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楽天版にカザフスタン・マンギスタウのアルバムを連載しているところであるが、8月13日付けに掲載したボスジラに向かう途中の高台で、写真のような奇怪な生命体?を目撃した。 ハリネズミが丸まっているのかと思ったが全く動かないのでひっくり返したところ、なっなんと正体はたわしであった。同じものがキッチンにあれば疑いなくタワシとして認識するが、このような人気の無い場所に人工物が転がっているとは思ってもみなかった。物の見え方が文脈に依存するという例と言えよう。 なぜこの場所にタワシがあるのかは不明だが、近くに焚き火のあとがあったことから、この場所で野営をした人が食器を洗ったあとに置き忘れたものではないかと推測される。 |
【連載】チコちゃんに叱られる! 「正座の由来」「うれしいとジャンプするのは、目指すものが見つからなくて上へ跳ぶしかないから」という胡散臭い「説明」 昨日に続いて、8月11日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、
まず3.の『正座』の由来であるが、放送では「徳川家光が心配性だったから」が正解であると説明された。 斗鬼正一さん(江戸川大学名誉教授)によれば、正座は日本古来の独自な座り方という印象が強いが、奈良時代に中国から伝わった座り方であると言われている。もっとも当時の日本では『あぐら』や『立てひざ』が一般的であり、座っていてもきつくてしんどい『正座』は広まらなかった。千利休も『正座』ではなく『あぐら』でお茶を点てていた。 徳川家光は幕府を安定させるために、参勤交代、キリスト教禁止、鎖国などさまざまな制度を作ったが、大名たちと対面する際に裏切りで斬りかかられるのをふせぐため、すぐには攻撃体勢をとれないように、正座(跪座)を命じたという。但し表向きには「姿勢がきれいな座り方」であるという理由がつけられた。 跪座が正式に『正座』と呼ばれるようになったのは明治時代に入ってからであり、学校教育でも取り入れられ、日本人にふさわしい座り方として一般的になったという。 ここからは私の感想になるが、ウィキペディアには『正座』の歴史がもう少し詳しく説明されている。江戸自体初期に正座が広まった要因については、
なお、座禅の座り方と正座の違いについてBingに尋ねたところ、 座禅の座り方は、**坐蒲**というクッションの上に足を組んで、両膝とお尻の三点で上体を支える姿勢です2。足の組み方には**結跏趺坐**と**半跏趺坐**があります23。正座は、足の裏の上にお尻が位置する姿勢です1。両足部をお尻の外に出して、お尻は座面に接触する座り方は「**おねえさん座り**」と言われます1。座禅と正座の違いは、足の組み方や坐蒲の使用などにあります。どちらも背筋を伸ばして頭を上に置くことが大切です。私自身は座禅の座り方を全く教わったことがなく、正座に近い形で座ってしまうためすぐに足がしびれて起き上がれなくなってしまう。 最後の4.のうれしいとジャンプする理由については、放送では「目指すものが見つからなくて上へ跳ぶしかないから」というかなり胡散臭い「説明」が行われた。 脳と体の関係を研究している篠原菊紀さん(公立諏訪東京理科大学)によれば、うれしくてジャンプするのは、脳内にある快感や行動に深く関わる「線条体」(別名『やる気スイッチ』)が刺激されることで起きると考えらる。
ここからは私の考察・感想になるが、ウィキペディアによれば、篠原菊紀さんは東京大学教育学部のご卒業であり、
しかし、今回の「目指すものが見つからなくて上へ跳ぶしかないから」という「説明」については、過去のどのような研究によって実証されているのか、何の出典も明らかにされておらず、ひょっとして単なるご自身の持論の紹介に過ぎないのではないかという印象を受けた。 人がうれしいことがあった時に飛び跳ねて喜ぶのは、チームの優勝シーンなどでもたまに目にすることがあったが、このことを、具体的な事物が目の前にない場合の代償行動のように解釈できるかどうかははなはだ疑問である。 上掲の4.では ●多くの生き物は獲物を捕まえるため移動する。これは、過去に獲物を捕まえたうれしい経験が脳に蓄積しているため、そちら(=うれしい経験の方向)へ向かうと獲物が取れる、つまり、またうれしい体験ができると脳が判断し、目の前の獲物に向かっていく。 と論じられていたが、動物の食行動はそんなに単純なものではない。草食動物、肉食動物、雑食動物によって、エサ探しや摂食行動の仕組みは多種多様であるが、いずれにせよ、摂食行動は生命維持に欠かせない基本的な行動であって、移動だけで成り立つとは限らない。 篠原菊紀さんは脳科学を専門としておられるようなので、行動分析学の強化理論についてはご存じないか、もしくはご存じであっても無視しておられるのかと思われるが、動物が食べ物のありそうな場所に接近するには、
そういえば、同じチコちゃんの番組の中には ●拍手をするのは体に触りたいけど手が届かないから という胡散臭い「説明」もあった。 ま、バラエティ番組ということなので、意外性のあるトンデモ理論がもてはやされる傾向があるのは致し方ないところもあるが、青少年から高齢者まで影響を与えやすい人気番組でもあるので、疑問解決にあたっては研究者一人だけの持論を紹介するのではなく、常にセカンドオピニオンを取り、信頼性の高い放送になるように努めて貰いたいものだ。 |