だけの料理を作ることができた。
  5. 佐野さんは日本料理の技術『キッパ漬け』で、煮込まずに牛たんを軟らかくする方法を開発した。
    • 『キッパ』とは切り込みのこと。キッパ漬けとは食材に切り込みを入れることで調味料をしみ込ませやすくする調理方法のこと。
    • 牛たんは筋繊維が多い部位であるため火を通すと筋繊維が縮んで硬くなる。そこで肉全体に切り込みを入れて筋繊維を断ち切り硬くなるのを防ぐ。
    • さらに、牛たんの切り身に塩コショウなどの調味料をまぶして一晩寝かすことでアミノ酸などのうまみ成分を引き出す。さらに塩は、火が通ると硬くなるタンパク質を溶かす効果があるので肉が軟らかくなる。
  6. 佐野さんは宣伝を嫌っていたので、その時点では仙台名物にはならなかった。
  7. 仙台名物のきっかけを作ったのは大河原要さん。
    • 大河原要さんはもともとはデパートの営業担当だったが、佐野啓四郎さんの牛たんに感動して52歳で弟子入りした。
    • その後独立して仙台駅前に店を開いたが、店がビルの4階にあり目立たなかったのでお客が来なかった。そこで店を繁盛させるために苦悩と葛藤の末、「仙台名物牛たん」と書いた看板を設置した。
    • その後、牛たんを出していたほかのお店も「仙台名物」の看板を出すようになった。
  8. 1982年、東北新幹線(大宮・盛岡間)が開通し全国から多くの人が訪れるようになり、テレビでも牛たんが仙台名物として紹介されるようになった。


 ここからは私の感想・考察になるが、私自身はやはり「牛のベロは気持ち悪い」派であり、かつて「タンステーキ」とは何かを知らずに注文して完食したことはあったものの、それが牛の舌であると知ってからは避けるようになった。なので牛たんが仙台名物と宣伝されていることも全く知らなかった。ま、動物の肉を食べる以上、それがどこの部位なのかは気にしないほうが良さそうだ。
 ということで、牛たんについては特に感想はない。ちなみに妻の卒業研究は『牛の舌の神経解剖学的構造』というようなテーマだったようだが、研究が終わったあとでそれを焼いて食べたのかどうかは定かでは無い。




 次の3.の「手のひらに穴があいちゃう現象」は、このシリーズの中でも最も簡単に確認できる現象であり、
  1. まずは紙をまるめて筒を作る。トイレットペーパーの芯でもよい。
  2. 筒を左手で持ち、左目で景色をのぞく。右目は閉じておく。
  3. 右手を開いて筒の右隣に置く。
  4. 10秒たったら右目を開ける。
これだけで右手に穴があいているように見え、参加者は思わず声を上げてしまう。

 お馴染みの坂井建雄さん(順天堂大学)によれば、この現象は『両眼視野闘争』が原因で生じる。片目ずつのぞくと、
  • 左目:景色
  • 右目;手のひら
というように左右で異なる視覚情報が入ってくるため、左右の視覚情報が重なって手のひらに穴があいているように見えると解説された。

 次回に続く。