Copyright(C)長谷川芳典 |
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4月6日と4月7日の日記に、雌雄異株とされているレンギョウとシナレンギョウの花の接写写真を掲載した。
写真は別の場所にあるヤマトレンギョウの花の中心部。雄しべがハッキリ見えているがその奧には雌しべらしきものも見えていた。 ネットで検索したところ廣野郁夫さんのサイトに詳しい分析があり、その中に、日本植物生理学会の『みんなのひろば』(2014.4.17.)の引用があった。リンク先の記事では、 レンギョウの仲間ではどの種にも、雄しべが長くて雌しべが短い花と、雄しべが短くて雌しべが長い花が咲きます。それぞれのタイプの花を雄花、雌花と書いている図鑑もたくさんあります。しかし、この雄花にも子房を持つ雌しべがありますし、雌花の雄しべにも花粉ができます。このことから、これらは厳密な雄花、雌花ではなく、どちらも雌雄両方の性質を持つ花(両性花)と見るべきでしょう(雄しべが長い花と雌しべが長い花の2タイプがある)。このような花を異型花と呼び、雄しべが長い花(雌しべが短い花)を短花柱花、雌しべが長い花を長花柱花と呼びます。短花柱花に吸蜜に訪れた昆虫が長い雄しべに触って花粉をつけ、次に長花柱花の雌しべに触ると受粉が起きて結実します。(逆に、長花柱花の短い雄しべの花粉が短花柱花の雌しべに運ばれることもあり、その場合でも結実するはずです。ただし「雄花の雌しべと雌花の雄しべは短く不稔」と書いてある図鑑もありますので、頻度は低いのかもしれません)。短花柱花が咲く株と長花柱花が咲く株は別々で、同じ株が両方の花を付けることはありません。なるべく自家受粉を避け、他の株と交配しようとする植物の知恵ですね。しかも、どちらの花でも雄しべと雌しべの距離はかなり離れており、自家受粉が起こりにくくなっています。また、レンギョウの仲間は自分の花粉が自分の雌しべについても結実しにくい自家不和合性という性質も持っているようです。と解説されていた。また、もとの廣野郁夫さんの記事のほうではさらに詳しい考察があった。なかなか奧が深い。 |
【連載】隠居人が楽しめる素数の話題(5)素数の「一般項」(2)素数は6の倍数の隣にしかない 昨日に続いて素数の話題。 ●かーるのゆっくり数学 近年解明された素数の法則 6選【総集編】 を中心にメモと感想を記す。 総集編第三話では、ウィルソンの定理に基づいて1964年に Willans C.P. が報告した「一般項」【こちらが出典】に続いて、「素数全部に共通するちょっとしたルールみたいな弱い法則」として、 ●2と3以外の素数は6の倍数の隣にしかない。 が紹介された。これはいっけん不思議に見えるが、任意の自然数を6で割った余りで分類すると、
これは別段、6が特別な数というわけではない。例えば、6の代わりに12で割った余りを考えると、
もっとも入試問題などで、「aを素数とする」という前提があったときに、「aは素数なので、a=2または3、または、自然数nにより、a=6n−1、a=6n+1と表すことができる」と書き換えると解きやすくなることがあり、この「弱い法則」はそれなりに役に立つ。 このほか2015年2月18日の日記で、 ●4以上の偶数は2つの素数の差で表すことができるか? ●4以上の偶数は「6n±1」の差で表すことができるか? について考察したことがあった【2015年2月16日からの続き】。 次回に続く。 |